子供の一日に出る唾液の量
宇都宮市兵庫塚町の歯医者 やまのうち歯科医院 歯周病専門医の山之内です。
以前、ユニークな科学研究などに贈られるイグ・ノーベル賞に、米マサチューセッツ州ケンブリッジのハーバード大で開かれ、
30人の5歳児から唾液のサンプルを集めて1日の分泌量を調べた明海大保健医療学部の渡部茂教授らの研究チームが化学賞を受賞したようですね。
歯科の論文で受賞していることは知りませんでした。
授賞対象となった論文は、渡部教授が北海道医療大歯学部の助教授だった1995年に同僚らと執筆したそうです。
唾液の分泌は食事中に大幅に増えるが、当時は子どもの食事中のデータがなかったとのことです。
渡部教授らは男女15人ずつの5歳児に重さを量ったごはんやソーセージ、漬物など6食品をかんでもらい、のみ込む直前に吐き出させて再び計量し、2日間にわたり唾液量を測定しました。
食事以外の時間と合わせて1日に計500ミリリットルという分泌量の推計値を得たところ、予想していたより少なかったという。
もっと幼い子どもを調べることも考えたが、うっかりのみ込んでしまう子どももおり指示を守ってもらえるのは5歳児が限界だったと話していました。
行っているの考えるとかなりシュールな絵になりますね。
小児歯科医でもある渡部教授は「子どもにとって唾液はオレンジジュースなどの酸から歯を守るとても大切なもの」と強調したようです。
古くから、唾液が良く出ることが虫歯予防にとっていいことだということは以前から知られていました。
よく噛むことで、唾液が良く出ますのでよく噛んで食べましょう。
ほかに、
幼稚園児と小学生、中学生の安静時唾液分泌量を測定し、学年別と男女別で検討した研究もあります。
測定は午後の時間帯を使用し,集団の場で,コップに 5 分間唾液を採る吐唾法にて実施しました。
対象者は 4 校で、幼稚園年長児96名、小学 2 年生72名、3 年生143名、4 年生61名、6 年生114名、中学 2 年生80名で行いました。
結果は,平均値で幼稚園年長児0.43 ml/分、小学 2 年生0.74 ml/分、小学 3 年生0.72 ml/分、4 年生0.71 ml/分、6 年生0.70 ml/分、中学 2 年生0.66 ml/分でした。
正確な測定結果が得られなかったと思われる幼稚園を除くと、学年が上がるにつれて安静時唾液分泌量が減少する傾向にありました。
年長児では集団の場では正確な測定ができていない可能性が示唆されました。
また、幼稚園児を除き、男女別に検討すると、男児の平均が0.797 ml/分、女児の平均が0.620 ml/分となり、p<0.001で統計学的有意差がみられました。
この研究結果から、小児の唾液分泌量は成人の安静時唾液分泌量と比較すると、2 倍以上と考えられました。
子供が唾液が出やすいということが分かりますね。
唾液は、虫歯予防のためにはとても重要です。
よく噛んで唾液を出して虫歯予防をしていきましょう。
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