コラム
2022年07月05日

治療した部位の予防 虫歯、歯周病の再発

宇都宮市兵庫塚町の歯医者 やまのうち歯科医院 歯周病専門医の山之内です。

今回は、再治療にてついて書いていきたいと思います。

虫歯の再発

治療を受けて治癒したかのように見えた虫歯が、再び進行してしまうことを指します。
虫歯は、口内の細菌が歯の表面に付着して、糖質を代謝することで発生します。
この際に酸が産生され、歯のエナメル質や象牙質を溶かし、腐食していきます。歯科医師が虫歯を治療する際には、虫歯の部分を削り取り、詰め物やクラウンなどで修復することで歯を保存します。
しかし、治療後も適切な口腔衛生や栄養管理を怠ってしまうと、再び細菌が歯に付着し、新しい虫歯を引き起こすことがあります。
また、詰め物やクラウンの寿命が来た場合にも、再び虫歯が発生する可能性があります。
虫歯の再発を予防するためには、定期的な歯科健診と適切な口腔衛生が必要です。
歯ブラシやフロスなどを使用して、口内の細菌を除去し、歯を清潔に保つことが大切です。
また、砂糖を含む飲食物や飲料を控え、健康的な食生活を心がけることも重要です。
虫歯の治療や被せ物を行ったらもう虫歯にならないと思われるかもしれませんが、治療を行えば行うほど虫歯になりやすくなる傾向にあります。
詰め物は、つぎはぎになり、被せ物と歯の間は見えないため、気付かないうちに進行することもあります。

歯周病の再発

歯周病を治療して改善した状態から、再び歯周病が進行してしまうことを指します。
歯周病は、歯垢や歯石などの歯の表面に付着した細菌が歯茎を刺激し、炎症を引き起こすことで発生します。歯周病が進行すると、歯茎が腫れ上がり、歯と歯茎の間の歯肉溝が深くなり、歯を支える骨が破壊されることがあります。
歯周病を治療する際には、歯石の除去や歯肉切開手術などの処置が行われます。また、定期的な歯科検診や適切な口腔衛生を維持することで、歯周病の再発を予防することができます。
しかし、口腔衛生が不十分だったり、定期的な歯科検診を受けなかったりすると、再び歯周病が進行してしまうことがあります。また、喫煙やストレス、免疫力の低下などの要因も、歯周病の再発を引き起こすことがあります。
歯周病の再発を予防するためには、定期的な歯科検診と適切な口腔衛生が必要です。歯ブラシやフロスを使って、歯垢や歯石を除去し、口腔内を清潔に保つことが大切です。また、喫煙やストレスを避け、健康的な生活習慣を心がけることも重要です。
この内容を見ると、生活習慣病だということがわかります。
これを踏まえて以下の文献を見てみましょう。

