【口呼吸と歯・歯周病の深い関係】そのまま放置していませんか?
宇都宮市兵庫塚町の歯医者 やまのうち歯科医院の山之内です。
【口呼吸と歯・歯周病の深い関係】そのまま放置していませんか?
口呼吸と歯周病
呼吸って、実は2種類あるのをご存じですか?
私たちが普段行っている「呼吸」には、2種類あります。
ひとつは体外から酸素を取り込み、二酸化炭素を排出する外呼吸。
もうひとつは、体の細胞レベルで酸素を使ってエネルギーを作る内呼吸です。
このうち、私たちが意識できるのは外呼吸だけ。
そしてその外呼吸には、「鼻呼吸」と「口呼吸」の2つの方法があります。
口呼吸ってなに?実は多くの人が気づいていない
口呼吸とは、「吸う息・吐く息のどちらかを口で行うこと」です。
また、口がぽかんと開いたままになっている「口唇閉鎖不全」も、広い意味で口呼吸の一種とされています。
意外かもしれませんが、ほ乳類の中で常に口で呼吸できるのは人間だけなんです。
これは言葉を話すという進化の結果ですが、便利な一方で、さまざまな問題を引き起こす原因にもなっています。
なぜ口呼吸になるの?原因はこんなにたくさん
口呼吸になる背景には、いくつもの要因が絡み合っています。
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柔らかい食べ物が増え、口の周りの筋肉が弱くなる
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アレルギー疾患(花粉症・アレルギー性鼻炎)によって鼻呼吸がしづらい
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口遊び(口笛・風船など)の減少
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長時間のスマホやゲームで集中 → 無意識に口が開く
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就寝中のいびきや無呼吸
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急激な気温変化による鼻の粘膜の反応(血管作動性鼻炎)
特に近年は、子どものうちから口呼吸になっているケースが増えていると言われています。
口呼吸が歯や歯並びに与える影響
口呼吸には、次のような歯にとって悪影響があることがわかっています。
● 唾液が減って口の中が乾燥
唾液には殺菌・洗浄・再石灰化といった重要な役割があります。
しかし口呼吸をすると、唾液の分泌量が減り、虫歯や歯周病が進行しやすい環境になってしまいます。
● 酸性度が高まり、歯の表面が弱くなる
乾燥した口腔内ではpHが下がり、歯のエナメル質が溶けやすくなります。
● 舌の位置が低くなり、歯並びが悪くなる
舌が本来の位置(上あご)にないと、上あごの発育が阻害されてしまい、**出っ歯・ガタガタな歯並び(叢生)**などの原因に。
口呼吸と歯周病の深い関係
口呼吸は、歯周病のリスクを大きく高めることが知られています。
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唾液の殺菌・自浄作用が低下
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乾燥により歯垢(プラーク)がたまりやすくなる
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舌の位置が下がることで、清掃しにくい歯列に
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ストレスや睡眠不足も免疫低下につながり、歯周病が進行
つまり、口呼吸 → 乾燥・炎症 → 歯周病 → さらに口呼吸しやすくなるという悪循環が起こってしまうのです。
口呼吸を改善するには?
口呼吸に気づいたら、以下のような対策をおすすめします。
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歯科医院での早期相談
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唇や舌のトレーニング(MFT=口腔筋機能療法)
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鼻呼吸の習慣づけ
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睡眠時のマウスピース・口閉じテープの活用
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アレルギー症状の改善
そして、定期的な歯科検診や丁寧な歯みがきを習慣化しましょう。
お口の環境を整えることが、口呼吸の改善と歯周病予防につながります。
まとめ|口呼吸に気づいたら、まず歯科へ相談を!
口呼吸は放置しておくと、歯並びの悪化・虫歯・歯周病・口臭・睡眠の質の低下など、全身の健康にも影響を与える可能性があります。
「なんだか最近、口が乾くな」「寝てるとき口が開いてるかも?」と思ったら、それはサインかもしれません。
まずは歯科医院で、口腔内と呼吸の状態をチェックしてみましょう。
小さな変化のうちに気づいて対応することが、未来の健康を守る第一歩になります。
詳しく知りたい方は、担当の先生に聞いてみてはいかがでしょうか。
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