何故歯医者の治療は一回で終わらないのか?

栃木県宇都宮市兵庫塚町の歯医者 やまのうち歯科医院の山之内です。

今回は、医者の治療は一回で終わることがあるのに、歯医者の治療は一回で終わることがないのか?

こんな記事を見つけました。
お笑いコンビぺこぱの松陰寺さんと虫歯についてのトークにてのことです。
松陰寺さんが「1回で治らないのがムカつかない?」というと、カズレーザーは「様子見ましょうとか言うじゃないですか?本当かなって思っちゃいますよね」と苦笑していたとのことです。
通常、皆さん歯科治療に関しては、わからないことが多いと思います。
小学生時代には、保健活動の一環として行うことがありますが、一般授業で習うことはありませんよね。
中学、高等学校でも、生物の一部で習うのみかと思います。
私が高校時代はそうでしたが、今はどうなっているかはわかりませんので知っている方がいらっしゃたら教えてください。
口腔や口腔疾患について長時間教わることはありませんし、テストに出ることもないかと思います。
それだからこそ、お口の中で悩んでしまうのかもしれません。
医者や看護師でも歯や歯周病などの歯科に関与する分野で習うことはごくわずかと聞き及びます。
話がそれましたが、病気が治る完治したという言葉は聞いたことがあると思います。
歯科治療には、ほとんどの場合完治ということははぼありません。
一度虫歯になると、歯の一部が欠損します。
その部位に詰め物や被せ物を行うと思います。
元に戻っているわけではないので、完治しているわけではありません。
修理修復しているだけです。
もう一度言います、元に戻っているわけではありません。
また、歯肉炎は治りますが、歯周炎は治りません。
対談にもありましたが、様子見ましょうには、いくつか理由があります。
初期状態の虫歯になっているが、削って詰めるほどではない。
予防治療をすればこの状態を維持することができる場合です。
初期むし歯であれば、定期的なメインテナンスと徹底した口腔内のプラークコントロール等によって進行は緩やかもしくは停滞することになります。
文献の一つに、レントゲン上で同程度の初期むし歯がある場合、治療したものと予防治療を徹底したもので比較した研究があります。
5年後の結果では、治療したもの、予防を徹底したもの再発や進行に有意差はなかったとのことでした。
以上の結果から、徹底した予防治療とメインテナンスによって進行を防ぐことがわかります。
そして皆さんが不思議に思われる歯科治療の一つとして、一度の治療で終了しないという点です。
もちろん、軽度の歯肉炎や初期むし歯で経過観察等であれば、一回の治療で終了することもあります。
ただし、一回で終了しない、何回も通院する必要があるのは、先ほども言ったように、歯科は内科と違って、投薬だけで完治する治療がほとんどありません。
正確な診断ができれば、投薬で改善することは可能かと思います。
その診断がとてもとても難しいのですけど。
歯科治療には、歯を削ったり、根の治療をしたり、詰めたり、歯型を採ったり、被せたり、外科的な処置をしたりと手間のかかる処置が非常に多いのです。
被せ物や入れ歯を早く作ってほしいといわれることがありますが、提携している技工士さんに寝る間を惜しんで仕事しろと言えるはずもありません。
そのことをお話しすると、そんなことは頼んでないといわれることがありますが、オーダーメイドで作っているので時間もかかりますし、期間もかかります。
一個の保険の被せ物ができるまでの一部が下記のインスタ載っていますので、興味がある方はクリックしてください。

やまのうち歯科医院(@yamanouchishika) • Instagram写真と動画

そのため、それぞれの治療は段階をふまないと次に進めません。
治療や処置の箇所が多ければ、それだけ回数や時間を要します。

以下は、一度では終了しない治療についてを説明しています。

1回で終わらない理由 虫歯の進行状況


「虫歯」と一口に言っても、虫歯の進行の度合いにより、治療の内容も変わってきます。
単純骨折、複雑骨折、粉砕骨折など骨折にも種類がある様に、虫歯にも進行や状態により異なります。
虫歯が初期の段階ならば、1回で処置が終わる場合もあります。
虫歯が深く、神経(歯髄)まで達してしまうと、修復物を行う前に神経(歯髄)の処置や神経が入っていた根の中の消毒を丁寧に行う必要があります。
この処置をきちんとやらないと、菌が残り、再び外部から感染し再治療や抜歯が必要になるリスクが高くなります。
そのため、複数回の通院が必要となるのです。
その際痛みが消失したからと言って、放置すると悪化し、最悪抜歯することもあります。

