歯周病の分類 名称の変更
栃木県宇都宮市兵庫塚町の歯医者 やまのうち歯科医院の山之内です。
以前もお話ししていた歯周病の分類とそれに従ってできた名称の変更について書いていきたいと思います。
歯周病の分類については、GUEST EDITORIAL歯周病、インプラント周囲炎の新分類 米国歯周病学会(AAP)と欧州歯周病学会(EFP)が中心となり、2017年11月16日にシカゴにて、「the World Workshop on the Cla-ssication of Periodontal and Peri-Implant Disease and Conditions」として、歯周疾患、およびインプラント周囲疾患の分類を再考するミーティングが行われました。
現在まで使用されてきた歯周疾患の分類は、約20年間改定されることなく同じものが使用されていました。
しかし、さまざまな方面からの研究が進み、約20年ぶりに分類の改定が行われました。
今回は、単なる分類だけでなく多方面からのレビューも含まれるため、合計23本の論文から構成される一大プロジェクトとなりました。
歯周病分類の歴史 1942年、それまで統一されていなかったさまざまな種類の歯周疾患は、Orbanによって整理され、AAPからも初めて歯周疾患の分類として認知されました。
歯周病の歴史は、そんなに古い話ではないことが分かります。
その後、1966年、1977年、1989年、1999年と約10年おきに見直しがされ、アップデートが行われてきました。
そして、前述のAAPとEFPの合同ワークショップが2017年11月にシカゴで行われ、今回の新分類の発表となりました。
このワークショップに先立ち、2015年には改変分類が発表されました。
新分類の特徴 以下が新分類の特徴です。
1. 侵襲性歯周炎、慢性歯周炎がなくなり、歯周炎として新しく「ステージ」と「グレード」による分類に変更
2. 全身的な因子の歯周炎分類への考慮
3. 生物学的幅径(biologic width)という用語の「supracrestal tissue attchment」への変更
4. 歯肉退縮の分類の整理
5. 咬合性外傷と歯周疾患との関係の再考
6. インプラント周囲疾患の定義の追加
7. 単なる分類の提案だけでなく、病因に対するレビュー
歯周炎について、1999年の分類では歯周炎は5つに大別されていましたが、新分類では慢性歯周炎と侵襲性歯周炎が1つの歯周炎として分類されることとなり、分類は4つとなりました。
かなり大きな変更なので、学生時代習ってきた内容と変わっている部分が多くあります。
日本歯周病学会でも、新しい分類に対応しています。
保険治療の際の診断名は、以前と変わらず変更はありません。
そのため、特に治療に対しての変更はほとんどありません。
リスクや全身疾患、特に糖尿病や血液の炎症マーカーとの関連、喫煙の量と期間、進行するスピードなどがあげられます。
皆さんは、今まで通りの治療を受けてくださって問題ありません。
歯周病検査は、今までの進行した結果を知ることでしかありません。
定期的な検診にて、歯周組織の検査やレントゲンなどにより進行具合を診査します。
これにより、進行する速さを調べリスクを調べることができます。
なので、一度受けただけや為に行くだけでなく継続して、できるだけ同じ歯科医院にて正確に検査や診査を受けることが大切なことがわかります。
定期的に歯周組織の検査を行うことにより、どの部位が進行しているのか、どれだけ進行しているのかがわかります。
いろいろな歯科医院を転々としていると、そのことには気づかないことがあります。
急激に進行しているのか、緩やかに進行しているのかは長期的に検診を受けなければわかりません。
症状がないからといっていかなかったり、点々と歯科医院を変えていたりすると見過ごしてしまうことが出るかもしれません。
皆さんも気を付けてください。
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