歯が浮いた感じがする
栃木県宇都宮市兵庫塚町の歯医者 やまのうち歯科医院の山之内です。
今回は、歯が浮く感じがする原因について書いていきたいと思います。
痛みはあまりないのに歯が浮いた感じがする場合があります。この歯が浮くとはどのような状態で原因は何かについて説明します。
歯が浮くという感覚の主な原因は、「歯根膜」という組織がダメージを受けてしまったことによるものがほとんどです。
歯根膜とは、歯と歯を支えている骨との間にある膜のことで、噛んだ時の力を分散させるクッションの様な働きをしています。
歯はあごの骨に埋まっていますが、あごの骨と歯は直接つながっているわけではなく、歯根膜と呼ばれる薄い膜によって結合しています。
この歯根膜はクッションの役割をしており、咬んだ時に骨に与える衝撃を和らげています。
またセンサーの役割もあり、咬んだ時の微妙な感覚や刺激を脳に伝えています。
歯が浮くという状態は、この歯根膜が何らかの刺激やダメージを受けて、血行障害が起こっているために現れる症状なのです。
8つの原因と対処法
1.疲労やストレス
疲労やストレスは体全体の血液やリンパ液の循環を悪くします。肩こり、頭痛、だるいなどはすべて血液の循環が悪くなって起こる症状です。
歯が浮くこともこの循環の悪さが起こしています。歯ブラシで優しく歯ぐきをマッサージするようしてみてください。血行が良くなり歯ぐきの浮いた感覚も改善してきます。
2.歯の使い過ぎ
硬いものや同じものを食べ続けると歯根膜の負担が大きくなって歯が浮いた感じがしてきます。
使いすぎたと思ったら安静にしておいていただければ、使い過ぎが原因であれば徐々に改善してきます。
3.食いしばり
歯と歯は一日に接触している時間は20分程度です。
普段は安静空隙(あんせいくうげき)という1mm程の隙間を作っています。
食いしばりのある方は集中してしまうと長い間、強い力で歯と歯が接触し、歯根膜にダメージを与えてしまうために歯が浮いたように感じます。
自分で意識して上下の歯を当てないようにして、食いしばらないようにすると治ってくることがあります。
4.歯ぎしり
歯ぎしりはほとんどが寝ている間に行われます。無意識に行っている歯ぎしりは歯を強い力で左右に大きく揺さぶるため、歯根膜が引っ張られて歯が浮いたようになります。
歯ぎしりの強い方は歯科医院でマウスピースを作り歯や歯ぐきを守る必要があります。
5.歯周病
歯周病が進行してくるといつも歯の周りの歯ぐきは腫れて出血しています。
そこでは歯周病菌と歯ぐきの中の免疫力が戦っています。
疲労などで体の抵抗力が落ちた時、歯周病菌の勢いが増加して歯ぐきが腫れて歯を浮き上がらせてしまいます。そのため歯が浮いているように感じてしまいます。歯科医院で歯周病治療を行い、定期的に歯周ポケット内の細菌を減らす必要があります。
6.根の治療の後
根の先にも歯根膜があります。治療後、傷ついた部分を治そうとして血液やリンパ液が流れ込み歯が浮いたようになります。
治療中の歯はできるだけ咬まないで安静にすることが必要です。
7.根の先の病変
根の先に膿が溜まると、原因である歯を押し出そうとして歯が浮いた感じがすることがあります。
根の治療をして膿がなくなれば浮いた感じは治まってきます。
8.マウスピースを外した後
ホワイトニングや歯ぎしり用のマウスピースを長時間使用すると歯が浮いたようになることがあります。
マウスピースを使っている時に取れないようにするため多少締め付けるような力が加わります。そのために歯が押されて歯根膜が引っ張られて歯が浮いたように感じます。
ほとんどの場合、マウスピースを外して30分程度で戻ります。
以上が歯が浮いた感じがする原因と対策になります。
それでも改善しない場合は、かかりつけの歯科医院に行かれることをお勧めします。
我慢しすぎて悪化してしまうと、改善するまで時間がかかってしまうことがよくあります。
無理をしないで見てもらった方がいいかもしれませんよ。
治療が終了したからと言って、定期検診を怠ると再発する可能性が高くなります。気になる方は下記をクリックしてください。