歯科衛生士専門学生への障害者歯科診療実習に関する研究
栃木県宇都宮市兵庫塚町の歯医者 歯と歯肉のハーモニーを目指してます、やまのうち歯科医院の山之内です。
障害者歯科の研修施設の機関がこのような研究をしています。
歯科衛生士専門学校にての実習を受け入れている機関があります。
もちろん、栃木県にも研修施設がありますがここまで大きく行っていません。
私も障害者歯科の講義を行っているので、歯科衛生士の重要性は理解していますし、障害者歯科医療で中心的な役割だと感じてもいます。
現在、障害者の地域移行が進められ、加えて高齢者の障害も年々増加傾向にあるといわれています。
歯科衛生士学校での障害会社歯科学は、小児分野、口腔外科、高齢者歯科学、摂食嚥下など多岐にわたる分野で関連します。
それは、学校やカリキュラムによって、履修科目や実技実習内容は、全国でも統一されていないところがあり、授業内容は学校ごとに異なります。
そのため、実習を行わないものあっても短期間になるものと比較的少ない傾向があります。
ここで、発表されました内容は、ここで受けた実習等によって考え方が変わったことを示す内容になります。
短い期間で、効率よく障害者歯科診療について関心を持ってもらいどのような自習をした方がいいかをアンケート結果により考察しています。
非常にいい取り組みですよね。
講義、障碍者の生活の介助実習、歯科治療見学次週の3店に重点を置いた実習を行うことで学生の意識の変化につながると考えています。
研究を行ったのは、国立重度知的障碍者総合施設で、全国から学生の見学及び学生実習を受け入れているそうです。
ここでも述べていますが、障害者歯科診療は、一般診療に比較して人手を必要としている診療であり、先ほども述べたように障害者歯科診療における歯科衛生士の役割はとても重要になります。
知的障碍者数や在宅の身体障碍者数は年々増加しています。
そうはいっても、ほとんどの歯科衛生士は地域歯科診療所に勤務すると思います。
必ずと言ってもいいほど、障害者歯科診療に接する機会が増えてくると推測されます。
さらには、超高齢社会に伴い、中途障碍者も増加傾向にあり地域歯科診療所に受診する障害者は年々増加すると推測されます。
しかしながら、障害者歯科学として独立して講義を行っている機関は、2006年の調査では( 58.8% ) に過ぎないといわれています。
歯科臨床実習時間の多くは、一般診療や病院歯科での臨床実習であり、障害者歯科診療においては見学がほとんどで、障害者歯科学を理解するには十分ではないと推測されるといっています。
栃木歯の健康センターは、障害者歯科診療を県で受け持つセンターですが、実権は栃木県知事が担っています。
研修を行った施設は、歯科衛生士学校の実習を1986年から2001年まで指導教員と一日来院してもらい数時間のみ行っていました。
2002年より診療所に歯科が新設され実習と診療所歯科室にて行うようになりました。
2005年までは、障害者歯科については講義はなく、施設の場所と実習の説明のみでした。
内容は、ノーマライゼーションとバリアフリーについてのレポートとのことです。
2005年から2007年に実習を行った学生を対象にしてアンケートを取ったようです。
1.障害者と接したことがありますか?
2. 障害者と聞いて怖いと思いますか?
3. 障害者歯科診療に興味がありますか?
4. 将来,障害者歯科診療に携わってみたいと思いますか?
また,2005 年度の学生には,全ての臨床学習が修了した 1 ヶ月後に以下のアンケートを行っています。
1.のぞみの園での寮の見学実習についてどう思いますか?
意義があった・普通・意義がなかった
2.見学実習前に教えて欲しいことがありましたか?
