被せ物の治療 メタルボンドとは?
栃木県宇都宮市兵庫塚町の歯医者 やまのうち歯科医院の山之内です。
メタルボンドのブリッジについてきていきたいと思います。
メタルボンドとは、中身は金属で、外から見える部分にのみセラミックを使用した被せ物のことを言います。
強度も比較的強いので、見た目のきれいさや実用性を気にされる方が希望されることが多い治療法のひとつです。
メタルボンドの正式名称は「陶材焼付鋳造冠」で、歯の土台に合わせて金属を鋳造し、その外側の見える部分にのみセラミックを使用するクラウンです。
金属にレジンというプラスチックを接着させたレジン前装冠が開発され、1990年代前半に健康保険に導入されたことにより、今では保険で前歯に白い歯を入れることができます。
そしてレジンの材質も改良を重ね、今ではかなり綺麗に治せるようになったのですが、プラスチックなので、食品や飲み物の色を吸い込み黄色あるいは茶色く変色する問題があります。
そのようなことが起きにくいのが、セラミック陶材を金属に焼き付けた陶材焼付前装冠いわゆるメタルボンドといわれる被せ物で、歴史はかなり古く、歯科治療ではありませんが500年程度の歴史があります。
歯科治療でも利用したのは長く、色のが自然なものにでき見た目が良く変色しにくい素材を使用します。
経時的に変色しませんが、保険適応外です。
このような被せ物は、全て型を取り模型を作った上から、蝋(ろう)でワックスパターンを作り、鋳型を作って金属を鋳造した上につくられたものでした。
しかし、近年技術の著しい進歩で、模型を光学的にカメラで読み取り、コンピューターで計測して、セラミックを機械で削りだしてコア材を作り、その上からセラミックを焼き付けるオールセラミックやジルコニアという被せができるようになりました。
もちろん、今まで通りの型どりを行うこともありますし、ラミネートべニアや大きな入れ歯などは場合は光学カメラは苦手な部分もあります。
開発当初は材質が脆かったり、適合や色合いなどといった欠点があったのですが、今ではそのような心配もなくなり、天然の歯と見分けがつきにくくなるほど精度が上がりました。
オールセラミックやジルコニアの主なメリットを5つご紹介いたします。
1.虫歯の再発防止
詰め物・被せ物の治療で注意したいのが二次う蝕(虫歯の再発)です。2次う蝕の主な原因は詰め物、被せ物の不適合です。
オールセラミックやジルコニアの作成は光学印象とCAD/CAMミリングマシーンを導入し高精密・高精度に作成している為、適合性に優れていますので2次う蝕の抑制が可能です。
2.審美性に優れている
オールセラミックやジルコニアは患者様一人ひとりの歯に合った色調を再現することが可能です。
金属のように歯茎の変色を引き起こすこともありません。
見た目も自然で汚れが着きにくく、衛生面でも安心して利用できる素材です。
3.身体に優しいメタルフリー
ジルコニアだけでなく、セラミック全般に言えることですが、ジルコニアセラミックは生体親和性がとても高い素材です。
近年銀歯により金属アレルギーを引き起こす方もおり問題となっています。
オールセラミックやジルコニアは金属を使用していない「メタルフリー素材」ですので、妊婦さんやお子様、金属アレルギーの方でも安心してご利用いただける素材となっています。
4.強度・耐久性が高い
オールセラミックやジルコニアは、金属と比べられるほど高い強度があるため、前歯だけでなく奥歯にも適応できます。
また、金属よりも劣化しにくく、前装冠にに比べて強度・耐久性に優れます。
ジルコニアにはメーカー保証が付いているということも多くなりました。
当医院使用メーカーにおいては5年保証となっています。
5.幅広い歯科治療に使用可能
虫歯治療に伴う詰め物・被せ物・義歯・入れ歯・インプラント・ブリッジなどで使用可能です。
前歯はもちろん、ジルコニアでは従来のセラミックでは難しかった奥歯にも適応できます。
オールセラミックとジルコニアのデメリット
デメリットの一つとして、治療の金額があげられます。
オールセラミックとジルコニアは保険適用外の治療となりますので、銀歯などの保険適用できる治療よりも高額になってしまいます。
ジルコニアやセラミックは歯を削る量が金属に比べ多少多くなってしまうと言われますが歯を削る量は歯の状態、虫歯の大きさ、神経の有無などによって異なりますので一概におおきく削るとは言えません。
色の選び方や色の合わせ方のポイントは?
事前にどのような色調にされたいかはもちろんお聞きしていますが、ポイントはご自分の考えを遠慮なく伝えることが重要です。
お口全体に被せ直すなどの場合を除いて基本的には現在のお口の中の歯の色を参考に写真撮影し技工士と相談して作成していきます。
ジルコニアは変色するのでしょうか?
オールセラミックとジルコニアは長年使用しても変色はほとんどありません。
ジルコニアにする場合気を付けることは?
せっかく綺麗なオールセラミックやジルコニア、セラミック治療をするのであれば長く使いたいとおもいます。
被せる前や後の歯周病治療や噛み合わせのチェックなどが長く使うためのポイントとなります。
定期検診や歯茎のケア方法などをしっかり教えてくれる医院を選択することをお勧めします。
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