国際外傷歯学会に行ってきました。
一橋講堂にて、7月12日~15日まで国際外傷歯学会が執り行われました。
歯牙の外傷というのは、虫歯や歯周病と異なり細菌感染による病気ではありません。もちろん、術後の処置によって感染する可能性がありますが、受傷直後は早めの処置により予後が良好な場合があります。外傷が生じた際は、早めに外傷について理解のある歯科医院に行ってください。
外傷の状態によっては、何もせず経過観察することもあります。経過観察は、実は重要な治療であることがよくあります。不必要な介入をすることにより、体が本来持っている自然治癒力を邪魔するからです。特に骨や歯の成長が盛んな場合、それから抜歯後などで骨の回復が進もうとしているときは、人為的な力を加えずに、むしろ成長や回復を助ける手だてが要求されます。
歯医者に行ったけど、なにもされずに帰されたなんてことがあるかもしれません。しかしながら、治療を行い、前述のように回復の阻害をする可能性がありますのでご注意ください。
今回の外傷歯学会にて学んだことは、MOTTAINAIと余計な歯科治療をしないが印象的でした。
ほかの治療法があるのに、知らないから受けることができなかった。
治療しなくてもよくなるのに余計なことをしてしまった。
なんてことがあるかもしれないとのことです。患者さんがやりたい治療を提供することがいいのではありません。当院は、科学的根拠にのっとって治療を勧めていきます。