日本障害者歯科学会 認定医取得しました
栃木県宇都宮市兵庫塚町の歯医者 やまのうち歯科医院の山之内です。
皆さんのご協力もあり、日本障害者歯科学会の認定医取得いたしました。
10月15日に日本障害者歯科認定医試験と症例発表及び口頭試問に行ってきました。
11月11日に、日本障害者歯科学会にて発表がされました。
午前中の診療が終了した時に、一緒に受けたH先生から「合格おめでとう」メールが入っていました。
これで受からなかったら、担当した先生に理由を聞こうと思ったくらいなのでほっとしました。
認定医になったからと言って診療内容は大きく変わりませんが、これからは認定医として診療だけではなく障害のある人のサポートができるような体制作りを多職種連携をしながら行えたらと思っています。
やまのうち歯科医院は、歯周病専門医と障害者歯科の認定医を取得した歯科医院となりました。
また、委員としても歯の健康センターのさらなる充実も図っていこうと思っています。
同時期に受けられた栃木県の先生も合格し、栃木県の障害者歯科の層の厚みができつつあると思われます。
認定医や専門医を取得するには、学会によってさまざまな条件があります。
非常に簡単なものもあれば、取得するのが狭き門の場合もあります。
学会に入会し何年か出席を得て試験で合格すればいい簡単なものもあれば、学会に入会し施設にて研修を何年か研修し学会に出席、学会発表や論文を行い、治療が終了した症例を何症例もまとめ、それらが合格した後、先生方の前で症例発表と口頭試問をおこない合格するといったものもあります。
インターネットで公告ができることができる専門医や認定医などは、取得するのが困難な場合が多く、取得した後も定期的に更新しなければならなく、研修や学会発表をし続けなければなりません。
ちなみに、障害者歯科学会で認定医を取得するには以下の条件が必要になります。
1) 日本国歯科医師あるいは医師の免許を有する者とあり、すでに取得されている方が入るので問題ないと思います。
2) 認定医の申請時において会員であり,かつ申請時点で通算3年以上の学会会員歴を有する者とあり、これも簡単にとることができます。
3) 第9章の規定によって定めた認定医指導医の下で,第7章に定めた診療施設において,第8章に定めた障害者歯科の臨床経験を細則の定めに従って修了した者とされています。
栃木県であれば、栃木歯の健康センターにて定期的に治療および研鑽を行い、一定数の症例を経験し記載する必要があります。
4) 申請時より遡って3年以内に公益社団法人日本障害者歯科学会学術大会に出席した経験を持つ者とあり、出席すればいいことなので簡単に取得できます。
5) 本学会の定める,実習を含む救急蘇生講習会を受講した経験を持つ者も、全国で行われている講習会なのでこれも簡単に取得できます。
6) 日本障害者歯科学会学術大会での発表または日本障害者歯科学会雑誌への論文掲載の経験を持つ者とあり、論文は難しいですが、学会発表は日常臨床を行っている歯科医であれば行うことはさほど難しくはありませんが、慣れていない方は難しいかもしれません。
以上のことを申請し、指導医の元内容を修正し学会に提出されます。
内容が精査され、合格になるとテスト及び口頭試問が一日かけて行われます。
学会より診査が通ることができれば、合格となり認定医取得となります。
合格した後も、学会発表や研修施設での研鑽、学会への出席、倫理委員会の講習、認定制度の講習等を受け続ける必要があります。
認定医や専門医がいいという風潮があるのは、取得してからも研修や研鑽を続けなければならないからです。
歯科医師免許は、一度取ったら更新する必要はありません。
しかしながら、学会で認められた認定医や専門医は、定期的な専門医の講習、倫理の講習、機関での研鑽、学会発表や論文などを定期的に行う必要があります。
すべての学会がそのようなものではありませんが、標榜できる専門医などでは厳しく規定がされています。
2023年には、日本補綴学会の専門医が標榜できる学会になりました。
他の学会も、標榜できる専門医制度を申請できるよう申請している最中だそうです。
日本障害者歯科学会認定医とは障害者へ歯科医療を提供するために必要な臨床経験、知識と技術そして障害に対する理解を有していることされており、また歯科医療の立場から福祉との連携をとりながら障害者の社会生活や日常生活を支援することとされています。
障害者歯科(Disability Dentistry)は、身体的、知的、発達上の障害を持つ患者の口腔健康の診療とケアに焦点を当てた歯科領域です。
現在は、special needs dentistryと呼ばれ、障害(児)者・高齢者を対象とした特別支援歯科治療部門、 摂食嚥下リハビリテーション部門が、それぞれの臨床に関わる問題の抽出とその解決に関することも行っています。
教員および医員は、 障害者・高齢者の口腔疾患および摂食嚥下障害に関すること、個々の症例に関する報告および診断や治療に使用する関することも含まれます。
障害者歯科は、特別な配慮が必要な患者に対する歯科医療および歯科ケアの提供に関連し、以下のような重要な要素を含みます。
- 個別化されたケア: 障害者歯科では、患者の障害の種類や程度に応じて、個別に設計されたケアプランが必要です。患者の特別なニーズを理解し、それに合わせた治療とケアを提供します。
- コミュニケーションの支援: 障害者歯科の患者は、コミュニケーションの障壁がある場合があります。歯科医師や歯科衛生士は、患者との効果的なコミュニケーション手法を確立し、患者の意思決定に対応する方法を取ります。
- 配慮: 障害者歯科は、患者が恐怖や不安を感じる可能性があるため、特に配慮にかけたアプローチが求められます。
- プリベントアクション: 障害者歯科では、口腔の健康を維持するための予防的なアプローチが重要です。これには、定期的な歯科検診、歯石の除去、虫歯予防のためのフッ化物処置などが含まれます。
- バリアフリー設計: 診療所や歯科設備は、身体的なアクセシビリティに配慮したバリアフリーな環境を提供する必要があります。車椅子の患者や移動が難しい患者に対応できるように設計されていることが重要です。
患者さんが口腔健康を維持し、歯科問題を治療する際の特別な配慮が必要な場合に役立ちます。
患者さんの口腔の健康を最優先に考え、適切なケアを提供するために教育とトレーニングを受けることが一般的になります。
ほとんどの方が必要ないと思われる分野ですが、対象年齢が非常に広く、小さいお子さんからご高齢の方までの範囲となります。
先天的な疾患もあれば、後天的な疾患、事故や病気により身体等に障がいがある場合も対象となります。
知的能力障害の方は、50万人以上、身体に障害がある方は、350万人以上、精神疾患を有している方は、300万人以上いるといわれています。
非常に多くの方が、対象となっておりお口のトラブルを抱えています。
お口の健康を維持できるような歯科医院になれるよう研鑽していきたいと考えています。
スペシャルニーズ歯科を専門に取り扱っている、2次医療施設の歯の健康センターについて気になる方は下記をクリックしてください。
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