レントゲンを撮っても大丈夫ですか? レントゲンを撮る理由 

栃木県宇都宮市兵庫塚町の歯医者 やまのうち歯科医院の山之内です。

今回は、歯医者で使用するレントゲンについて書いていきたいと思います。

歯科ではレントゲンを撮ることがよくあります。
「むし歯ができているのは歯を見ればわかるはずなのに」
「歯石をとってほしいだけなのに」
「必要のない、無駄な検査をされているのでは?」
と思われている方ももしかしたらいらっしゃるかもしれません。
ネットの記事に、歯医者でレントゲンを撮影するのは、金もうけのためだと長々と記者が書いていました。
医科も歯科も定期的にネガティブキャンペーンをしなければいけないようで、そのような記事を見かけることがあります。
正しいことを書いていることもあれば、偏向報道している部分もあります。
その中の一つに、レントゲンを撮るのは親知らずを抜くためだというのがあります。
埋まっている親知らずは点数が高いのでそれを行うためだということです。
骨に埋まっている親知らずを抜くのにどれくらい時間がかかるのか、どのようなリスクがあるのかご存じなのだろうか?
30分ですぐに抜けると思っているようですね。
麻酔して、歯肉をはがして、骨を削って、歯を削って、それで取れなければさらに歯を削って分割して、最後に縫合した後、止血を確認することになります。
それで、歯が抜ければいいのですが、抜けない場合もあります。
神経や血管に近い場合などは中止することもあります。
そのようなリスクを負って、抜歯を行うことになります。
治療後に出血が止まらない、しびれた、顎の骨折などがあります。
そのようなリスクを負ってまで治療をするのは、ひとえに患者さんのためを思っての治療がほとんどです。
悪くない歯を削る、抜くなどまともな歯科医師であれば、ストレスで死にます。
私はとてもではないですが、そのような治療をしてたらストレスで間違いなく倒れてしまいます。
話は戻りますが、レントゲン撮影についてつづいて書いてきます。

もちろん、むし歯ができていること、歯石がついていることは歯科医師が診ればわかりますが、実は歯科治療では直接目で見えない部分の情報がとても大切なのです。
レントゲンはその直接目で見えない部分の情報を得るために行う検査です。レントゲンでわかることには主にこのようなことがあります。

虫歯
虫歯の進行度、詰め物やかぶせ物に二次むし歯の原因となる隙間や段差ができていないか、また、その下にむし歯ができていないかなどの確認を行います。
根っこの状態、破折
むし歯が進行すると根っこに炎症を起こしたり、膿がたまったりすることがあります。また、歯冠部や根っこの割れやひびを確認することができます。
歯周病
歯周病は進行するにつれ、歯と歯肉がはがれて隙間が大きくなり、歯肉の下にも歯石がつきます。また、歯を支える顎の骨が次第に吸収されて歯がグラグラになり、最後には歯が抜けてしまいます。レントゲンは、そのような歯周病の進行状態の確認に有効な手段です。
顎関節症
顎関節のズレや変形などを確認し、顎がカクカク鳴ったり、痛みが生じたりする原因を調べることができます。
その他、歯肉の下に埋まっている歯の確認や歯並びなど、さまざまな情報をレントゲンから得ることができます。
心配される方が多い被ばくについては、自然界で1年に受けている量が約1.5mSvなのに対し、歯科でのレントゲンは種類にもよりますが0.01~0.03mSvほどと、わずかな量です。
歯科治療にとってレントゲンは必要不可欠なものです。
安心して検査を受けてくださいね。もちろん、ご質問や不安なことがありましたら遠慮なくお声がけをしてください。
レントゲンにも様様な種類があります。
歯科で撮影する主なレントゲンの種類は以下の4つです。
パノラマ断層撮影

デンタルレントゲン

歯科用3次元CT(CBCT)

セファロ撮影

それぞれどのようなときに撮影するのでしょうか?

パノラマ断層撮影
最も一般的なレントゲン検査で、すべての歯が1枚のレントゲンに写ります。

顎の骨の成長をみたり、歯と顎の骨の位置関係や頭蓋骨と顎の骨との位置関係などを診断する際に必要となるレントゲンです。
最も一般的なレントゲン検査で、すべての歯が1枚のレントゲンに写ります。
そのため、1枚撮影するだけで歯や顎の骨、副鼻腔、顎関節などの状態を確認することできます。
全体的な診断には非常に便利な反面、細かい病変の診断はしにくいのが特徴です。

・デンタルレントゲン
パノラマ断層撮影で怪しいけど確かな診断ができない場合にその部位のみを撮影するためのレントゲンです。
例えば歯と歯の間の小さなむし歯や、歯の根の病変(根尖病変)、歯周病による骨の吸収具合など細かい診断を行う際に撮影します。

・歯科用3次元CT(CBCT)
顎の骨のあらゆる方向での断面を撮影できるため、3次元的に病巣の広がりを確認できます。
歯によっては複数根がある歯もあり、歯の根の病巣がどの根が原因なのかを確認したり、口腔外科領域では親知らずと神経の位置関係や顎の骨の中の病変の大きさや内容物を確認する際に撮影します。
また、インプラント治療の際にはこのCTを撮影して骨の幅や質を診断したり、インプラントの選択や埋入方向のシミュレーションなどを行ったりします。
歯科用CTは副鼻腔炎(とくに上顎洞炎(いわゆる蓄膿症))の診断のためにも撮影することがあります。

・セファロ
主に矯正歯科で撮影するレントゲンです。
顎の骨の成長をみたり、歯と顎の骨の位置関係や頭蓋骨と顎の骨との位置関係などを診断する際に必要となるレントゲンです。

 

レントゲン写真に限らず、検査をするのは必要があるからするのであって、あたり前ですが必要のないムダな検査はしません。
レントゲンは血液検査のように一つの検査でたくさんの情報が得られ、我々歯科医師にとっては非常に有用な検査の一つです。
たとえ症状がなくても、病気の存在を疑った場合は患者さまに説明しレントゲン撮影を行うこともたくさんあります。
やまのうち歯科医院では3次元CTも撮影できるデジタルレントゲンを採用しています。

デジタルレントゲンはフィルムタイプのレントゲンと比較し、X線の被ばく量が1/5~1/10程度に軽減され、からだにほとんど害がありません。

私たちは日常生活でも日光などからも放射線を浴びていますが、デンタルレントゲンに至っては撮影時の放射線被ばく量のほうが、日常生活で浴びているそれより少なくなっています。
やまのうち歯科医院では念には念を入れて、レントゲン撮影時には防護エプロンを着ていただき、より被ばく量を軽減するようにしています。
原子力発電所で働く人は「放射線業務従事者」に指定され、国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告に基づいて定められた国の法令による上限である「5年間で100ミリシーベルト、ただしいかなる1年間も50ミリシーベルトを超えない」を超えないよう厳重に管理されています。
歯科撮影の被ばく量は0.01mSvとなっております。
不必要なレントゲンはとらないようにしていますし、できるだけ患者さんに負担をかけないよう心掛けているつもりです。
ですので、現在歯科で不必要以上にレントゲン撮影に敏感にならなくても大丈夫というのが一般的な考えとなっています。
気になるときはかかりつけの歯科医院に聞いてみてはいかがでしょうか?

気になる方はご質問ください。あまり多くの質問がある際は、紙に書いていただくかメールにて質問ください。

「知りたい!」に答えます

 

 

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