コラム
歯周病
歯周病治療
2025年09月08日
前歯の歯列不正と歯周病進行リスク
〜20代から知っておきたい口元の健康〜
前歯の歯並びと歯周病の深い関係
30代を過ぎると、「歯ぐきが下がってきた気がする」「前歯の隙間が広がってきた」「歯が少し揺れる感じがある」など、口元の変化に気づく方が増えてきます。これらは年齢とともに進行する 歯周病 が大きな原因のひとつですが、実は 前歯の歯並び(切歯の歯列不正) も関係していることが分かってきています。
近年の研究(Alsulaimanら, 2018, Am J Orthod Dentofacial Orthop)では、前歯の歯並びの乱れと歯周病進行リスクに明確な関連があることが報告されました。
研究からわかったこと
35年間にわたる長期研究の結果、以下のような傾向が確認されています。
- 上の前歯が重なっている(叢生)場合
→ 歯周ポケットの深さが有意に増加。歯ぐきの炎症が進みやすい。 - 上の前歯に隙間がある場合
→ ポケットの合計深さが増加。歯周組織への負担が大きくなる。 - 下の前歯に軽度〜重度の叢生(重なり)がある場合
→ 歯周ポケットが深くなりやすく、さらに歯槽骨吸収(歯を支える骨の減少)も増える。 - 下の前歯に中等度〜重度の不整がある場合
→ 歯を失うリスクに直結する歯槽骨吸収の進行が認められる。
つまり、 「前歯の歯並びが乱れていると、歯周病が進行しやすくなる」 ことが科学的に証明されたのです。
なぜ歯並びの乱れが歯周病を悪化させるのか?
- 歯ブラシが届きにくい
重なった部分や隙間のある部分はプラーク(歯垢)が残りやすく、炎症の原因になります。 - 噛み合わせの不均衡
前歯に余計な力がかかると、歯周組織にストレスが加わり、骨吸収が進行します。 - 歯肉への刺激増加
歯列不正があると歯ぐきに局所的な炎症が起きやすく、慢性的なダメージとなります。
40代女性に多い「歯並び+歯周病」の悩み
- 「昔は気にならなかったのに、最近前歯の重なりが強調されて見える」
- 「歯ぐきが下がってきて、すき間が黒く見える」
- 「口元の見た目が老けて見える気がする」
これらはすべて 歯周病の進行と歯並びの乱れ が複合的に影響しています。特に女性はホルモン変化や更年期の影響もあり、歯周組織が弱まりやすい傾向があります。
放置するとどうなる?
- 歯周病が加速し、歯のぐらつきが進む
- 前歯がさらに傾き、すき間が広がる
- 見た目の印象が変わり、笑顔に自信を失う
- 最悪の場合、前歯を失って入れ歯やインプラントが必要になる
「歯並びの乱れ」と「歯周病」は互いに悪循環を生むため、早めのケアが重要です。
予防・改善のためにできること
- 歯科医院での定期検診
プロによるクリーニングと歯周病チェックを欠かさないこと。 - 正しい歯みがき習慣
歯間ブラシやフロスを活用し、前歯の重なり部分まで清掃する。 - 矯正治療を検討する
歯周病を進行させないために、大人でも部分矯正やマウスピース矯正を選ぶ方が増えています。 - 生活習慣の見直し
喫煙・ストレス・不規則な生活は歯周病のリスクを高めます。
まとめ
- 前歯の歯並びの乱れは、見た目だけでなく 歯周病進行リスクを高める重大因子 です。
- 特に40代以降は、歯ぐきの変化や骨の減少が加速しやすいため要注意。
- 早めに検診・ケアを行い、必要に応じて矯正や専門的な治療を取り入れることが大切です。
「歯並びはただの見た目の問題」と思われがちですが、実は 歯の寿命を左右する健康課題 です。未来の笑顔を守るために、今日から一歩を踏み出してみませんか?
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