症例紹介

入れ歯の予備を作成するヨビーバについて

栃木県宇都宮市兵庫塚町の歯医者 やまのうち歯科医院の山之内です。

夜間などに震災等にあり義歯がない状態で長期いたため十分な食事がとれず大変な思いをされたという話を聞きます。

そのような場合や、旧入れ歯が壊れたりしたときに予備に入れ歯を作る方法として、ヨビーバというものが考えられました。
通常の入れ歯の作成には下記のような手順が必要になります。

入れ歯(義歯)の作成手順は一般的に以下のようなプロセスになります。
ただし、個々のケースによって手順は異なる場合がありますので、歯科医師との相談が必要です。

  1. 初診と診断: 歯科医師による口腔健康状態の評価やレントゲン検査を行います。
    欠損部位の骨吸収の状態や、顎関節の状態等視診ではわからない部分を診査して、入れ歯の必要性や治療計画を決定します。
  2. 歯型の取得: 歯科医師が正確な歯型を作成するために、あなたの口の中に特殊な材料を詰め込んだり、デジタルスキャンを使用して口腔内のイメージを取ります。
    これによって入れ歯の基礎となる模型が作られます。
  3. 咬合の測定: 上下の歯の噛み合わせの関係を測定するため、口の中で特殊な色付け材料や薄いワックスを使って咬み合わせの高さや左右の位置関係のチェックを行います。
  4. 仮入れ歯の作成: 歯型をもとに、歯科技工士が仮歯を作成します。
    仮歯は、入れ歯が作られるまでの間、口の中に入れておくことができる臨時の歯のようなものです。
    仮入れ歯を装着して、見た目や咬み合わせの快適さを確認します。
  5. 最終入れ歯の作成: 仮歯が適切であることが確認されたら、歯科技工士が最終の入れ歯を作成します。
    入れ歯は、材料によって製作され、あなたの口の形状に合わせて調整されます。
  6. 入れ歯の調整: 最終入れ歯を装着した後、歯科医師との相談のもと、必要に応じて微調整や調整を行います。
    咬み合わせや快適さを確認し、必要な場合は修正を行います。
  7. メンテナンスと定期的な検診: 入れ歯は長期間快適に使用するために、適切なメンテナンスが必要です。
    歯科医師の指示に従い、入れ歯のクリーニングや定期的な検診を受けましょう。
    以上が一般的な入れ歯の作成になりますが、治療内容や状況によって回数や内容が変わります。

作成するには以上のようなステップが必要になるので、時間や期間がかかります。
壊れたりなくしたりした場合、すぐに作ろうと思っても作ることはできません。
無理に作成すると合わない入れ歯が完成します。

ヨビーバは、日立ユニオンデンタル株式会社とグループ会社の株式会社 MARS DENTEX(マーズデンテックス)が開発した、3Dプリンターで製造する義歯です。
従来の義歯は、破損したり紛失したりすると、新しいものを製造するまでに1ヶ月ほどの期間を要していましたが、ヨビーバは3Dスキャナーを利用して歯科医院側とデータを共有することで、製造に3Dプリンターを取り入れることで、圧倒的な納期短縮を実現しています。
これにより、データをさえあれば来院無しの発注、さらに条件が整えば即日納品も可能になります。
災害などの不慮の事故で義歯を紛失しても、データさえあれば短期間で新しい義歯の製造が可能です。

ヨビーバ概要について書いていきます。
『ヨビーバ』は、3Dプリンターを用いたコピーデンチャーシステムです。
旧義歯の3Dスキャンを元に、フル3Dプリントにより新しいデンチャーを製作致します。
床形態や咬合関係など、現在の義歯が再現されるため、“予備の入れ歯”としての使用が可能です。
3Dプリンターでの製作により、複数枚の製作や定期的な作り変え等、症例に応じた対応が可能になっております。
ヨビーバを使用すれば、物理的な「予備の入れ歯」を所持できるだけではなく、データとして保管することで紛失・汚損といいたトラブルにも迅速に対応できるようになります。
また、リベースや、咬合面の調整を行った旧義歯をスキャンすることにより、旧義歯の使用感を維持したまま新製の義歯を製作することも可能です。
データとして残しておけば、5年間はそのデータを保存することができるのでその間に壊れたり紛失した場合、すぐに作成することができます。

推奨症例

破損・紛失に備えたスペアとして製作
使用感のある義歯をお使いの患者様の作り替えとして
防災用として持ち出し袋などへの常備
外出・写真撮影用にシェードの明るいものを
介護施設などの洗浄交換用に
ダイナミック印象用の個人トレーとして
顎位補正を行う際の治療用義歯として

ヨビーバの発注について
旧義歯スキャンデータからの発注
口腔内スキャンデータからの発注を受け付けています。
当院では、スキャニングが可能なので入れ歯を預からず作成することが可能ですが、スキャニングの機械がないところでは義歯を預からなければなりません。

前述のとおり、一度スキャニングしたら大きな顎堤の変化がなければすぐに作ることが可能です。
各種クラウドに対応しているとのことなので、確認が必要です。

スキャニング機会がない場合は、旧義歯預かりでの発注

旧義歯をお預かりすることにより、技工所にてスキャナーでスキャンいたします。
事前にスキャン・データ保管のみ行い、必要な時に製作も可能です。

データは最低5年間弊社サーバーで保管いたします。
また、ヨビーバには専用の「製作証明カード」をお付けいたします。製品とともに患者様にお渡しすることで、再製作が容易になります。

材料について

ヨビーバでは、クラスII適合医療材料としてクルツァーより発売されているカーラプリントシステムを使用しています。
また今後、同様のクラスII認証済みプリント材料を使用する場合があります。

歯が一本もなくなってしまった方、入れ歯について気になる方は、下記をクリックしてください。

すべての歯がなくなった方の治療 入れ歯

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