歯周病治療 重症化した歯周病の治療について
宇都宮市兵庫塚町の歯医者 歯周病専門医の山之内です。
今回は、歯周病が重症化した場合の治療について書いていきたいと思います。
歯周病治療は、歯肉炎、軽度歯周炎、中等度、重度など、程度にかかわらず
歯石除去や歯ブラシ、適合していない被せ物やつめもの、食片圧入による歯肉の炎症
お口の中の悪くなりやすい環境を除去し、歯ブラシ等しやすい環境と整える治療を行います。
この治療を行わずに、様々な治療を行っても、環境を整えない限り再治療になる可能性が高くなります。
すぐに、治療を終えたい気持ちはわかるのですが、これらの治療をおろそかにすると
再発しやすく健診の時期が短くせざる終えず、逆に治療回数が多くなるかもしれません。
むし歯であれば、歯がしみる、歯が欠けた、噛むと痛いなど症状が出やすく気になりやすいですが、
歯周病であれば、緩やかに進行するため、かなり進行しないとわからないことが多くあります。
歯周病で来られる方のなかには、虫歯の菌が少なく歯周病の菌が多い方で、
むし歯治療をすることがなく、子供の時学校で健康な歯の方で表彰されていたかたもいらっしゃいます。
虫歯にリスクが低いため、歯医者に行くことがほとんどなく、歯周病が進行しても気づかず重症化してから来られる方も少なくありません。
できれば、症状が出る前にさらには、虫歯になる前に予防治療を行い
お口の中を健康な状態を維持することが最もいいのですが、
残念ながら、気づかずに進行してしまった、また、気にはなっていたが痛みがなかったから
そのままにしてしまった方は、頑張って治しましょう。
さて、歯周病が進行してしまった場合の治療なのですが、
前述したとおり、可能な限り歯は保存したいと思われます。
当然、やまのうち歯科医院の院長も歯周病専門医なので、
歯を保存することに歯科医師になってから徹底して研鑽をしています。
歯を保存する方法にもいろいろあり、今回は、歯周病治療中心に書きたいと思います。
最初に来院時のお口の中です
上記の例を挙げて歯周病についてお話ししたいと思います。
上記の方は、30代の男性です。
虫歯の治療はほとんど行っていないのが分かります。
その代わり、歯肉の近くの歯が黒く層状になっているのが認められます。
これは、虫歯ではなく歯石です。
長期間歯肉の下に歯石がたまると、白い歯石が黒くなって歯肉が下がると
歯肉の下についていた歯石が見えるようになってきます。
前述に、歯はできるだけ保存すると説明しましたが、
歯の根の先まで骨がなくなってしまうと、どのような治療を行っても
その歯は、保存することは困難どころか他の歯牙に悪い影響を及ぼす可能性もあります。
そのため、向かって左下の奥から2番目の歯は、とらせていただきました。
その他の歯は、親知らずも含め保存する方向で治療計画を立てました。
見えるところの歯石の除去、歯ブラシのお話ややり方、歯間ブラシなどの補助清掃器具についてもお話させていただきます。
見えるところと、歯肉の下にある歯石を除去し歯肉の炎症を改善したところで
どれだけ改善したか確認し、必要があればそれ以上の治療を行います。
術後のレントゲンとお口の写真の全体像です
かなり炎症が改善したものの、奥歯の状態が安定していないため、
歯周外科治療という治療を行うこととなりました。
この治療は、歯肉の下にある骨の形態修正、必要があれば骨移植などを行い
歯肉を引き締め、歯周ポケットと呼ばれる歯肉の境目を浅くし、
骨の改善と磨きやすい環境をつくること目的に行いました。
歯周外科治療にかかる時間は、40分程度かかります。
術後は、数日痛みがあることが出ますが、今回は、痛み止めはほとんど服用しなかったようです。
腫れることはありませんでしたが、術後に知覚過敏を生じ、数週間で消失しました。
歯周外科治療の利点は、
歯肉を引き締め、歯周病のリスクを減少させることが出来ます
保険治療でできます
外科治療ができる方は、すべて治療可能です
欠点は、
観血処置の外科治療が必要です
歯肉が引き締まるので、隙間が空き知覚過敏や虫歯のリスクがやや増えます
歯周病が重症化してしまった方すべての方に、歯周外科治療が必要なわけではありませんが、
行うリスクが高くなりますのでご注意ください。
そして、
治療をしたからと言って、終了ではありません。
定期的なメインテナンスを行わなければ、再度歯周病が進行して増悪してしまう可能性が高くなります。
やまのうち歯科医院からのお願いです。
あなたのお口の健康のために定期的なメインテナンスを必ず受けてくださいね。
歯周外科治療の一つ再生治療リグロスについて知りたい方は、下記をクリックしてください。