チューインガムによる口腔健康の効果
今回は、ガムについて書いていきたいと思います。
チューインガムには、以下のような効果があります。
- 口臭予防:チューインガムに含まれる香料やミントなどの成分が口臭を抑える効果があります。
- 唾液分泌促進:チューインガムを噛むことで、唾液の分泌が促進されます。唾液には口内を清潔に保ち、歯の再石灰化を促す成分が含まれているため、歯の健康維持に役立ちます。
- ストレス軽減:チューインガムを噛むことで、ストレスが軽減されるとされています。噛むことで、脳が刺激され、リラックス効果が得られるためです。
- 集中力アップ:チューインガムを噛むことで、脳が酸素や栄養素をより多く取り込むことができ、集中力がアップするとされています。
- 歯周病予防:チューインガムを噛むことで、歯周病の原因となる歯垢を除去することができます。
ただし、チューインガムには糖分を含むものが多く、虫歯の原因になることがあるため、キシリトール入りガムを使用し、歯磨きをしっかり行うように注意する必要があります。
また、噛むことによって顎関節に負担がかかることがあるため、長時間噛み続けることは避けるべきです。
歯科でガムというとキシリトール入りガムを思い浮かべるかもしれません。
虫歯を予防することはできませんが、虫歯にしにくいものとしてキシリトールガムはいいと思います。
今回は、普通のガムをかむだけで手術の術後をよくする文献があります。
腹部の術後は、手術ストレスによる交感神経系の活性化、腸管の空気への暴露や摩擦によってサブスタンスPや消化管ペプチド、一酸化窒素、さらには炎症性サイトカインやケモカインの活性化などが関与して、腸管の動きが著しく低下することが知られています。
術後の腸管の機能不全によって腸閉塞を起こし、最悪の場合には腸管内で細菌が増殖して敗血症を起こすこともあるといわれています。
こうした術後合併症を、チューインガムを使って効果的に予防する研究が多くの施設で行われており、チューインガムは概して恩恵をもたらすことがわかっています。
大腸手術を受けた患者244人を対象に、手術翌日からチューインガムを1日3回噛む群と、ガムを噛まない群で比較した試験では、手術部位、悪性疾患か否か、術式(開腹手術か腹腔鏡手術か)などのさまざまな因子を考慮しても、術後の放屁までの時間が14時間、排便までが25時間短縮しており、入院期間は26時間短縮しているというデータがあります。
そのメカニズムは、疑似餌作用にあると考えられており、チューインガムを噛むことによりガストリンやニューロテンシンの消化管ホルモンの放出が盛んになることで、消化管機能の早期の回復につながると考えられています。
他にも、子宮摘出などの産婦人科系の術後においても、チューインガムを噛むことで、最初の放屁や排便までの時間が有意に短縮するといった報告もあります。
さらに最近は、ガムを新しい薬剤デリバリーの手段として考えられた「医療用ガム」にも注目が集まっています。
ガムは水分をほとんど含まないので、薬剤の変性を最小限に抑えられ、菌の増殖などの不安も少ないといわれています。
ガムの性質や薬剤の量を調整することで、絶好の条件が作れるように研究が進められています。
最初に発売された医療用ガムは、Aspergumという製剤で、アスピリンを含んでいたようです。
禁煙治療用のニコチンを含んだガムをはじめ、鎮痛剤やホルモン剤なども可能性があるようです。
ガムは、今後さらに医療への応用がされていきそうです。
以上ガムについてのお話でした。
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