歯周病治療 重度歯周病の方の治療
宇都宮市兵庫塚町の歯医者 歯周病専門医の山之内です。
今回は、歯周病の治療について書いていきたいと思います。
歯周病ですといわれても、ピンとこない方が多いかと思います。
若い方であれば、関係ないよと思われるかもしれません。
確かに、特殊な歯周病の疾患でなければ、
子供の時期には、歯周炎にはかかることはありません。
歯周炎になっていませんが、歯肉炎にはかかられているお子さんが非常に多く見受けられます。
虫歯になっていないから、歯医者に行かずに
歯肉炎と歯周炎の異なります。
歯肉炎は、歯肉辺縁の歯肉の炎症に限局されるため、歯槽骨の吸収は認められません。
歯周炎は、歯肉炎の時に見られていた歯肉の発赤腫脹、歯肉からの出血だけでなく、
歯槽骨と呼ばれる歯を支えるあごの骨の吸収が認められる病気です。
歯周病の進行は緩やかに進行することが多く、侵襲性歯周炎と呼ばれる急激に進行する歯周病でも数年で進行するので
気づかれない方が多くいらっしゃいます。
気づいた時には、重症化してしまい治療に期間がかかり、さらに進行してしまうと歯を抜く羽目になってしまうこともあります。
そのため、子供のうちから虫歯や歯肉炎にさせないよう、徹底した予防治療が大切になります。
上記の方は、痛みがないものの歯ブラシ時の出血が1週間も続き心配になって来院されました。
下の左右のあごの骨は、根の先まで骨がないので、保存することは困難かと思われます。
しかしながら、骨がなくても痛みがないためそのまま放置してしまいました。
全体的に歯肉の炎症が発症し、左右の下の奥歯が動揺しているものの、
緩やかに進行しているので、このようなものだと思われていたようです。
歯周病の進行程度にかかわらず、お口の中に悪さをする歯周病菌や虫歯の菌を減少させることが必要になります。
治療をしても、歯周病や虫歯が再発してしまったら、再度治療を行う羽目になりかねません。
前述のように、磨きやすい環境悪くなりにくい環境作りが大切になります。
そのため、歯石の除去、歯ブラシや歯間ブラシ等の補助清掃器具の説明使用法についてお話しします。
歯肉の炎症がつよく、歯肉の境目(歯周ポケット)が深く、その中にも細菌や歯石が付着しているので
徹底した除去を行います。
細菌が原因だから、薬で治らないかと思われる方がいらっしゃいますが、
抗菌剤等で一時的に細菌数を減少することが出来ても、薬効がなくなってしまえば再度細菌が付着してしまいます。
さらに、抗菌剤の多用は医科的にも耐性菌の問題からお勧めできません。
研究でも、抗菌剤の服用と歯周治療との併用についての研究がありますが、
歯肉からの出血の減少、お口の中の細菌の減少は認められたのですが
その他のパラメータには、変化は見られない文献もあります。
そのため、当院では抗菌剤と歯周病治療の併用は、全身に与える影響を考えて行いませんが、
歯肉が化膿して腫れた場合は使用する場合があります。
基本的な歯周病治療を行い、歯肉の状態が改善したものの、歯を支える骨が一部弱って吸収している部位があるので
今回は、歯周病治療の中のリグロスを使用しました。
リグロスの利点として、
保険治療で歯周病の再生治療を行うことが出来ます
治療後しばらく顎の骨の改善ができます
欠点として
治療後腫れることがあります
適応は、歯周病治療の対してのみです
歯周外科治療のかかった時間は、1部位45分程度です。
今回は、腫れは出ませんでした。
治療金額は、保険治療ですので保険点数により変わります。
以前もお話させていただきましたが、しっかりとした歯ブラシや基本治療を行ったうえで歯周外科治療を行います。
それを無視して行うと、予後が悪くなる可能性もあります。
そして、必ず行っていただきたいのは、定期的なメインテナンスです。
しっかりとした、歯周基本治療(スケーリングやブラッシング、SRPなど)と定期的なメインテナンスを行うことにより
長期間安定した歯周組織を維持することが出来るのです。
治療を行う際は、担当の先生や歯科衛生士さんと相談の上決めましょう。
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