症例紹介

歯周病治療 エムドゲインとヒアルロン酸

宇都宮の歯周病専門医 山之内です。

今回は、歯周病治療の歯周組織再生療法について書いていきます。

以前も書いたようにエムドゲインによる再生療法は、数十年ほど前からある歯周組織再生療法剤で

世界でも、使用されているものです。

ヒアルロン酸は、美容や関節痛などに使用される素材でこれも以前から使われているものですが、

歯周病治療で使用することはまれです。

理由としては、歯周病治療としては売り出されていないからと

研究論文が少ないからです。

使用して言う文献の一部は、

スケーリングルートプレーニング(歯茎の境目の歯石除去))後の初期の創傷治癒時に、

ヒアルロン酸含有ゲルを投与することによってもたらされる、臨床変数、歯肉縁下細菌と局所の免疫反応への影響を調べた研究です。

基本治療終了後に、ヒアルロン酸を2週間投与したものと、基本治療のみの群で実施されました。

結果かる見ると、ヒアルロン酸を使用したほうが予後がいいとのことですが、

過去にも同様に研究があり、そこではヒアルロン酸に臨床的効果なしと報告されています。

今回の結果との差は、用いたHAの分子量の違いが反映しているのではと考察しているようです。

というのもHAは分子量の違いで、創傷治癒や炎症反応への作用が異なるという報告があるからです。

ヒアルロン酸を使用する方法は、保険治療外なります。

自費で治療を行い、費用対効果はあるかはわかりません。

また、ヒアルロン酸を使用する治療として、

他の歯周病再生剤のように、

外科的治療で使用する方法があげられます。

ヒアルロン酸は、イヌの骨欠損には有効な材料であることは示されていますが、

ヒトについての効果はについてのエビデンスは限定的と言われえいます。

歯肉を開いて骨欠損部位にヒアルロン酸を使用した研究では、

エムドゲインの再生療法剤と比較して遜色ない結果が出たとのことですが、

臨床的には、エムドゲインよりデータはよくなさそうです。

  

そのことから考えると、歯周外科を行って

歯周再生療法を行う際は、特に強いアレルギーがある方以外は

今まで通りの再生剤を使用したほうがよさそうですね。

当院で行う再生治療は、

保険治療で行うリグロス

メンブレン膜を使用したGTR法

今回のテーマであったエムドゲイン

リグロスとGTR法については、歯周病の治療という条件下であれば

保険治療で行うことが出来る、歯周外科治療の一つです。

エムドゲインについては、保険治療ができないので

行うときは担当医とよく相談の上決めましょう。

やまのうち歯科医院では、エムドゲイン代(材料代)+外科処置代5万円(税込5.5万円)となっております。

やまのうち歯科医院で、歯周外科治療のかかる時間は、45分~60分程度となっています。

もちろん、外科治療なので治療時には、虫歯治療と同様の麻酔を行います。

他に、しっかりとした論文がある再生治療薬があるので、

わざわざあまり効果が分かりにくいヒアルロン酸を使用する現在必要性はないと思われます。

また、歯肉に直接注射をして歯肉を盛り上げる治療法があるようですが、

私が知る限りでは、研究会でのケースプレゼンテーションはありますが

日本での論文投稿はほとんどないと思います。

現在の日本で行う学会は、日本で認可された歯科材料でしか人に対して研究することはできません。

また、各学会で行う倫理委員会が認可したものしか論文や学会発表はできません。

ですから、当院で治療を行う際は、日本人での研究データがあり効果が高いものしか使用をしていません。

そして、その状態を維持するには、定期的な検診による予防治療が必須になります。

良くなったからと言って、検診をさぼっていると進行するかもしれません。

歯ブラシだけでは不十分なことが多くあります。

必ず定期健診を受けてくださいね。

 

ほかの歯周組織再生療法が気になる方は、下記をクリックしてください。

歯周組織再生治療 リグロス

 

 

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