宇都宮市兵庫塚町の歯医者 やまのうち歯科医院 歯周病専門医の山之内です。
今回は、再治療にてついて書いていきたいと思います。
日本歯内療法学会はこのほど実施した「歯の再治療に関するアンケート調査」の結果を発表しました。
歯内療法学会とは、虫歯が進行して神経まで細菌が感染し、神経の治療といわれる根の治療を行い歯を保存するのための良い方法を探究し続ける学会です。
根の治療は、被せ物や詰め物と異なり患者さんから見えない治療なので、非常にわかりにくい治療ですが非常に大切な治療です。
そのため、下記にも書いていますが治療をした部位やいつ行ったかも忘れてしまうことが多い治療の一つです。
それによると、働き盛りの40~50代は、再発した虫歯の治療や歯の神経の治療を行った経験者が多いことが分かりました。
他の文献でも見られた傾向と似ているところがあります。
若いころに行った治療の部位が再発や再度虫歯や歯周病になりやすい傾向があります。
どうしても、磨きにくいところや歯ブラシが不得意な部分が虫歯や歯周病になりますので、自己流の歯ブラシですとこのようなことになりかねません。
調査内容は10月7~11日の5日間、20~50代各世代50人の計200人を対象にインターネットで実施しました。
再発虫歯の治療経験者は、20代18%、30代30%、40代46%、50代70%と年代が高まるにつれ増えてきてます。
40~50代は、新たなむし歯は減少する一方で、虫歯が再発する傾向が高まるのが特徴です。
また、むし歯治療で神経を抜いた経験は20代24%、30代38%、40代46%、50代66%と加齢とともに急増していることが分かりました。
40~50代は、神経を抜く治療まで虫歯を悪化させてしまうケースが多くなっているようです。
「神経を抜いた経験がある」と回答した人のうち、神経を抜いた歯がどの歯か「記憶が曖昧な人」「覚えていない人」は、40代約7割弱、50代約8割弱に上り、20~30代の5割程度に比べて多い傾向にあるようです。
自分の歯が何本あるかわからない方もいらっしゃるので、何年も前に治療した部位を覚えていることは少ないのも仕方がないかもしれませんね。
日本歯内療法学会は若いうちは治療した歯がまだ少なく記憶に残っているが、40~50代は治療した歯が多くなるにつれて、どの歯か把握できなくなり、神経を抜いた歯を意識したお口のケアができていないと分析した上で、お口の健康への意識の低下と歯のトラブルは相関するようです。
定期健診の頻度が低いほど口や歯に対する意識が低くお口のトラブルも多いといわれています。
虫歯や歯周病は家で行うホームケアと、定期的な歯科医院で行うプロフェッショナルケアで抑えられる疾患です。
この文献での結果は、お口の中の健康意識の向上が必要だと結論付けています。
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