コラム
2024年09月21日

歯が痛いのは天気が原因?

栃木県宇都宮市兵庫塚町の歯医者 やまのうち歯科医院の山之内です。

今回は、歯の痛みがあるのは天気が原因なのかについて書いていきます。

いつもは痛みも何とも感じないけれど、「雨の日や低気圧になったら何だか歯が痛い」と感じることはありませんか?
昔から、雨が降ると古傷が痛む、雨が降ると関節が痛むなどと言われてきたように、天候は私たちのからだに大きな影響を与えるといわれています。。
それは歯についても例外ではなく、天気が悪い日は歯が痛むという人は、意外と多くいらっしゃいます。
今回は、雨の日や気圧の変化が大きくなると起こる歯の痛みについて、ゆっくり解説していきます。

【気圧の変化と歯の痛み】

天気の悪い日は歯が痛むというのは、昔から知られていましたが、科学的な説明はなされていませんでした。
まだその原因や痛みの機序について、すべて明らかになってはいないのが現状です。
しかしながら、雨の日に歯痛が発生する原因のひとつとして考えられるようになったのが「気圧の変化」です。
通常、からだは外からかかる気圧と体の内側から外への押し返す力によって、圧力のバランスが保たれています。
しかし、気圧が変化すると、体へかかる空気の圧力も変わりますので、それに対応していく必要があります。
低気圧になると体にかかる圧力が軽減されるため、体の内側から外へ押し出す力が大きくなります。
高い山に登ったり、飛行機で高度の高いところに行くと、ポテトチップスなどの袋がパンパンになるのと同じ理論です。
体の中には、空洞や血管などの管が多くありますが、低気圧になると外から体を押す力が弱くなるため、体の中にある空洞の空気が膨らみます。
膨らんだ空洞や管などの組織が、周囲にある神経や血管が圧迫されることで、痛みを感じてしまうといわれています。

【複雑な歯の構造】

歯は、外から見ると分かりませんが、実は3層もの異なる層に分かれています。

そして、歯の中心には「歯髄腔」と呼ばれる神経(歯髄)が入っている空間があります。簡単にいうと、神経が入っている部屋ですね。その周りを象牙質、さらにその外側をエナメル質が包む3重の構造になっています。むし歯など、表面のエナメル質のみだと痛みは出ませんが、象牙質にまで進行していると痛みを生じたりと、それぞれの層で厚みや性質が異なります。

【気圧の変化と歯の痛み】

神経が入っている歯髄腔の内部の気圧というのは、通常であれば、外の気圧と同じになるように保たれています。
しかし、短時間に急に外の気圧が変化すると調整が間に合わず、外の気圧と歯髄腔の内部の気圧に差が生じてしまうことがあります。
低気圧というのは、気圧が低い状態です。
低気圧になると、歯髄腔の外の気圧は通常に比べて低下します。
その結果として生じる歯髄腔の内側と外側の気圧差によって、内部から歯に圧がかかることで歯が痛むことがあるのです。
これは低気圧が接近しているときだけに起こるのではありません。
身近な例で言うと、飛行機が離陸する際や着陸するときに耳がキーンとつまった感じがする、痛くなるといった症状が出たことはないでしょうか。
これも飛行機の離着陸などの時に、機内の気圧が変化することで、鼓膜の内側と外側で気圧の差が生じてしまうために起こるものです。
このように、同じ場所や気象の条件であっても、高度が上がれば気圧は下がります。
ですので、飛行機に乗ったり、高い山に登った場合も同様のメカニズムで歯痛が起こることがあります。

【痛みを感じやすい人の特徴】

「雨が降ると歯が痛む」のは、昔から多くの人が経験してきたことですが、みんな同じように歯が痛いかというとそうではありません。
実際に、これを読んでいる人もそのような経験がない方も多いのではないでしょうか。

気圧が下がるからといって、世界中のみんなが歯に痛みを感じることはありません。
気圧による変化を受けやすいのは、次のような状態であることがわかっています。

・むし歯がある
・むし歯の治療中である
・詰め物や被せ物をした歯がある
・歯ぐきや歯の根っこの先に膿がたまっている

つまり、歯にもともと何かしらの痛みの原因となるものがある場合です。
外の気圧が下がって、歯髄腔の中との気圧差が生じると、相対的に圧が高くなった歯髄腔の空気は膨張して周りの神経に刺激を与えた結果、歯痛は起こります。
そのため、治療しないままだったむし歯があったり、前に治療したところがある場合は、痛みを感じやすくなってしまいます。
歯ぐきや歯の根っこの先に膿が溜まっている場合も同様です。
ここで気をつけておきたいのが、治療済みの歯も痛みを感じる可能性があるということです。治療していなかったり、何か問題がある場合にこのような痛みがあるのはなんとなく理解できるかと思います。けれど、治療し終わったのに痛みが出ることもあるのです。
これは、普段は特に痛みを感じなくても、詰め物や被せ物をしてから数年経っていると、小さな隙間から治療した歯の中に細菌が侵入し、再び虫歯になっていたという可能性もあるからです。

【痛みが出ないためにはどうしたらいいの?】

まだ症状が軽い場合や、すでに歯の神経を抜いてしまっているときは、むし歯が進行していても気がつかないことがあります。
もし、雨などの天気によって歯が痛くなったり、飛行機に乗る度に同じところに痛みを感じるようなら、一度歯科医院での検診を受けて、お口の中を全体的にチェックするのがいいでしょう。
残念ながら、気圧の変化による歯の痛みは、気圧をコントロールすることができない限り、防ぐことはできません。しかしながら、口の中の状態を整えることで痛みを防ぐことはできます。

【痛みの予防方法】

まず一番におすすめしたいのが、普段から定期健診に通うことです。
普段から歯科医院に通って、お口の中をむし歯や歯周病のない健康な状態に保っておけば、急な気圧の変化や旅行で飛行機に乗ることがあっても心配ありません。
登山に出掛ける前、飛行機に乗る前には、むし歯は治してしっかりとメンテナンスしてある状態にしておきましょう。
できることといったら、対処療法にはなりますが鎮痛剤を飲むことです。
歯科医院での治療中にどうしても飛行機に乗る必要がある場合などには、歯科医院で相談して必要であれば鎮痛剤を処方してもらうのがいいかもしれませんね。

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