コラム
2024年10月16日

歯周ポケットの深さを測るときに知っておくこと

栃木県宇都宮市兵庫塚町の歯医者 やまのうち歯科医院の山之内です。
今回は、歯周病の検査の一つ歯周ポケットの検査について書いていきたいと思います。
まず初めに、歯周病の検査には、様々な検査法があります。
歯周病の検査は、歯周病の進行度や状態を把握し、適切な治療計画を立てるために非常に重要です。
歯科医院で行われる一般的な検査方法についてご説明します。

1. 歯周ポケットの深さの測定

  • プロービング検査: 歯周ポケット(歯と歯肉の間にできたすき間)の深さを、プローブと呼ばれる細い器具で測ります。
    歯周ポケットが深くなっているほど、歯周病が進行している可能性が高いです。
  • 出血の有無: プローブを挿入した際に、歯肉の境目からの出血があるかどうかを調べます。
    歯肉の境目からの出血は、歯周病の初期症状の一つです。

2. 歯の動揺度の検査

歯がどれくらいぐらついているかを調べます。
歯周病が進行すると、歯を支える骨が溶けてしまい、歯がぐらつくようになります。

3. 歯周組織の炎症の確認

  • 歯肉の腫れや赤み: 歯肉が腫れていたり、赤くなっていたりする場合、炎症が起きている可能性があります。
  • 膿の有無: 歯周ポケットから膿が出ている場合は、歯周病がかなり進行している可能性があります。

4. 歯の根の吸収の確認

  • レントゲン検査: 歯を支えている骨の吸収の程度を調べるために、レントゲン検査を行います。
    歯の根が吸収されていると、歯が抜けやすくなります。
    レントゲンを撮らないと進行状態が詳しくわかりません。
    場合によっては、CTを取ることもあります。

5. その他の検査

  • 口腔内写真: 歯周病の状態を記録するために、口腔内写真を撮影することがあります。
  • 唾液検査: 口腔内の細菌の種類や量を調べることで、歯周病の原因となる細菌の有無を確認することができます。
    唾液検査には様々な方法がありますが、必ず必要な検査ではないことと保険治療外になってしまいます。

歯周病検査を受けるべきタイミングはいつがいい?

  • 歯がぐらつく
  • 歯肉が腫れる、赤くなる
  • 歯磨き中に出血する
  • 口臭が気になる
  • 歯が長くなった気がする

上記のような症状を感じたら、早めに歯科医院を受診し、歯周病の検査を受けなければいけません。
理想は、上記な症状が出る前にいかれるほうがいいでしょう。

歯周病検査を受けるメリット

  • 早期発見・早期治療: 歯周病は早期発見・早期治療が大切です。定期的な検査を受けることで、歯周病の進行を食い止めることができます。
  • 適切な治療計画の立案: 検査結果に基づいて、自分に合った治療計画を立てることができます。
  • 歯の寿命を延ばす: 歯周病は、歯を失う原因の一つです。歯周病を適切に治療することで、歯の寿命を延ばすことができます。

以上が、歯周病の検査に行う一部です。

歯周病は、自覚症状が乏しいうちに進行することが多いため、定期的な歯科検診を受けることが大切です。
歯周病が気になる方は、お気軽に歯科医院にご相談ください。
ご自身の口腔内の健康を守るために、ぜひ歯科医院で定期的な検査を受けましょう。

以上の検査のうち歯周ポケットを調べる器具があります。
下の文献は、その器具の種類によって対応しなければいけないということを示した文献です。
歯周プロービングは、歯周病の診断に最もよく使用される方法の 1 つです。
この研究の目的は、歯周病の診断と評価における歯周プロービング チップの直径の重要性を判断することです。
方法として、 ヒト、イヌ、サルの研究における歯周プローブの直径について論じた文献をレビューし、比較しました。
これらの研究では、検査器具のチップの直径は 0.4 mm から 1.0 mm を超えるものまでさまざまでした。
歯肉と歯の間のプローブの前進は、歯肉組織にかかる圧力と、健康な組織または炎症を起こした組織からの抵抗によって決まります。
圧力はプローブにかかる力に正比例し、プローブのチップの直径に反比例します。
プローブの直径が大きいほど、炎症を起こした結合組織へのプローブの前進が減少しました。
このプローブ直径の変化による影響は、プローブの力の同様の変化の増加よりも圧力を大幅に減少させました。
結果を検討した研究では、プローブの先端を歯周溝/ポケットの底に置くのに使用した圧力はおよそ 50 N/cm2、接合上皮の底では 200 N/cm2 でした。
ポケットの底に到達するには、先端の直径が 0.6 mm 必要でした。
臨床的な炎症は必ずしも組織学的炎症の重症度を反映するものではなく、記録はプローブの深さを示していない可能性があります。
さらに、プローブの深さはポケットの底の解剖学的位置を特定しませんでした。
結論: プローブの深さのおおよそを示す圧力を得るには、プローブの先端の直径は 0.6 mm、力は 0.20 グラム (50 N/cm2) である必要があります。
この圧力は、治療の結果として長い接合上皮が形成されることを含む臨床的プローブの深さの減少を測定するために必要でした。
さらに、健康な歯周組織または炎症を起こした組織学的歯周プローブの深さを測定するには、異なる力または直径の先端が必要です。

さらに、プロービングは人間が行うので日によって、術者によって差が出ます。
Baderstenらの報告では90%が1mm以内誤差としています。
1mm程度は誤差がある前提で考えた方がいいようですね。
2mmが3mmになったとしてもさほど心配しなくてもいいと思います。
誤差の可能性もあります。
もし3mmが4mmになっていたら、誤差の可能性も考慮しつつ歯周炎が進行していないかを注視するといった姿勢が大事かと思います。
なので、長期間の検診により、進行しているのか安定しているのかを経時的に見る必要があります。
一度や二度調べてよくなった、変わらない、悪くなっただけでなく、長期的に経過を追って進行しているのか、どうなのかを見る必要があるということです。
ただし、90%は1㎜以内の誤差ということは、10%はそれ以上の誤差が生じているということになります。
今回大丈夫だからと言って、前述のように経時的に診査するということが必要になるわけです。
なので、定期的に検診を受けましょうというのが正しいことがわかります。
皆さんも、一度治療を受けて問題なかったから行かなくてもいいわけではありません。
定期的に検診を受けましょうというお話でした。


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