歯科Q&A 飲み薬について

宇都宮のやまのうち歯科医院 山之内です。

今回は、抜歯後の投薬についてです。

抜歯後の抗菌薬予防投与に関する文献はそれほど多くありません。
また、「予防投与が智歯の抜歯後感染発症率を抑制した」と結論づけているものもあれば、
「予防投与は親知らずの抜歯後感染発症率に影響しなかった」と逆に結論づけているものもあります。
文献によって結果が変わるのでなおさら混乱します。
ただし、抜歯が誘因となって蜂窩織炎やガス壊疽といった、重症感染症を発症させたとしている報告もあります。
その中では重症感染症を発症したうちの79%は基礎疾患がなく、部位別では上顎の抜歯後約12% が、下顎の抜歯後約88%がに重症感染症を発症し、下顎抜歯のうち約56% が親知らずの抜歯が誘因となっています。
わずかなデータですが、抜歯後感染を発症させれば重症感染症に発展させてしまうこともあり、以上から、基礎疾患の有無に関わらず、抜歯後の感染予防投与は必要であると考えられます。
感染症の先生から見ると、最も怖いのは細菌性心内膜炎であり、感染するのは術中なのだから抜歯前30~60分前に服用するだけで、感染予防投与は意味がないと考える方もいらっしゃいます。
上記にもありますが、病気がない方でも部分的な骨の炎症や壊死などの局所的増悪があるので、術中のコントロールだけでは、感染性心内膜炎を防いでも術後の局所的感染は防いでいません。
では、実際に行うならどうするかについてですが投与期間は通常の抜歯なら 2 ~ 3 日でよく、感染を確認した時点で治療薬に切り替えるほうがいいとされています。
投与のタイミングは,抜歯の約60分前に初回分の抗菌薬内服の開始が望ましいといわれ、

以降は抗菌薬の投与方法にきりかえるそうです。
また、 3 日以上の予防抗菌薬投与は、 2 日以内と比較して耐性菌発生リスクが高率になるといわれています。
予防抗菌薬は耐性菌出現などの影響が大きいことを考慮に入れておく必要があるので、抜歯後感染予防の投与期間は 2 日以内を推奨と言われています。
ただし、基礎疾患の有無や抜歯する歯の状態、部位によって結果が変わります。
全身疾患がある方や喫煙者も予後不良になる可能性が高いので、抜歯後は、しばらく喫煙したほうがいいかもしれません。

薬が嫌いだから勝手に休薬すると、症状が悪化し、長期投与になる可能性があるので気を付けたほうがいいかもしれませんね。
薬の服用については、ご自分で判断せず心配なら担当の先生とよく相談の上決めましょう。

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親知らず

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