治療前より痛くなる フレアアップ
栃木県宇都宮市兵庫塚町の歯医者 やまのうち歯科医院の山之内です。
治療後の痛みについて書いていきたいと思います。
治療後の痛みの一つとして、根の治療をすると、まれに治療前より痛くなることがあります。
これをフレアアップといいまして、原因はさまざまですが、根管内のばい菌を根の外に出してしまうと起きることによって生じることがあります。
また、ファイル等の器具による根尖部の損傷の可能性も考えられます。
発症の確率は10%未満と決して高くはありませんが、一度発症すると強い痛みや腫れに移行する場合もあります。
そのためフレアーアップの可能性が予想され場合はあらかじめ予防的な対応を行うことがあります。
具体的には細菌、刺激因子を完全に除外することは困難になります。
その際は「密封された空間」というの条件を解除するため、根の先端まで消毒薬を通す道が確保出来たら、薬を入れて蓋をしてしまうのではなく、痛みが出るようならそのまま開放することがあります。
根先周囲の細菌は酸素を嫌う嫌気性菌が主体のためこの処置は直接このような病原菌を弱らせる効果があるといわれていますが、増殖した細菌による歯と歯の周囲の組織の破壊が生じることがあります。
好気性菌は酸素を使って代謝を行うため、気をつけないとあっという間に歯がボロボロになってしまう可能性があります。
そのため開放の期間はごく短期間にとどめ、なるべく早く次のステップである薬剤による病巣の消毒の開始が望まれます。
痛みがなくなったからと言って放置してしまうと、歯がもろくだめになってしまうのは、前述によるものになります。
治療の初期以外でもフレアーアップが起きる可能性はありますが、一度開放され病原菌の勢いが抑えられていれば、使用する薬剤も病巣への刺激作用が弱いと、たとえフレアーアップが発症しても比較的穏やかな発作で済みます。
しかし不幸にもフレアーアップが起き、上記の予防的配慮にもかかわらず強い腫れ・痛みが生じる場合は、細菌を直接抑える為に躊躇なく抗生物質の内服が望まれます。
薬を飲みたくないという方もいらっしゃいますが、痛みや腫れなどの症状が長期になる可能性があることを理解して服用しないのであれば問題ありません。
このことを理解して服用しないと決めていただければ問題ありません。
ただし、ただ飲みたくないから服用したくないとの単純な理由であればやめてください。
重症化してから服用しても、改善するまで時間がかかることがありますし、改善する可能性も少なくなります。
ただし、腫れが出るかもしれないからで投薬することはできないことがあります。
傷病名がつかないと治療や投薬することができないからです。
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