宇都宮市兵庫塚町の歯医者 歯周病専門医の山之内です。
たばこと歯周病や全身疾患との関係はわかっていますが、IQOSによる歯周病やお口の健康についての文献について書いてきたいと思います。
年間死亡者800万人以上にたばこが直接的な原因であるとされています。
それにも関わらず、いまだに世界中に13億人の喫煙者がいます。
現在たばこの全身疾患への影響が懸念され、禁煙運動や法廷規制が世界中で広まってきています。
その中で、2014年にIQOSが販売され、現在では51か国で使用されています。
しかしながら、その影響についてしょう際に検討した研究は少なく、歯周病やその他のお口の疾患について述べているものはほとんどありません。
今回は、歯肉の上皮細胞と、角化細胞に及ぼすIQOSエアロゾルの影響を検討した文献について書いていきます。
歯周病患者さんに対して、禁煙支援をするとき決まって聞かれることは、IQOSに変更って意味がありますか?
そんな疑問に対する答えを求めて、論文を読み漁っているのですが・・・。
IQOSが細胞に対する細胞毒性やアポトーシスに影響は、細胞生存能や遊走能に悪影響を示しませんでした。
IQOSがお口の線維芽細胞やケラチノサイトに対して毒性がないという結果が示されました。
しかし、細胞周期に影響を与えていることや、暴露時間は24時間と少なく慢性的な影響も不明です。
実験を構築するのが困難なため、加熱式たばこと歯周炎の関係を調査した研究はほとんどありません。
今後の研究に期待していきたいと思います。
今のところ、IQOSは体に悪いといわれているのですが、現在時点では何がどう悪く予後がどうなるかは不明な点がありますが、吸わないほうがいいと説明するほかありません。
当院でも禁煙の支援について取り組みを行っているところですが、実際治療することはできませんし難しいところもありますね。
体とお口の健康を害することが分かっても、相手にわかってもらえても治療効果が出にくいものですし、環境によって困難なケースもあります。
地道に啓もう活動を行うようにしているのが現状です。
加熱式たばこだからと言って大丈夫なわけではありません。
気を付けてくださいね。
歯科の学会で行っている加熱式たばこについての注意勧告です。