5歳のお子さん 『かみ合わせが反対になっている』 歯並び矯正ムーシールドの症例
宇都宮市の歯医者 やまのうち歯科医院の山之内です。
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初診時 4か月後
5歳のお子さん 『かみ合わせが反対になっている』 歯並び矯正ムーシールドの症例
今回は、子供のころに行う矯正ムーシールドについて書いていきたいと思います。
乳歯や子供の時期にしかできない時に行うことができる治療です。
かみ合わせが反対の子供に対して行います。
このままでいくと、外科矯正(アゴ切り)を行うことがあります。
骨格に原因がある場合の受け口は、外科手術を行い骨格から改善する方法がベストと言えますし、顔貌も治したい場合は外科手術が避けられませんが、外
科手術は数週間の入院や相当な痛みや苦痛が伴うため、実際には外科手術をしてまでは矯正したくないという方がほとんどです。
外科を回避するために、ムーシールドというものがあります。
透明なマウスピース型の矯正装置で、骨格的な問題の少ない軽度の反対咬合(受け口の)の治療に使用します。
口周辺の筋肉の働きを正常に戻し、正常な噛み合わせに導きます。4歳~8歳くらいのお子さまが対象で、寝ている間を主として使用します。
実際に使用できる年齢としては5歳前後からだと思います。
反対咬合の原因には遺伝的なことが主ですが、それ以外に低位舌が原因の場合もあります。低位舌とは舌の位置がいつも下の前歯あるいは下の歯並びを前に押してしまっているような状態を言います。
ムーシールド
以前、受け口の矯正治療は、上下顎前歯の生え替わる7~8歳頃からの開始が一般的でした。その理由の一つに、小さいお子さんに使用する簡易な矯正装置が無かったことがあげられます。
現在は、「ムーシールド」(日本大学歯学部小児歯科講座兼任講師 柳沢 宗光先生考案)という矯正装置の登場により、3歳以上で、装置を装着が可能なお子さんであれば、矯正治療を受けていただくことが可能です。
実際の「ムーシールド」は、写真のようにマウスピース型の矯正装置で、夜間就寝時に装着していただきます。装置は既製品を使用して調整しますが、小さいお子さんなどで、装置があわない場合は、個人用に作製いたします。
また、当院では、「ムーシールド」の補助装置として、同じく就寝時にチンキャップを使用して、治療効果を高めております。
チンキャップは、古くからある治療法で顎の成長を防ぐ効果があるといわれているものです。
先生によっては効果が少ないという方もいますが、全く効果がないわけではありません。
将来顎の手術をすることを考えれば、お子さんに負担がかけない治療の一つかと思います。
長所として
- 4~5歳から始めることができます。
- はめ外し式の装置で、痛みが少ない装置です。
- 取り外しが可能なので、歯磨きに支障がありません。
- 夜眠っている時・テレビを見ている時などに使用する装置で、お子さまに対しての負担が少なくすみます。
- 通常の矯正治療に比べると期間が短くてすむ場合もあります(通常1年以内)。
短所として
- 骨格性の不正咬合などムーシールドが適応にならないことがあります。
- 年齢によっては装置を使っていただくことが難しいことがあります。
- ムーシールドによる治療で受け口を治した後に、成長途中で戻る可能性があります。
以上の長所欠点を踏まえて、乳歯列期の矯正治療を開始するかどうかについて相談させていただきます。
行う際は、担当の先生とよく相談の上決めていきましょう。
ムーシールドではありませんが、マウスピースには様々なものがあります。
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