コラム 予防治療 矯正 矯正治療
2025年01月14日

永久歯が生えるまでの咬合誘導について

栃木県宇都宮市兵庫塚町の歯医者 やまのうち歯科医院の山之内です。
矯正治療にも様々な方法があります。

今回テーマにするのは、3Dリンガル、クアドリヘリックスを使用した治療法です。

この考え方は、一般的な考え方のものと経験則でのお話も含まれているのでEBMというよりNBM
永久歯列完成期までの咬合誘導
反対咬合の早期治療
反対咬合は早いうちから治す
反対咬合があったら、スペースの問題や叢生は後にして、まず反対を治す

3歳くらいまでは、脳の発達途中なので、4~5歳から始めることが多いといわれていますが、個人差がありますので担当の先生に聞いてみましょう。
そのときに使用するのはムーシールド等を使用することが多いようです。
しかしながら、使用するにもコツがいりますし、正しい使用法と滋養時間を守らないと効果は出ません。
反対咬合の乳歯列は、chin cap はで改善させることもあります。
チンキャップをするかどうかには、前歯部の咬耗状態を診るとのことです。
しかし、文献上ではchin capでの効果はないという文献もありキャップ部分が下顎歯列を押し込んで内側に行くことによって改善するのではないかとの考察もあります。
反対咬合を治す時や治している途中、保定のときや終了してからも舌と舌小帯を見るのを忘れないようにとのことです。
早い時期での反対咬合を治す時や治している途中では、乳犬歯の逆誘導に対するバイトチェックを忘れると治りが遅いようです。

被蓋が深い反対咬合でchin cap使用のとき、臼歯の咬合面にレジンをかませた状態でのバイトプレート(テンプレート用のもの)を使用してよいとのことです。
上顎での前歯を前方へ出す装置は。プレート・リンガルアーチ・3Dクラドヘリクスで出来るとのことですが、それぞれの装置については、プレートは着脱式なので使用してもらわないと効果がないし治りが遅いようです。
3Dリンガルアーチ・3Dクラドヘリクスは舌側に取り付けなので見えないし、治療効果も速いようです。
特に3Dクラドヘリクスが速いようです。
chin capをハイプルに引く方法も利用すると、水平的に反対側が直ったとき、被蓋の浅い症例によっては、少しでも被蓋を深くして咬合を安定させることが出来るとのことでした。
上顎中切歯が萌出を完了し、上下第一大臼歯が半萌出以上になり、その基準が出来てからの構成咬合が可能であれば、F.K.O(アクチバートル)で攻めましょうとのことです。
この時の構成咬合は、前歯が切端で噛めて、上下臼歯間が開かなくてはならないとのこと。
構成咬合のバイトを採る際は、上下前歯切歯間距離を2~3mmあけることも大事なことです。
F.K.O(アクチバートル)は使用しやすい様に、床縁はなるべく小さくする(特に下顎)ように。
F.K.O(アクチバートル)調整のとき、絶対に大臼歯の咬合面に相当するレジンを削ってはなりません。(半萌出で、萌出途中であっても)
F.K.O(アクチバートル)使用中において、前歯切端で咬合したときに、臼歯が噛んでしまったら、その時点で目的が達成されていなくてもF.K.O(アクチバートル)の使用を中止し、chin capへ移行するか、次回に移行するか考えなければならない。
EBMというより、ナラティブベースドメディシン(Narrative-Based Medicine)に近い考え方ですね。
このアプローチでは、患者の個別の物語や経験を重視し、それを医療の決定や治療計画に組み込むことを目指す方法です。

顎骨の成長(あごの成長)と歯列の成長は異なるという考え方です。

オーバージェットが大きいほど難しいようです。
オーバーバイトが大きいほど楽、小さいと後戻りしやすいとのことです。
最もチェックすることは、上下乳犬歯、Cの前方誘導をチェックするとのこと。
永久歯列完成期までの咬合誘導について。

咬合誘導の目的は

非抜歯に持っていく努力をする。
基本、下顎は抜歯しないようにとの考え方です。
下顎前歯部は後で治すので問題ないので臼歯の咬合関係から改善させましょうとのことです。
おしゃぶり指しゃぶりはやめさせたほうがいいのは3歳以上という考え方です。
舌の力や口腔周囲筋のトレーニングのために使わせましょうとのことです。
外的要因は、長時間のおしゃぶり、噛み癖、態癖、睡眠態癖などがあります。

矯正装置は、なるべく単純で簡単な装置を使用使用するのは、患者も術者を楽であるようにする
3歳までの咬合誘導
哺乳瓶の穴は小さく
哺乳瓶は寝た姿勢では使用させない
生後2歳くらいまでは『指しゃぶり』をさせるほうがいいとのこと。
おおよそ、3歳までにやめさせればいい。

