宇都宮市兵庫塚町の歯医者 やまのうち歯科医院の山之内です。
喫煙者と非喫煙者の歯周病治療の効果の違いについて文献がありましたので書いていきます。
侵襲性歯周炎とは、歯周炎を除き全身的に健康で急速な歯周組織破壊が認められる歯周病です。
家族内発症を認めることを特徴とする歯周炎である。一般的にプラーク付着量は少なく、10~30歳代で発症することが多く認められています。
生体防御機構、免疫応答の異常が認められることがあるともいわれています。
歯周病の患者さんに対してSRP等の歯周病治療を行い喫煙がどのような影響をもたらすかを調査した論文です。
SRPとは、歯と歯肉の間の歯石や細菌などの物質等を除去する歯周病治療の一つです。
歯周ポケットが5mm以上あり、過去3か月以内に全身性疾患または、抗菌薬の既往がない人を対象に行っています。
喫煙者の一日の喫煙本数は5~30本です。
SRP後の歯周ポケットや細菌は、非喫煙者の歯周病や侵襲性歯周炎の患者さんで改善を示しましたが、喫煙者では改善傾向は少なかったようです。
喫煙は、歯周炎のリスクファクターであり、喫煙による患者さんの免疫応答の低下や血流量の低下による細菌数の増加などが挙げられています。
他の研究では、慢性歯周炎患者と侵襲性歯周炎患者における細菌では大きな差はないとの論文があります。
喫煙者と非喫煙者における歯周治療前後の細菌の変化に関する研究は多くありません。
慢性の歯周炎と侵襲性歯周炎は、歯周病治療後に歯周病改善を認められました。
侵襲性歯周炎患者では、喫煙者は非喫煙者より歯周ポケットの回復は悪かったことが分かりました。
喫煙することが歯周病の増悪させる因子ということは以前からわかっていました。
喫煙することは、歯周病を悪くさせるだけでなく、治療をしても改善し難いことも証明されました。
歯周病が心配な方は、禁煙することをお勧めします。
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