①障害の種類について
②障害者歯科診療について
③障害者に関わる法律について
④摂食嚥下について
⑤障害のある人とない人について
⑥口腔ケアについて
⑦歯科衛生士の役割について
⑧のぞみの園について
⑨その他(自由記載)
多岐にわたる項目です。
対象となった学生は 2005 年・63 名,平均年齢 20.4 歳(19~32 歳),2006 年・50 名,平均年齢 19.5 歳(19~23 歳),2007 年・50 名,平均年齢 20.2 歳(19~26 歳)でした。
2005 年は実習前に障害者と接したことのある学生は 37 名 59%,まったく障害者と接したことのない学生は 25 名 40%,障害者を怖いと思うと答えた学生は 20 名 32%でした。
障害者歯科診療に携わりたいと答えた学生は 19 名 32%でした。
学生の時点で、障害者と接している子は6割近くいますので、日常生活で出会うことは非常に多いことがわかります。
さらに、障害者というのは心身に障害がある方だけでなく、知的障害や発達障害も日本の定義には含まれていますので実際はもっと多いかもしれません。
障害者歯科診療に興味があると答えた学生は 60 名 95%,障害者歯科診療に携わりたいと答えた学生は 45 名 71%とのことでした。
様々な診療科に興味を持つことは、非常に大切なことで私の後輩にも院内生になり、興味がある科目ができ進むべき目標がはっきりすしたら、学内上位の成績になりました。
実習後は障害者を怖いと思うと答えた学生は 1 名 2%でした。
投薬によっては、使用する歯科麻酔薬が禁忌になることもあり、体動が安定しない方もいらっしゃいます。
ちょっとした不注意が、インシデントやアクシデントになりやすい科でもあります。
見学実習に対して意義があったと答えた学生は 54 名,見学実習前のオリエンテーションについては,他に教えて欲しいことがあったと答えた学生は 14 名(全体の 22%)とのことでした。
他に教えてほしいと思っても何が知りたいかが、わからないと質問や疑問もわかないと思います。
実習前に障害の種類や歯科診療、健常者と障害者の違い、歯科衛生士の役割について教えて欲しいという学生の要望もあったそうです。
障害の種類だけでも大まかな分類としてもかなり覚えなければならない量がありますので、私が講義している授業でも180分くらい使って説明しています。
それでも、内容をかなり端折っています。
それを短時間で短期間で行うと、かなり集中した内容になります。
2005 年では施設見学実習ではなく、歯科室での見学実習前、障害者と接したことがある学生は 59%でした。
2007 年度は歯科室見学実習前に障害者と接したことがある学生が 98%となり、ほとんどの学生が障害者と接してから歯科室見学に臨むことができたとのことです。
歯科衛生士の仕事の多くは診療補助や口腔衛生指導、歯科保健管理、歯科予防処置などを歯科医師の指示のもと多岐にわたる仕事があります。
歯科衛生士は、障害者歯科診療においても歯科医師と共に診療の重要な役割を果たしていることは知られています。
日本では、高齢者の増加により、知的障害者だけでなく高齢中途障害者が増え、障害者歯科診療の対象となる患者は年々増加傾向にあります。
介護におけ口腔ケアの重要性が認知され平成 18 年には厚生省より介護予防のための口腔機能の向上マニュアルも作成され、臨床での歯科衛生士の役割はさらに拡大しています。
さらに、摂食嚥下機能障害患者も増加しており、摂食機能療法においての役割を担うようになってきていのが現状です。
歯科衛生士の多くは卒後、ほとんど一般歯科開業医に就職し、インプラント治療などの先進医療の勉強、講習会に参加する機会はあるが、卒後障害者歯科診療の知識を得るための重要な場であると考えています。
宇都宮でも、障害者歯科や嚥下の衛生士の研修会は少なく、いがらし塾が知られている程度です。
歯科衛生専門学生の臨床実習は 19~20 歳という若い年齢の学生が多く、社会経験の乏しい年齢がほとんどです。
比較検討するのが、歯科医師や医師などが多くもっとできると考えてしまうことがあります。
この文献では、障害者に関する講義、社会福祉施設の見学、障害者歯科診療所の見学が必須だと考察しています。
また、白杖や車椅子をつかった実習などのキットを用いた障害の疑似体験も歯科衛生士専門学校生においても有用であると考えていました。
施設のような高齢の障害者入所施設で見学実習する歯科衛生専門学生は少ないといわれています。
施設を利用している障害者に対する理解や前もって与えることで、学生の障害者に対する意識に変化が認められたことから、今後全国の歯科衛生養成機関で、施設見学を実習前に行うことにより、障害者歯科診療を担う未来の歯科衛生士が増えていくのではないかと考えています。
今後は、歯科衛生養成期間の 3 年制にともない高齢者体験実習や障害者と接する機会を増やすと共に、魅力ある講義や実習を行い、卒業後も障害について知識を高め、障害を身近な事として感じ、接してもらえるとうな学生実習に努めたいと締めくくっています。
皆さんも興味がある方は、当院へいらしてください。
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