口腔内に『積極的な咬合誘導』の装置が装着される。
4歳以上交叉咬合がなければ、ほとんど6歳以上で 上顎61 16 下顎 621 126 までは、キシリトールガムを噛ませて、口腔周囲筋のトレーニングを行う。
矯正前に上下前歯部のレントゲン撮影、歯根吸収の有無、している場合は舌で押している可能性があるので、習癖の改善を行いましょうとのことです。
根未完成の歯牙は垂直的力をかけない。
成長期には頬側にブラケットをつけないとの考え方です。
外側に向かって成長するのを阻害するし、歯根が完成していないのに力をかけると歯根吸収を起こすことがあるとのことでした。
2級で顎間ゴムはいいが、3級で顎間ゴムをかけるのはスペースをつけてから行う方がいいとのこと。
3歳までは装置を使用しての治療は極力避けたほうがいいとのこと。
出来ればカリエス処置もしないほうがよく予防治療ぐらいのほうがいいとのことですが、痛みが出たらもちろん行いましょう。
これは、主に3歳までに出来上がる『情緒的な脳の発育』を阻害させないために大切なことと考えているようです。

咬合誘導の第一段階は、反対咬合を直すことにある。
chin capは300~800gくらいの力で行います。
積極的な咬合誘導するなら、下顎はリンガルアーチ 上顎はバックアクション・ナンスのホールディングアーチなどのfull保隙装置が中心とのこと。

積極的な咬合誘導の途中において必要となる、スペースリゲーニングや第一大臼歯の傾斜などを自由に行いたいなら、ウィルソンの3Dシステムが最も簡単で単純で優れている。

スペースリゲーニングの簡単な考え方は、上顎におけるファンタイプの拡大と第一大臼歯の近心捻転の修正であり、下顎におけるEスペースの利用と第一大臼歯の近心傾斜の修正である。

ターミナルプレーンは、将来の歯列のアングル分類を予測するのではなく、スペースリゲーニングがどのように必要か、Full保隙はどのようにするのかを診断するためと言ってます。

大きく口をあけて軟口蓋を舌で押す、口を閉じて触ってみてやわらかいところがわかる部位のところに舌の先を左右に振れさせ、疲れるまでやってもらう。
下顎の6は、舌のストレスによって舌の筋力によって起き上がる。

乳児期0~2.3歳 指しゃぶりや おしゃぶりをさせる

0~3,4歳 矯正装置はさせない、むし歯にさせない

3歳~   ガムをどんどん噛ませていく

幼児期 4~6.7歳

顎の骨が異常になる不正(前歯や奥歯の反対)に積極的に対応を始める
反対咬合のないものにはガムを噛ませる
舌根の筋力つくりの訓練をしていく

学童期 7~12.13歳

舌小帯の未吸収は切るようにしましょうとのこと。
永久歯を寝家内で並べるための誘導をしていく(3D装置を積極的にしよう)
歯列の発育を歯科医が手助けをしましょう。
舌根の筋力作りの訓練を続けるましょう。

中高生以上(12.13歳以上)

歯列は永久歯だけの不整咬合である。一般には永久歯を2~4本抜いて並べますが、舌の筋肉が順調に発達し、それによって歯列が正常に発達していたら『こうなるであろう』という歯列・噛み合わせを目標にしていきましょう。
不整咬合を予防して不定愁訴を予防しましょう。
下顎は、リーウェイスペースが大きいのでEさえ残存していれば咬合誘導できるといわれています。

反対咬合の分類

歯性の反対咬合

  • 上顎前歯の舌側転位または傾斜
  • 下顎前歯の唇側転位または傾斜

顎性の反対咬合

  • 上顎骨の後退または劣成長
  • 下顎骨の前突または過成長

上記要因の合併によるものや上記要因の不明のもの

症例           条件         装置
1.2歯反対咬合      1        切歯斜面板

反対咬合          3        機能的顎矯正装置


下顎前突          6        チンキャップ

条件

  • 下顎前歯はそのままでよいもの
  • 下顎前歯を舌側に入れたいもの
  • 構成咬合位などが可能なもの
  • 歯性であるが、構成咬合位など不可能なもの
  • 顎性と思われるが、構成咬合位など可能なもの
  • 構成咬合など不可能な顎性なもの

切歯斜面板

上顎前歯の1本か2本が口蓋側に傾斜または軽く転移して、それが反対に咬合している症例において、切歯斜面板を使用することによって、その前歯部の交叉咬合は割りと短期間に治すことが出来、後戻りの心配も少ないので、手軽に利用されている。
しかし、なかなか治らないとか切端ま出たが治療期間が長くなって少し開口気味になってしまったなどということもあるので、次の点を注意確認しましょう。歯の移動と障害について
前方に出そうとする方向に対して障害があってはなりません。(スペースはあるか)
かなり専門的な内容ななっていますが、いつ矯正を行うかどのような治療を行うかは口腔内の状態やお子さんの協力によって可否が変わることがあります。

歯科学的内容になりますが、矯正治療と言っても時期や状況によって治療法が異なります。
正しい知識を得て、担当の先生と相談の上決めていきましょう。

矯正治療について気になる方は下記をクリックしてください。
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やまのうち歯科医院

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    みやバス系統さつき団地 雀宮駅~さつき団地~西川田駅東口
    「みどりの一丁目北」下車 徒歩1分
  • 駐車場:8台