コラム
2022年11月28日

宇都宮歯周病研修会 ズーム会議

栃木県宇都宮市兵庫塚町の歯医者 やまのうち歯科医院の山之内です。

今回は、11月に行った宇都宮歯周病研修会ズーム会議について書いていきたいと思います。

今回の内容は、セメント質剥離です。

あまり聞かない名称かと思います。

高齢者に発症しやすいといわれていますし、今回の内容でも高齢者の方がほとんどでした。

上下の前歯にできやすいといわれていますが、奥歯にもなることがあります。

セメント質とは歯の歯根部を外側を覆う硬組織で歯根膜(歯の靱帯)が付着し歯槽骨と結合を手助けしています。

このセメント質が咬合力(歯ぎしり、くいしばり)などの過大な力を受けると肥大し、その後剥離を起こすことがあります

セメント質が剥離すると、そのセメント質が感染源となり歯肉は腫脹、歯肉からの排膿が起きるといわれています。

治療法は、外科的にはがれたセメント質を除去することが主な治療法です。

予後については、状態や状況によってですがあまりよくはないとは言われています。

はがれたセメント質と呼ばれる部位は、歯の根元にある固い組織がはがれているのでおいていても悪さをする原因になりますし、

除去してもその部位に細胞はしっかりと付き難くなってしまいます。

レントゲンやCT上でもはっきりとはわからないことがあり、レントゲンを経時的に追っていくとこれなのではないかとわかるくらいになっています。

はっきり剥がれたらわかるのですが、初期の状態や部位によってはレントゲンではわかりにくことがあります。

怪しいとはわかっていても、痛みも症状もないのに歯肉を開いて確認しますといわれてわかりましたとおっしゃる方は少ないと思います。

後発年齢は60~70歳くらいといわれていて、男性の方が多いといわれています。

超高齢社会になり、高齢の方も歯を多く有している方が増えてきています。

そのためもあってか、症例が増えてきている感じがします。

好発部位は、上の前歯が多いとのことです。

くいしばりがかかりやすく、力に対して強くない部位が出る傾向があるとのことです。

前述でもありますが、治療法は外科的に開いて除去する方法しかありません。

そのうえ状況によっては予後が悪いことの方が多いともいわれています。

歯の揺れもあまりないこともあり、そのまま放置していくと歯の周りの骨がなくなり、抜歯した後へこんだ歯肉になることもあります。

そのあとの治療に、インプラントやブリッジにするときもへこんだ歯肉を作る治療や骨を作る治療をしなければならないことがあります。

治療する際は、担当の先生とよく相談の上決めましょう。

残すことがいいことと悪いことがありますので、なんでも残す治療を選べばいいわけではありません。

ズームの講演会がまた増えてきました。歯周病の審美治療について気になる方は下記をクリックしてください。

栃木県歯科医師会 審美と清掃性を考慮した歯周病治療

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