【白い詰め物を長持ちさせたい方へ】材料よりも大切なのは「お口の環境」と「歯科医院選び」
栃木県宇都宮市兵庫塚町の歯医者 やまのうち歯科医院の山之内です。
「白い詰め物は何年くらいもちますか?」
やまのうち歯科医院でよくいただく質問の一つです。虫歯の治療で使用されるコンポジットレジンは、歯を削る量を最小限に抑えられる優れた材料ですが、「どのメーカーのどの材料を使っているか」だけで寿命が決まるわけではありません。
2022年に国際的な歯科専門誌に掲載されたシステマティックレビューでは、コンポジットレジン修復の長期安定性には、材料の違いよりも、患者さんのお口の状態や生活習慣、歯科医師の診断・技術など、多くの要因が関係していることが報告されています。
つまり、「高価な材料を使えば長持ちする」という単純なものではなく、「患者さんと歯科医院が一緒になって長持ちさせる治療」であることが分かっています。
コンポジットレジン(CR)とは?
コンポジットレジンとは、虫歯を削った部分に直接詰める白い樹脂製の修復材料です。
コンポジットレジンのメリット
- 歯を削る量が少ない
- 白く自然な見た目
- 1回の治療で終わることが多い
- 比較的費用を抑えられる
- 小さな虫歯の治療に適している
近年では材料の性能が向上し、多くの症例で第一選択となっています。
コンポジットレジンはどれくらい長持ちするの?
今回のレビューでは、5年以上経過を追った33本の研究を解析しています。
その結果、
- 年間の失敗率:0.08%~6.3%
- 生存率:23%~97.7%
- 成功率:43.4%~98.7%
と、大きな幅があることが分かりました。
「えっ?こんなに違うの?」と思われるかもしれません。
実は、この差こそが「材料以外の要因が非常に大きい」ということを示しています。
コンポジットレジンが長持ちする人の特徴
研究では、長持ちするかどうかは患者さん側の要因が非常に大きいことが報告されています。
① 虫歯のリスクが低い
虫歯になりやすい生活習慣がある場合は、どんな材料を使用しても再治療のリスクが高くなります。
例えば、
- 甘い飲み物を頻繁に飲む
- 間食が多い
- 歯磨きが不十分
- 定期検診を受けていない
このような場合は、詰め物の周囲から再び虫歯になる「二次う蝕」のリスクが高くなります。
以前治療したところが取れたなどと話を聞くことがよくあります。
拝見すると、虫歯になっていたり歯ぎしり等で歯が折れていたりしていることが多く見受けられます。
治療をしたら終了ではなく、長く持たせたいのであれば悪習癖や虫歯になりにくい環境と整えましょう。
② 定期的にメンテナンスを受けている
実は、定期検診を受けている患者さんの方が、コンポジットレジンが長持ちする傾向があります。
定期検診では、
- 虫歯のチェック
- 噛み合わせの確認
- 詰め物の状態の確認
- 歯周病の検査
- ブラッシング指導
を行います。
早期に問題を発見できれば、大きな治療を避けることができます。
③ 歯ぎしり・食いしばりが少ない
コンポジットレジンは非常に優れた材料ですが、強い力には限界があります。
- 歯ぎしり
- 食いしばり
- 強い咬合力
がある場合は、欠けたり外れたりするリスクが高くなります。
必要に応じてマウスピースの使用をおすすめすることがあります。
実は「材料の違い」はそれほど大きくありません
患者さんから、
「一番いいコンポジットレジンを使ってください!」
と言われることがあります。
もちろん、材料選びは大切です。しかし、今回の研究では、
「適切に使用されていれば、コンポジットレジンの種類による耐久性の差は小さい」
と報告されています。
つまり、
- 材料
- 接着操作
- 診断
- 治療技術
- メンテナンス
の方が、長期的には重要なのです。
歯科医師の診断も非常に重要です
同じ虫歯でも、
- コンポジットレジンが適している場合
- セラミックが適している場合
- 被せ物が必要な場合
があります。
例えば、
コンポジットレジンが向いている症例
- 小さな虫歯
- 前歯の小さな欠け
- 歯をできるだけ削りたくない場合
セラミックが向いている症例
- 大きな虫歯
- 強い咬合力がある
- 長期間の安定性を重視したい場合
無理にコンポジットレジンで治療をすると、かえって寿命が短くなることがあります。
大切なのは、「その歯に最適な治療法を選ぶこと」です。
コンポジットレジンがダメになる原因
研究で多く報告されている失敗の原因は次の3つです。
二次う蝕(虫歯の再発)
最も多い原因です。
破折・欠け
噛み合わせや歯ぎしりが原因になることがあります。
審美性の低下
長年使用すると、
- 着色
- 変色
- 表面の摩耗
が起こることがあります。
しかし、適切なメンテナンスを行えば、長く使用できるケースも少なくありません。
長持ちさせるために大切なこと
コンポジットレジンを長持ちさせるためには、
患者さんにお願いしたいこと
- 毎日の歯磨き
- フロスの使用
- 定期検診
- 食生活の改善
- 歯ぎしりの管理
歯科医院が行うこと
- 適切な診査・診断
- 精密な接着操作
- 噛み合わせの調整
- 定期的な経過観察
- 必要に応じたメンテナンス
この両方がそろって初めて、コンポジットレジンは長く機能します。
やまのうち歯科医院のコンポジットレジン治療
やまのうち歯科医院では、「できるだけ歯を削らない治療」を大切にしています。
コンポジットレジンは、歯を守るための非常に優れた治療法ですが、「とりあえず白く詰める」治療ではありません。
当院では、
- 虫歯のリスク評価
- 噛み合わせの確認
- 歯周病の検査
- 患者さんの生活習慣の確認
- 長期的な予後を考えた診断
を行ったうえで、患者さんにとって最適な治療法をご提案しています。
宇都宮市で白い詰め物の治療をご検討の方へ
コンポジットレジンの寿命は、材料だけでは決まりません。患者さんのお口の環境や生活習慣、そして歯科医師の診断と技術によって大きく変わります。
「少しでも歯を削りたくない」「長く自分の歯を残したい」「白く自然な治療を受けたい」とお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
やまのうち歯科医院では、治療したその日だけでなく、10年後、20年後も患者さんのお口の健康を守ることを目標に、一人ひとりに合わせた治療をご提案しています。
白い詰め物を長持ちさせるために、一緒にお口の健康を守っていきましょう。