歯科Q&A 洗口剤は何がいいですか?
栃木県宇都宮市兵庫塚町の歯医者 やまのうち歯科医院の山之内です。
現在、非常に多くのうがい薬が売られています。
これだけ多いと、どれがいいか悩むと思います。
今回は、うがい薬について書いていきます。
うがい薬は、口の中やのどの炎症や感染症などを治療するために使用される薬です。
主な成分として、抗菌作用を持つ塩化セチルピリジニウムや、炎症を抑えるグリチルリチン酸などが含まれます。
うがい薬は、口の中の細菌やウイルスを殺菌し、炎症を抑えることによって、のどの痛みや不快感、口臭などを緩和する効果があります。
また、風邪やインフルエンザなどの感染症予防にも役立ちます。
一般的に、うがい薬は口に含んでうがいをすることで使用します。
使用方法は、薬剤の種類やブランドによって異なりますので、取扱説明書をよく読んで正しく使いましょう。
ただし、うがい薬にも注意点があります。
口の中の粘膜が荒れやすい場合や、アレルギー反応が出る場合があります。
また、長期間使用すると口内炎などの副作用が出る場合もあります。使用する際には、医師や薬剤師の指示に従い、適切に使用するようにしましょう。
うがい薬のメリットとデメリットは以下のようになります。
メリット:
のどの痛みや不快感、口臭などを緩和する効果がある。
口の中の細菌やウイルスを殺菌し、感染症の予防に役立つ。
うがい薬に含まれる成分によって、口内環境を整え、口臭予防にも効果がある。
デメリット:
うがい薬を長期間使用すると、口内炎や口の粘膜が荒れることがある。
使用方法を誤ると、喉や食道に薬液が入ってしまい、嘔吐などの症状を引き起こす場合がある。
うがい薬に含まれる成分によって、アレルギー反応を引き起こすことがある。
以上のように、うがい薬にはメリットもありますが、注意点もあることを知っておく必要があります。
使用前には、医師や薬剤師に相談し、適切な使用方法を確認することが大切です。
また、使用中に不快な症状が現れた場合には、直ちに使用を中止し、医師や薬剤師、歯科医師に相談するようにしましょう。
日本では、これが最も効果があるというものはないのですが、
日本で売られている中で比較的効果が高いといわれているのが、「リステリン」です。
アメリカのローレンス博士と薬剤専門家のランバード氏が、リスター博士の手法に基づいての研究を行い新たな消毒薬の開発しました。
当初、リステリン は外科手術用の消毒薬として使用されていましたが、その後、口内を殺菌する効果を認められ、歯科医向けに販売され始めました。
歴史も古く、長年の使用実績から、殺菌効果や、長期期間の使用でも口腔細菌叢の変化や、耐性菌の発現がみられないことも確認されています。
そのほかの効果として、
〇プラークの付着抑制効果
〇バイオフィルムへの浸透・殺菌効果も認められます。
ただし、オリジナルのリステリンにはエタノールが含まれているため、粘膜や舌への刺激が強いので口腔乾燥や刺激に過敏な方は注意が必要です。
ですので、ノンアルコールタイプのリステリンがいいかもしれませんね。
ノンアルコールのため低刺激になったので、刺激が苦手な方にはこちらがおススメです。
ただし、リステリンは、味覚障害を起こす可能性もあるので、味覚障害が出た際は、使用を控えたほうがいいかもしれません。
口臭予防には、ブレスケアがいいかもしれません。
アルコールが入っているので、人によってはピリピリするかもしれません。
また、殺菌性があるので頻繁に使用すると、お口のバランスが変化してしまい
舌が黒くなることがあります。
その際は、使用しているうがい薬の使用を控えて様子見るといいかもしれません。
欧米では、グルコン酸クロルヘキシジンが主流です。
お口の外科処置後など、ほぼこれ一択といった感じです。
欧米での配合濃度(0.12~0.2%)での報告ですが、
日本では、以前にアナフィラキシーショックが起こって以来、配合濃度が0.05%以下と基準が定まってます。
日本で、グルコン酸クロルヘキシジンが含まれているものは、コンクールと言われているうがい薬があり、
濃度を薄めて使用するものなので、間違っても原液で使用しないでください。
まれに、アナフィラキシーショックを起こす可能性があります。
ブレスケアとリステリンが、コストパフォーマンスがいいと思います。
気になる方は試してみてはいかがでしょうか?
以上が洗口剤についての個人的感想ですが、
あくまでも、歯ブラシの代わりになるものではありません。
歯ブラシしないで、うがいだけでは予防できません。
うがいしたのち、歯ブラシをしてください。
歯磨き粉で磨いた後、うがいすると歯磨き粉の薬用効果を除去してしまうので気を付けましょう。
以上がうがい薬の個人的見解ですが、
虫歯や歯周病は細菌の集合体によって引き起こされる病気です。
細菌の集合体は、一種のバリアーで包まれているため、
薬が浸透しにくいため洗口液の効果は低いという説を耳にすることがあります。
確かに洗口液だけでバイオフィルムの奥底にいる細菌を死滅させることはできないため、
歯磨きで物理的に細菌を取り除くのが体にも歯にもいい方法かと思います。
さらに、歯周病菌が多く住んでいる歯肉の境目になると、もっと薬剤は届きにくくなっています。
そもそもうがい薬だけで、歯磨きをしなくていいですよと宣伝しているうがい薬はありません。
洗口液はあくまで歯磨きの効果を補う、補助的な役割のものと考えたほうがいいでしょう。
そして、歯磨きの効果を補うものとしての位置づけでは、洗口液は十分効果があるものだといえます。
虫歯や歯周病を予防するために積極的に活用していくべきだと思います。
洗口液には様々な種類があり、その効果も厳密にいえばそれぞれで異なりますが、
配合されている抗菌剤の性質によって、大きく二つに分類することができます。
イオン系抗菌薬を配合したうがい薬と、非イオン系抗菌薬うがい薬です。
イオン系抗菌薬は、歯の表面や細菌の表面に付着し持続的に抗菌効果を発揮するというメリットがありますが、
細菌の集合体の中には浸透しにくいというデメリットがあります。
あまり多くのお口の清掃道具を増やしすぎると大変なので気を付けてくださいね。
うがいの効果
歯周病の治療には、歯磨きやフロスなどの日常的な口腔ケアが重要ですが、うがい薬を併用することで効果的な予防・治療が期待できます。
うがい薬に含まれる成分には、歯周病の原因菌である細菌を殺菌する作用があり、口内環境を改善することで歯周病の進行を抑えることができます。
ただし、うがい薬に含まれる成分によって、口内の常在菌も殺菌してしまうことがあるため、長期間の使用は控えるべきです。
また、うがい薬で口内環境を整えることができても、歯ブラシやフロスなどの正しい口腔ケアは必要です。歯周病の予防・治療には、医師や歯科医師の指導のもと、適切な方法で口腔ケアを行うことが大切です。
電動ブラシ、歯ブラシ、一本ブラシ、歯間ブラシ、糸ようじ、うがい薬など増やしすぎると、
お口の清掃だけで疲れてしまいます。
ほどほどにしましょうね。
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