症例紹介

20代女性「左下奥歯がかけた」歯牙移植を行った症例

栃木県宇都宮市兵庫塚町の歯医者 やまのうち歯科医院の山之内です。

このページでは、
歯の移植・再植、自家歯牙移植とは?
歯の移植は保険でできるの?
歯の移植ってどんな治療?
など、患者さんが抱きやすい疑問にお答えしてまいります。
インプラントやブリッジの必要がある方も、歯の移植(自家歯牙移植)を選択肢のひとつとしてご検討ください。

歯牙移植とは、
臓器移植と聞くと、心臓移植や肝移植が思い浮かぶと思います。

歯科にも同じような移植という治療があります。
自家歯牙移植(じかしがいしょく)といい、お口の中で、噛み合わせに機能していない歯を移植する治療法です。
そもそも「移植」とは、健康な組織や器官をに移し植え込む医療行為のことといわれています。
医科と同様に歯科でも歯の移植として行うのが自家歯牙移植で、機能していない歯のことをドナー歯、移植先にある歯のことをレシピエント歯と呼んでいます。
受給歯が歯の移植を必要とする理由はさまざまです。
大きな虫歯や歯周病、歯が折れてしまったなど、現在の歯をなんらかの理由で失ってしまうことがあります。
そのような場合、ほとんどはインプラント治療やブリッジ治療など「失った部分を補う治療」を選択しなければなりません。
自家歯牙移植は、それ以外の第三の治療法として選べる治療法なのです。

歯牙移植とは、自分の歯を抜いたり、他の場所から取り出した歯を、欠損している部分に移植して治療する方法です。
歯牙移植は、一般的に、自分の歯が抜けたり、欠損した場合に使用されます。移植には、自分の歯を使用する方法と、他の人から提供された歯を使用する方法があります。
自分の歯を使用する場合、移植前に自分の歯を取り出して保存する必要があります。保存方法は、特別な保存液に浸したり、冷蔵庫で保管したりすることができます。
他の人から提供された歯を使用する場合、移植前にドナーから歯を取り出し、血液検査を行って移植に適していることを確認する必要があります。
歯牙移植は、欠損した歯を補うだけでなく、歯列を整えたり、噛み合わせを改善するためにも使用されます。しかし、移植にはいくつかのリスクがあり、手術後の感染や歯根部の再生などの合併症が発生する可能性があります。
治療前には、歯科医師に相談し、リスクとメリットをよく理解することが重要です。

歯の移植は保険でできるの?

親知らずの移植を健康保険でできる方
・移植するところの歯が残っていること(他の歯科医院で抜いてしまうと健康保険が適応できなくなります。)

・奥歯への移植であること

移植治療は歯のコンディションが重要になります。まずは虫歯や歯周病のない健康な親知らずが必要です。
また、親知らずは大きすぎず、小さすぎない大きさであること。
根の形も1根の単純な形の方が成功率が高く、著しく湾曲している、骨との癒着がある場合は難しいです。
また、移植予定のところに骨が必要です。歯を入れる予定のところの骨の量と親知らずの大きさが合うかどうか、事前にCTレントゲンで調べる必要があります。
歯の大きさが合わないので基本的に奥歯が治療対象です。

歯の移植治療は人工的なインプラントやブリッジにはない安定感があり、しかも自分の歯を使用するので、人工物を入れていないというメリットがあります。治療期間は約2-4ヶ月程度です。

歯牙移植は一般的に広く行われているインプラントと比べると成功率が劣ります。インプラントは骨と結合し動かないので、治療後に矯正することが難しいですが、歯の移植後は矯正治療も可能です。

治療自体は難易度が高いのですが、インプラントに比べて歯牙移植後の歯は自分の歯に近く、噛み心地が優れています。その点もメリットが高い治療となります。

親知らずの移植治療の流れ

1口腔内の清掃と消毒
2表面麻酔と局所麻酔
3親知らずの抜歯
親知らずにダメージを最小限にして抜きます。重要なフェーズで、親知らずが割れたり状態が悪いと移植できなくなります。
4移植予定の場所の切開剥離と抜歯
移植するところは骨に親知らずが合うように入るように骨を削るので切開します。
5移植床の調整
親知らずがきれいに入る形に骨を削ります。ここが難しいです。
6縫合
7移植した親知らずの固定
移植してすぐには定着しないので前後の歯などと固定します。

本症例は、20代女性「左下奥歯がかけた」歯牙移植を行った症例です。

ケースタイトル 20代女性「左下奥歯がかけた」歯牙移植を行った症例
年齢・性別 20代女性
ご相談内容 「左下の奥歯がかけた」と当院へご相談に来られました。
10年前に他医院にて治療した部位が最近かけてしまい、これ以上かけないか心配で来院されました。
カウンセリング・診断結果 診察したところ、おっしゃられた通り、虫歯により左下の詰め物の一部あかけてしまい、隙間が空いていました。
残存資質がとても薄く一部歯の根が割れており保存するには困難な可能性がありました。
その他には大きな虫歯はなく、歯周病の進行も軽度でした。
行ったご提案・治療内容 徹底して加療するとなると、抜歯になる可能性が高く長期保存することは困難なことがわかりました。
提案として、延命治療、抜歯して入れ歯やブリッジ、インプラントもご説明しました。
本症例では、左下の親知らずが使用できそうなので歯牙移植を行うこととなりました。
術後の経過・現在の様子 術後の経過は良好で、現在も定期的なメインテナンスで通院されています。
神経の反応もしており歯の動揺もありませんでした。

 

治療期間 約2か月
治療回数 3回
総額治療費の目安 保険治療になりますが、治療部位や状態によって自費治療になることがあります。
治療のリスクについて 歯牙移植は、かなり古くからある治療法です。
治療の痛み等は、歯を抜きますので抜歯と同様な痛みです。
ほとんどの場合、痛み止めで落ち着きます。
また、すべての治療に言えることなのですが、100%成功するわけではありません。長く持たせるためには定期検診を行い、虫歯や歯周病にさせないようにすることが大切になります。
やまのうち歯科医院 院長より 歯がなくなった時に行う治療には、入れ歯やブリッジ、インプラントなど様々な治療法があります。
そうなる前に、一度歯医者に相談してみましょう。
気になる方は一度担当の先生にご相談ください。

上の歯が下に下がってしまい、これから入れる歯のスペースが少なく歯並びの形態もよくありませんでした。
そのため、今回は反対側の歯を調整したかみ合わせを作りました。

歯肉の炎症と一部歯肉の退縮が認められます。
レントゲン上でわずかな水平的骨吸収を認められます。

治療後に痛みや腫れがあることがにあります。
本症例では、数日後痛み止めを服用しなくても大丈夫な状態まで落ち着きました。
だんだん、歯の下の方が丸まって成長しているのが認められます。

特に被せ物等は行わず、神経の反応が認められたためこの状態で経過観察をしています。
今後注意深く見ることが必要になります。
根が完成していない時に移植をすると神経も再生することがあります。
タイミングが非常にシビアになりますので、必ずしも回復するわけではありません。

移植予定のCT画像です。親知らずの成長度合いを診査しています。
あまり成長してしまうときれいに抜歯できず移植できない可能性があるので、この状態で移植することとなりました。

 

歯がなくなった時に行う治療の一つとしてインプラントがあります。気になる方は下記をクリックしてください。
一本歯がない時の治療 インプラント

 

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