コラム
2022年03月01日

歯の少ないと肺炎のリスクが高くなる

宇都宮市兵庫塚町の歯医者 やまのうち歯科医院の山之内です。

今回は、歯の本数と肺炎について書いていきたいと思います。

歯がない人ほど、肺炎でなくなる危険性が高いそうです。
2017年の人口動態統計によると、誤嚥性肺炎による死亡者数は全体の第7位であり、死亡者数全体の2.7%を占めています。
また、日本では1日当たり70歳以上の約2万人が誤嚥性肺炎で入院されています。
近年、口腔の健康状態と肺炎との関連が指摘されています。
特に要介護高齢者においては、歯科職種による定期的な口腔の管理が肺炎による発熱や死亡を防止することが報告され、
肺炎予防における口腔衛生管理の重要性が明らかになっています。

抜けた歯が4本までの人と比べると
年齢や肥満などのリスクの影響を加味しても
歯が、5~14本抜けていた人は危険性が1.74倍
15~27本抜けていたの人は2.37倍の肺炎のリスクがあるそうです。
親知らずを除くすべての歯がなくなっていた方のリスクは、2.77倍だそうです。
どうして誤嚥性肺炎になるか

◯お口の機能と衛生状態が悪い

お口の中には無数の細菌が存在しています。
ケアをしないままですとお口の中で増殖し続けます。
飲み込む機能が低下すると、唾液や食事を飲み込む時にそれらが肺に運ばれてしまいます。
歳を重ねると「むせやすくなる」のはそのためです。
唾液や食事と一緒に、お口の中の最近も肺に入ってしまうことで起こるのが「誤嚥性肺炎」です。
そこで、お口の中を清潔に保つことと、お口の機能を低下させないことが大切です。

◯栄養状態が悪い

お口の機能が低下すると、十分に食事が取れなくなり、栄養状態が悪化します。
すると体の力も無くなっていき、さらにお口の機能が低下するという負のスパイラルに入ってしまいます。

◯胃腸の健康状態

胃からの逆流が起こる、逆流性食道炎、便秘などがあると、そのことから誤嚥につながり、誤嚥性肺炎の危険につながります。
H2ブロッカーなどを服用している場合、胃のphが上がってしまいうと、
本来は胃に入った細菌を強酸が死滅させてくれますが、それができなくなり、細菌が死滅しにくくなってしまいます。
つまり、お口の中を清潔にして、お口の機能を正常に保てれば、誤嚥性肺炎の危険を減らすことができます。
今回は、お口の機能と衛生状態をピックアップし、その中でも基本的な、口腔内の清掃について、ご説明します。

口腔内の清掃

お口のケアで最も大事なのは、お口を清潔に保つことです。お口の清潔のポイント3つは、歯磨き、粘膜の清掃、そして入れ歯の管理です。

歯磨きについて
力が弱っていたり、リウマチなどの基礎疾患によって手が動かなかったりすると、
歯磨きをしていても細かいとこまで届いていないことが多いかもしれません。
また、高齢で欠損歯があり、存在している歯が飛び飛びだったりすると、連続して磨くよりも技術が必要になってきます。
そして、ブリッジや連結冠と呼ばれる、隣同士でくっついている「被せ」が多いことや、
歯ぐきが痩せていて本来よりも歯が長くなっていることも、歯磨きを難しくする要因です。
そこで、介助してあげることも大切になってきます。
これらの場所は、共通して歯間ブラシを使用することで解決出来ます。
歯の飛び飛びになった部分、被せのつなぎ目の部分、歯ぐきが下がった部分、すべてに有効です。
隙間は大きいことが多いので、使用する歯間ブラシも大きめを使うと良いでしょう。
歯がある方は、悪くならないように
既に抜けてしまった方もこれ以上抜けないように予防していきましょう。

歯がなくなったときの治療について気になる方は、下記をクリックしてください。

歯を失った時の治療 天然歯の寿命

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