ジルコニアは相手の歯を削る?実は研究では「歯にやさしい被せ物」と考えられています
「ジルコニアってすごく硬いんですよね?」
診療中によく患者さんからいただく質問です。
確かにジルコニアは非常に硬い材料です。
そのため、
「硬いなら噛み合う歯も削れてしまうのでは?」
と心配される方も少なくありません。
しかし、最新の研究では、そのイメージは少し違うことが分かってきました。
実は適切に研磨されたジルコニアは、天然の歯(エナメル質)をあまり削らない材料であることが、多くの研究で報告されています。
今回は、歯周病専門医として、被せ物選びで知っていただきたい「ジルコニアの本当の特徴」をわかりやすくご紹介します。
被せ物選びで本当に大切なのは「長持ちすること」だけではありません
被せ物には、
- 見た目
- 強度
- 虫歯になりにくさ
- 清掃性
- 歯ぐきとの相性
など、さまざまな要素があります。
しかし、忘れてはいけないのが
「噛み合う相手の歯を守ること」
です。
どんなに丈夫な被せ物でも、
相手の歯を削ってしまっては意味がありません。
ジルコニアはなぜ「歯を削る」と言われてきたのでしょう?
ジルコニアは人工ダイヤモンドに近いほど硬いセラミックです。
そのため、
「硬い=相手の歯を削る」
と思われていました。
これは昔の歯科でも広く信じられていました。
ところが現在では、
歯が削れる原因は「硬さ」ではない
ことがわかっています。
実際に歯を削る原因は「ザラザラ」
例えば
紙やすりを想像してください。
紙やすりは鉄より柔らかいですが、
木を削ることができます。
逆に
鏡のようにつるつるした鉄では、
木はほとんど削れません。
歯も同じです。
重要なのは
硬さではなく、表面の滑らかさ(表面粗さ)
なのです。
最新研究で分かったこと
2014年に発表されたシステマティックレビューでは、
世界中の研究をまとめて解析しました。
その結果、
すべての研究で、研磨されたジルコニアは対合する天然歯の摩耗が少ない
という結果でした。
さらに研究者は、
フルジルコニア修復物は十分に研磨して使用することを推奨する
と結論づけています。
つまり、
「ジルコニアだから削れる」
のではなく、
「仕上げがきれいなジルコニアは歯にやさしい」
ということなのです。
グレーズより研磨が大切
以前は
ジルコニアの表面に
「グレーズ」
というガラスのコーティングをすることが一般的でした。
しかし、
グレーズは数か月〜数年で摩耗します。
すると、
表面がザラザラになり、
逆に歯を削る原因になることがあります。
現在では、
多くの補綴専門医が
最終研磨
を重視しています。
研磨されたジルコニアは、
非常になめらかな表面になります。
その結果、
噛み合う天然歯への負担が少なくなるのです。
ジルコニアのメリット
ジルコニアには、
歯にやさしいだけでなく、
多くのメリットがあります。
強度が高い
奥歯でも安心して使用できます。
金属を使わない
金属アレルギーの心配がありません。
汚れが付きにくい
細菌が付着しにくいため、
歯周病リスクの軽減も期待できます。
見た目が自然
近年のジルコニアは透明感が向上し、
天然歯に近い色調を再現できます。
長期間安定しやすい
適切なメンテナンスを行えば、
長く使用できる材料です。
ジルコニアにも注意点があります
もちろん、
すべての症例でジルコニアが最適というわけではありません。
例えば、
前歯では
透明感を重視して
e.max(リチウムジシリケート)などが適している場合もあります。
また、
噛み合わせや歯ぎしりの有無、
残っている歯の量によっても、
適した材料は変わります。
そのため、
患者さん一人ひとりに合わせた診断が重要です。
やまのうち歯科医院では
当院では、
CTや口腔内スキャナーを活用し、
噛み合わせや歯の状態を詳しく診査したうえで、
患者さんに最適な材料をご提案しています。
奥歯では、
強度・耐久性・対合歯へのやさしさなどを総合的に考え、
研磨仕上げのモノリシックジルコニアを第一選択としてご提案することが多くあります。
もちろん、見た目を重視する前歯などでは、ほかのセラミックをおすすめする場合もあります。
よくある質問(FAQ)
Q. ジルコニアは硬いので相手の歯を削りませんか?
いいえ。現在の研究では、適切に研磨されたジルコニアは天然歯の摩耗が少ないことが報告されています。
Q. 保険の白い被せ物との違いは?
自費診療のジルコニアは、強度や耐久性、適合性、審美性に優れており、長期的な安定が期待できます。
Q. ジルコニアは一生もちますか?
どの材料にも永久保証はありません。定期検診やメンテナンスを受けることで、より長く快適に使用できます。
宇都宮市でジルコニア治療をご検討の方へ
被せ物は「白ければ何でも同じ」ではありません。材料の特性や仕上げの質によって、長持ちしやすさや噛み合う歯への影響が変わります。
やまのうち歯科医院では、患者さんのお口の状態やご希望を丁寧に伺い、エビデンスに基づいた材料選択をご提案しています。
**「できるだけ歯を長く残したい」「自然で長持ちする白い被せ物を選びたい」**という方は、ぜひお気軽にご相談ください。あなたのお口にとって最適な治療法を一緒に考えていきます。
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