1回で終わらない理由 かみ合わせの問題

治療を受ける際、複数の虫歯を一度に治療すればいいのではないのでしょうか?
と思ってしまいますが、これも簡単な話ではありません。
一本の虫歯を治療するためにも段階を踏んだ処置、歯肉や神経組織の状況を見ながら診療しないといけないことがあります。
虫歯の部分だけでなく、口腔内全体の噛み合わせを考えながら治療していきますので、上下で噛み合う歯や多くの歯を一度に削ると噛み合わせへの影響も大きくなってしまいます。
一度に多くの歯の治療を行うと、噛むところがなくなることもありますの。
そのため、虫歯が複数ある場合も、噛み合わせを見ながら一本ずつ治療していくことがあります。
もちろん、数本一度に行うこともあります。

1回で終わらない理由 保険治療の制約

何度も通う理由は、保険診療のルールも関係しています。
保険診療には細かいルールがあり、それに忠実に治療を行うと、1回の通院でできる治療には限りがあるのです。
これは、たくさんの方に平等に医療を提供するためには仕方ないことなのです。
決して歯医者が儲けようと、通院回数を増やしているわけではありません。
歯石取りだけなのに1回で終わらなくて、「また来週も来てください」と言われる事もよくあります。
これも保険診療のルールなのです。
そのほかに一度に終了しない理由の一つとして、保険治療の制約があります。
もちろん、何度も通うのも嫌だ、治療途中で放置するのもいやだという方は、自費治療にしていただければ、一度に多くの治療を行うことができますし、口腔内の細菌と力のコントロールが良好であれば比較的早く再生治療を行うことが可能になります。
保険治療で行う際には、治療の流れに沿って行う必要があり一回で治療を終了させようとなると自費治療にならざるを得ないところもあります。
これはお金儲けと間違われますが、保険上のルールによるものが多分にかかわることもあります。
歯ぐきから上の見える部分の歯石を取って、どのように変化したかを検査をします。
そして問題があれば歯ぐきの中の歯石を取っていくなど、保険上のルールで、治療の進め方も決められています。
検査をして、治療後再度検査を行い評価を行い改善したことを確認してから治療が終了しますよね。
検査して診査と診断いた後、治療して悪くなったら来てください、そのような先生はいらっしゃらないですよね。
治療内容によっては、一回で終了することもありますが、慢性疾患は一回で終了しないと思います。

もちろん、忙しくて何回も通院できないときは?

治療途中だけど、忙しくて通院できない、という方もいらっしゃるかと思います。

前述でも書いた通り、治療途中の歯はとても不安定で、放置することによって、治療前よりも状態が悪くなってしまう場合もあります。

歯科の病気の特性として、自然に治るということがほとんどありません。

痛みがなくとも、症状が出てないだけの場合もあります。
どうしても忙しくて通院できない場合は、かかりつけの歯科医師・歯科衛生士にご相談ください。

まとめ

治療の回数や費用がかかることに疑問がある方はどうするといいのでしょうか。

その答えは、そうなる前に、治療の必要がない健康なお口を目指しましょう。
お口の健康を保つためには、家で行うお口のケアと、歯科医院で行う定期的にメインテナンスを受けることが大切です。
治療期間が長くなっているということはそれだけ処置が必要な状態になっているという事です。
もし定期検診に通っていたら防げた可能性もあります。
定期検診は状況にもよりますが、3ヶ月に1回1時間程度もかからないことがほどんどです。
この時間を捻出すれば、お口のトラブルを起こす確率はぐんと減ります。
定期検診に通っているからといって虫歯にならないわけではありませんが、なる確率は低くなり、もし虫歯になったとしても治療回数が少なくて済む(治療時間や期間が短い)というわけです。
実際、定期検診に通っている人はお口以外の病気にもかかりにくくなり総医療費が抑えられるというデータもあります。
定期検診に通い、お口の健康を保つことが時間とお金を節約できる一番の方法という事になりますね。

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