コラム
2021年08月10日
お口のケアの大切さ
宇都宮の歯医者 やまのうち歯科医院の山之内です。
1995年の阪神淡路大震災のとき
その震災関連死の中でも最多数を占めたのが「肺炎」であり、
そのほとんどが「誤嚥性肺炎」といわれています。
まずは命が最優先、寝る場所や食べ物を確保することに重点が置かれ、
衛生面の管理は見過ごされました。
断水や水不足により、歯磨きはもちろんのこと、
うがいすら十分にできず、口の中の衛生状態は日を追うごとに悪化したそうです。
当然、入れ歯を洗うことなど到底できず、不衛生にも口の中に入れた状態が何日も経過しました。
その先は言うまでもなく、
口の中の細菌は急激に増殖し、歯周病原菌を多く含んだ唾液を誤嚥してしまったことで肺炎を発症する人が多発したそうです。
さらには、震災で入れ歯をなくしてしまった人もおり、
食事がうまくできないために栄養障害から免疫力が低下し、
それも相重なり、より一層誤嚥性肺炎が生じやすい状況に見舞われたようです。
東日本大震災の際、栃木県にも大きな被害が有り
水やガソリン不足、停電など様々な被害がありました。
その中でも、高齢者がいらっしゃる施設にも被害がありました。
一部の施設では口腔清掃器具の配給が少なく、かかりつけの訪問診療も対処できていなかった為、
誤嚥性肺炎などで体調や崩し入院される方も多かったと聞きます。
幸いにも、訪問歯科を受けられ、口腔清掃が十分なところは
上記のような体調を崩すような方は少なかったと聞きました。
災害など起きない方がいいに決まっています。
そのようなことのために準備をする日を作ってもいいかもしれませんね。
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