第38回栃歯共催・県央四歯科医師会合同学術研修会
栃木県宇都宮市兵庫塚町の歯医者 やまのうち歯科医院の山之内です。
今回は、金属アレルギーと医科歯科連携についての講演について書いていきたいと思います。
令和4年9月4日(日)午後2時より、標記研修会が開催されました。
通例であれば、会場にての開催なのですが、現状の感染状況を鑑みて、ZoomによるWebセミナー形式での開催となりました。
研修会に先立ち鹿沼歯科医師会会長相馬英人先生、栃木県歯科医師会会長赤沼岩男先生の挨拶から始まり、宇都宮市歯科医師会会長北條茂男先生より講師の略歴紹介、かすもり・おしむら歯科医院院長 押村憲昭先生を演者に迎え学術会議に進みました。
『金属アレルギーをはじめとした医科・歯科連携の第一歩』と題し、臨床医の立場から講義をされました。現在、演者の押村憲昭先生は歯科医院にて日常臨床をしながら、本も執筆しており著書には、『その皮膚疾患 歯科治療で治るかも』や『ご近所医科歯科連携導入マニュアル―あなたの歯科医院は人生100年時代に対応してる?』があり、金属アレルギーと医科歯科連携について発揮をされています。
押村先生は、歯科の学会より医師の先生に対して講演や学会発表などに力を入れています。
なぜ、歯科と医科との連携が取れないかという現状に、アレルギー治療と並行し歯科治療を行うため、金属除去したから改善したのか、薬により改善したのか評価がつきにくいことや、医科の先生が歯科治療についてわからないことも挙げられました。
歯科金属だけでなく、医科との連携の重要さ、日常生活にある金属等が非常に多く存在することがわかります。そのため、医科との連携が非常に重要になることがわかりました。
皮膚科等に紹介状を記載することも重要になります。パッチテストをお願いしますと単純に記載しないで、化学式ベースで記載することや歯科病巣の有無、炎症、治療に対してどれくらいの期間や金額がかかるかを細かく記載することなど挙げていました。
口腔内写真やレントゲンを送付しコメントを記載し、返信用封筒を送付するなど工夫していました。
医療のほとんどは、保険治療でカバーすることはできますが、歯科医療の基本ベースは、ここ数十年ほとんど変わってないといわれています。
その考えの齟齬を改善するために紹介状の内容をしっかり記載することが大切なことがわかります。パッチテストの問題について、皮膚科の専門医が少なくパッチテストの診断の難しさや保険点数の低さなどを相まって、行っている皮膚科医が少ないことも挙げています。
除去する際の注意点や除去する順番についても考えは、イオン化している補綴物から除去するが、イオン化しているか視診で診査することはできず、カリエス有無やアレルギー症状の時期、除去した後の皮膚症状等から考慮しましょう。
金属アレルギーを発症するとQOLが下がるといわれています。
だからといって金属すべて除去する必要はなく、アレルギーで来られた患者さんは歯科治療をしに来たわけではなくアレルギーを治したいから来院していることを考えましょう。
パノラマレントゲンからの骨粗しょう症のスクリーニングができるようになっています。
口腔内の状態を記載する。
そのX線像が、皮質骨全体に渡り、高度な線状の吸収と皮質骨の断裂が見られる所見がみられた時には、約94パーセントの確率で骨粗鬆症もしくは骨量減少という診断結果が得られているようです。
医科の先生は歯を見ない。歯科医療はお口の中しか見ない。
治療を終了したら終了ではなく、口腔機能の改善し食生活の改善、口腔の健康も大切ですが体の健康をより大切に、正しい栄養摂取状態を作り評価をすることが大切なことを力説していました。
非常に内容の濃い話で、予定の3時間はすぐに過ぎてしまいました。
コロナ禍で、延期された学会や中止した講演会などありましたが、学会を含め少しずつ再開するようになりました。芳賀歯科医師会会長木村宏先生の言葉を締めに標記研修会が終了しました。
紹介状に記載する内容の濃さや資料は非常にわかりやすい内容でした。
私が書いている内容は、独りよがりになってしまっていたかもしれません。
今回のことを参考にしていきたいと思う内容でした。
ほかにも以下のような講演会に行っています。興味がある方はクリックしてみてください。