栃木県歯科医師会 学術会議
宇都宮市兵庫塚町の歯医者 やまのうち歯科医院の山之内です。
11月3日に行いました栃木県歯科医師会学術会に参加しました。
コロナウィルス感染状態は、減少傾向になっていますが、
決定時は、緊急事態宣言下にあったので今回は、ウェブを使用した学術会となりました。
ウェブにての会議は、初めてのことでしたが、何度も調整を重ねた結果
300人ほどの参加者が事前登録する大きな学術会になりました。
18人ほど発表されたのですが、スムーズに進んだように感じました。
内容もためになるものが多く、
骨粗しょう症の服用に対する顎の腐骨(骨が腐ってしまう)に対する処置の内容は、
現在日本では問題になっていることなので非常にためになりました。
ご高齢者の場合、多数の薬の服用して、注射薬の骨粗しょう症治療の場合、お薬手帳に記載されない場合もあります。
その際、抜歯をしてもしなくても顎骨壊死はすることがあり、
抜歯をするということは、その部位がすでに感染していた可能性が高い
済生会と宇都宮歯科医師会の連携で、抗がん剤治療や放射線治療、外科治療前にお口の中の環境を整えてから
医科的治療を行うと入院期間の減少や、肺炎症状の減少なども認められる
摂食嚥下といった日常必須な栄養の摂取の仕方、
嚥下調整食についてのの理解を深める研修や食形態調整の講演もありました。
摂食嚥下能力が低下により、被せ物等の誤飲誤嚥の治療について
ほとんどが、胃や小腸に落ちることが多く、
違和感や苦しい感じがあるときはすぐに確認したほうがいいですよ。
場所の確認をして必要があれば、内視鏡で撤去できますし、
位置によっては経過観察することもあります。
歯科治療に関することも多くありますが、
口腔外科やお口の中の病気全体に関する内容が多く発表されました。
普段、遭遇しないような内容や症例もあり、しかしながら、遭遇する可能性がある例などもあり、
遭遇しても慌てないで対応できるように、こういった症例も見ることは大切です。
インプラントを行う際に、上顎洞と言われる空洞に粘液貯留嚢胞と呼ばれるものがある場合、
その場所にインプラントを埋めなければならない場合、前もって内容物を除去する必要があります。
除去後、安定したところでインプラントを埋めるという治療を行った多数の例がありました。
硬化性骨炎と言って、根尖性歯周炎の一種で根の周囲に骨が増殖が生じる骨硬化性病変です。
長期に渡って弱い刺激が加わる慢性炎症が原因となるといわれています。
若年者の下の奥歯にみられることがあります。
中高年者の下顎無歯顎部にみられ自覚症状はすくなく、気が付かれないこともあります。
栃木市衛生士会で、学校巡回歯磨き指導を実施してきましたが、ライオンの歯科衛生研究所が事業より撤退することとなったそうです。
旧栃木市及び歯科医師会と歯科衛生士会が事業を継続を続けることとなりました。
令和 2 年は COVID-19 により中止となり、令和 3 年はカラーテスター、口腔内での歯磨き指導はできないため、
新しい媒体を作成し「噛むことの大切さ」について話をしたそうです。
栃木県全体で、子供のお口の健康から、高齢者に対しての栄養について、外科治療や一般治療の特殊な治療に関してまで実に幅広い範囲での学術会議でした。
午後には、根の治療についてと歯の破折の治療についての講演でした。
基本的には、歯根破折した歯は抜歯となります。
以前にも、破折した歯に対する治療はあります。
ほとんどは、外科的に行うもので今回の治療も外科的な治療を行こととなります。
以前の破折に対しての治療は、破折部分だけを接着させ周囲を研磨して行うようにしていました。
今回の破折した歯に対する治療は、破折した部分をぎりぎりまで削り、歯の中身をほとんど詰め物とコの字型下ワイヤーとレジンで埋めていくという考えです。
詰め物は、現在象牙質と呼ばれるものと硬さが近くなってきており、大きく削ることにより、接着面を大きくし接着面を広げることにより
歯と詰め物を一体型にして折れにくいようにしているようでした。
ただし、この治療は長期予後はまだわかりません。
長いものでも現在5年程度しか予後を見ていないので、どれくらい持つのか生存率もどの程度なのかは、これからわかってくると思います。
歯が折れてしまったけど、どんなことをしても歯は抜きたくないときにはこの治療も選択肢の一つになると思います。
学会は、すぐに役に立つものあれば、すぐに役立つものもありした。
皆さんに還元できるようこれからも研鑽したいと思います。
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