歯の再治療について文献がありましたので紹介いたします。

日本歯内療法学会はこのほど実施した「歯の再治療に関するアンケート調査」の結果を発表しました。
歯内療法学会とは、虫歯が進行して神経まで細菌が感染し、神経の治療といわれる根の治療を行い歯を保存するのための良い方法を探究し続ける学会です。
根の治療は、被せ物や詰め物と異なり患者さんから見えない治療なので、非常にわかりにくい治療ですが非常に大切な治療です。
そのため、下記にも書いていますが治療をした部位やいつ行ったかも忘れてしまうことが多い治療の一つです。
それによると、働き盛りの40~50代は、再発した虫歯の治療や歯の神経の治療を行った経験者が多いことが分かりました。
他の文献でも見られた傾向と似ているところがあります。
若いころに行った治療の部位が再発や再度虫歯や歯周病になりやすい傾向があります。
どうしても、磨きにくいところや歯ブラシが不得意な部分が虫歯や歯周病になりますので、自己流の歯ブラシですとこのようなことになりかねません。
調査内容は10月7~11日の5日間、20~50代各世代50人の計200人を対象にインターネットで実施しました。
再発虫歯の治療経験者は、20代18%、30代30%、40代46%、50代70%と年代が高まるにつれ増えてきてます。
40~50代は、新たなむし歯は減少する一方で、虫歯が再発する傾向が高まるのが特徴です。
また、むし歯治療で神経を抜いた経験は20代24%、30代38%、40代46%、50代66%と加齢とともに急増していることが分かりました。
40~50代は、神経を抜く治療まで虫歯を悪化させてしまうケースが多くなっているようです。
「神経を抜いた経験がある」と回答した人のうち、神経を抜いた歯がどの歯か「記憶が曖昧な人」「覚えていない人」は、40代約7割弱、50代約8割弱に上り、20~30代の5割程度に比べて多い傾向にあるようです。
自分の歯が何本あるかわからない方もいらっしゃるので、何年も前に治療した部位を覚えていることは少ないのも仕方がないかもしれませんね。
日本歯内療法学会は若いうちは治療した歯がまだ少なく記憶に残っているが、40~50代は治療した歯が多くなるにつれて、どの歯か把握できなくなり、神経を抜いた歯を意識したお口のケアができていないと分析した上で、お口の健康への意識の低下と歯のトラブルは相関するようです。
定期健診の頻度が低いほど口や歯に対する意識が低くお口のトラブルも多いといわれています。
虫歯や歯周病は家で行うホームケアと、定期的な歯科医院で行うプロフェッショナルケアで抑えられる疾患です。
この文献での結果は、お口の中の健康意識の向上が必要だと結論付けています。

歯周病の再発を防ぐためには、以下のような治療が必要です。

正しい口腔内衛生の実践 歯周病は、歯垢や歯石が原因で発生するため、正しい口腔内衛生の実践が重要です。歯ブラシやフロス、マウスウォッシュを使って、歯垢や歯石を取り除き、口腔内を清潔に保ちましょう。
歯科医師の治療を受ける 歯周病の治療は、歯科医師による専門的な治療が必要です。初期の段階であれば、歯石の除去や歯周ポケットの洗浄などで改善することができますが、重度の場合は手術が必要な場合もあります。
プロフェッショナル・クリーニングを受ける 歯周病の再発を防ぐためには、定期的なプロフェッショナル・クリーニングが必要です。歯科医師や歯科衛生士による専用の器具を使って、歯垢や歯石を完全に除去し、歯周病の予防を行いましょう。
健康的な生活習慣の維持 歯周病は、健康的な生活習慣の維持によって予防することができます。
適度な運動やバランスの良い食事、禁煙などの生活習慣改善が重要です。

以上のような治療や生活習慣の改善を実践することで、歯周病の再発を予防することができます。ただし、歯周病は再発する可能性があるため、定期的な歯科健診を受け、早期発見・治療を行うことが重要です。

虫歯の再発を防ぐためには、以下のような方法があります。

正しい歯磨き 歯垢や食物の残渣が歯の表面に付着し、そこに細菌が繁殖して虫歯の原因となります。正しい歯磨きを行い、歯垢や食物の残渣を取り除くことが重要です。朝晩の歯磨きはもちろんですが、食事の後にもブラッシングを行うと良いでしょう。
フッ素の使用 フッ素は虫歯の原因となる酸を中和する効果があり、歯の再石灰化を促進する効果があります。フッ素入りの歯磨剤やマウスウォッシュを使用することで、虫歯の再発を防ぐことができます。
食生活の改善 砂糖や甘い飲み物は虫歯の原因となるため、過剰な摂取は避けるようにしましょう。また、歯を噛むことで刺激を与え、唾液の分泌を促進することで、歯の健康維持に役立ちます。
歯科医師の定期的な受診 定期的な歯科医師の受診により、虫歯の早期発見・治療を行うことができます。
また、歯垢や歯石の除去などのプロフェッショナルなケアを受けることで、虫歯の再発を予防することができます。
以上のような方法を実践することで、虫歯の再発を防ぐことができます。
虫歯は再発することがあるため、定期的な歯科健診を受け、早期発見・早期予防を行うことが重要です。

やまのうち歯科医院

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