歯周病の治療 歯槽提増大術
宇都宮の歯周病専門医 山之内です。
歯周病治療の歯槽提増大術について書いていきます。
歯周病が進行した場合や歯が破折した状態で抜歯をした場合、
歯を支える骨がなくなってしまっているので
抜いた後、骨が薄くなったりぽっかり下がってしまうことがあります。
その状態で被せ物を行うと、そこの歯だけ歯が長く磨きにくい状態になってしまうことがあります。
顎が薄くなった状態を防ぐために、薄く減ってしまった歯肉に、ほかの部位から歯肉を持ってきて
中に埋め込み減ってしまった歯肉の部位を盛り上げることを行う治療を歯槽提増大術と言います。
左上の歯肉が薄く減ってしまい、このままブリッジという被せ物をすると、歯がない部分の歯が長くなったものになってしまいます。
被せ物が長くならないようにすると、今度は隙間が空いてしまい空気が漏れ話しにくくなったり、物が詰まりやすくなってしまいます。
治療の流れとしては、いきなり歯槽提増大術は行いません。
全体的に、歯周病の進行状態を確認しお口の環境を整えてから行います。
これをすっ飛ばして行うと、失敗する可能性が高くなります。
たとえ成功したとしても、長期安定しにくくなってしまうことがあります。
これは、すべての歯周病治療、歯周組織再生治療のみならず、
歯科治療全般に言えることです。
上記の症例は、歯肉はほかの部位よりとても盛り上がっているのですが、
これは、治療後だんだん収縮してしまうので
これくらい盛り上げないと元に戻ってしまうことがあります。
歯槽提増大術の欠点としては、
〇外科治療が必要
〇術後やや疼痛や腫れが生じることがある
〇範囲や大きさによっては、治療部位以外から歯肉を取ることが多い
〇緩やかに元に戻る可能性があります
〇ほとんどが自費治療になります
当院では、1万円~5万円(税込1.1万円~5.5万円)となっております。
治療時間は、状態や条件、範囲によって変化しますが、およそ45~60分くらいです。
むし歯の治療時と同じ麻酔を使用しますので、治療中は痛みはほとんどありません。
範囲と欠損状態によって変わることがあるので
気になる方は、担当の先生によく聞いてくださいね。
やまのうち歯科医院では、希望の方には自費治療の明細書をお出ししております。
利点としては、
〇何度でも行うことが出来きます
〇被せ物が合わなくなったときにやり直さず、歯肉を作ることが出来ます
〇見た目だけでなく、磨きやすい環境になるので長期維持がしやすくなります
うまくいかなかったとしても、歯肉が元の形になるだけなので
以前より悪化することは今のところありません
審美的で健康ないい歯肉を作るため、何度も行う方もいらっしゃいます。
先ほども書いたように、歯肉移植を行わないで、歯肉の形態が悪い状態で被せ物を作ってしまうと、
いびつな被せ物になってしまいます。
被せものしてから、歯肉移植はできません。
治療する際はよく考えてから治療していきましょう。
服やアクセサリーは、気に入らなければ外してしまえばいいのですが、
お口の中は、気に入れないからと言って簡単に交換できません。
歯は再生しない器官の一つです。
悪くならないようにお口のケアを行いましょう。