20代男性「歯肉が下がってきたのが気になる」歯肉移植の症例
1.ご相談内容
「全体的に歯肉が下がっていて、特に下の前歯の歯肉が下がっているのが気になる」とご相談いただいた20代男性の患者さんです。
以前から歯肉が下がっていることを気にされていましたが、矯正治療後に、以前よりも歯肉の下がりが目立つようになった気がするとのことでした。
お口の状態を確認したうえで、患者さんの希望も伺いながら治療方法についてご説明しました。

2.歯肉が下がる原因は?
歯肉が下がる(歯肉退縮)原因には、さまざまなものがあります。
例えば、
- 歯周病による歯周組織の変化
- 歯を支える骨の形態
- 歯ブラシを強く当てるなど、ブラッシングによる刺激
- 歯の位置や歯並び
- 矯正治療後の歯肉の状態
などが関係することがあります。
そのため、歯肉が下がっているからといって、すべてのケースで同じ治療を行うわけではありません。
3.今回ご提案した治療方法
患者さんの状態やご希望を踏まえ、今回は次のような選択肢をご説明しました。
① 経過観察
歯肉の状態を確認しながら、積極的な治療を行わず経過を見る方法。
② 歯肉移植
歯肉が下がっている部分に、別の部位から採取した歯肉などを移植する方法。
③ 被せ物による治療
歯の形態や色なども含めて改善を図る方法。
患者さんは、**「できるだけ歯を削って被せ物をする治療は避けたい。一方で、見た目は白く整えたい」**というご希望でした。
そこで今回は、歯を大きく削ることを避けながら歯肉の状態を改善する方法として、歯肉移植を選択しました。
4.治療について
今回の外科処置にかかった時間は約45分でした。
治療後は、数日程度、痛み止めを服用する程度の痛みがありました。
治癒には数週間程度を要します。
歯肉移植後には、状態によって
- 痛みや腫れ
- 知覚過敏
- 歯肉の一時的な変色
- 移植した歯肉と周囲の色の違い
- 違和感
などが生じることがあります。
また、歯肉の状態によっては、1回の治療ですべてが元の状態まで改善するとは限りません。
5.費用について
今回の治療は保険診療で行ったため、費用はおおよそ1万円程度でした。
ただし、治療する部位や使用する材料、治療内容などによっては自由診療となる場合があります。
自由診療の場合は、当院では**11万円(税込・令和6年度料金)**の設定となっています。
※費用は治療内容や料金改定などにより変更となる場合があります。
6.歯を削らずに歯肉の改善を目指す
歯肉移植は、歯を大きく削って被せ物をすることなく、歯肉の状態を改善することを目指せる治療法です。
一方で、すべての歯肉退縮に適しているわけではなく、歯肉が下がった原因や歯を支える組織の状態などによって、適した治療方法は異なります。
「歯肉が下がってきたけれど、どうしたらいいの?」
「矯正後に歯肉が下がった気がする」
「できるだけ歯を削らずに改善したい」
このような場合には、まず現在のお口の状態を確認することが大切です。
歯肉が下がっているからといって、必ず歯肉移植が必要というわけではありません。
経過観察やブラッシング方法の改善など、他の方法が適している場合もあります。
治療を検討する際は、担当の歯科医師とよく相談し、ご自身のお口の状態や希望に合った治療方法を選択することが大切です。
7.症例のポイント
- 20代男性
- 歯肉退縮が気になる
- 特に下の前歯の歯肉退縮を気にしていた
- 矯正治療後に目立つようになったと感じていた
- 歯を削る治療は避けたいという希望
- 歯肉移植を選択
- 外科処置:約45分
- 治癒期間:数週間程度
- 保険診療:約1万円程度
- 自由診療:11万円(税込・令和6年度料金)