歯科9学会の共同声明 加熱式タバコに関する注意喚起

宇都宮市兵庫塚町の歯医者 やまのうち歯科医院の山之内です。

加熱式たばこによる歯科の学会の声明について書いていきたいと思います。

歯科9学会合同脱タバコ社会実現委員会は1月7日、新型タバコ、とくに加熱式タバコに関する注意喚起として共同声明を発表しました。
歯科9学会合同脱タバコ社会実現委員会とは、日本顎顔面インプラント学会と日本口腔インプラント学会、日本口腔衛生学会、日本口腔外科学会、日本口腔腫瘍学会、日本口腔内科学会、日本歯周病学会、日本有病者歯科医療学会、日本臨床歯周病学会といった歯科の9学会によって構成された委員会です。
2019年の国民健康・栄養調査によると、喫煙者の4人に1人が加熱式タバコ(アイコス、プルーム・テックなど)を使用しているとのことです。
また、このうちの約24%が紙巻きタバコとの併用者とのことです。
しかし、タバコ会社による広告やプロモーションの中には、「加熱式タバコは安全である」と誤認させるような事例があることから、委員会は、国民の口腔と健康を守る専門家として看過できないと判断しました。
そして今回、加熱式タバコ等新型タバコについての注意喚起情報を参加学会の会員に提供する運びとなったそうです。
その内容は下記のようです。

1.加熱式タバコには多くの有害化学物質が含まれている

加熱式タバコは、タバコの葉を加熱して発生させたエアロゾルを吸引するタバコ製品です。
加熱式タバコのエアロゾルには、紙巻きタバコの煙と同様に、ニコチンや発がん性物質等の有害化学物質が含まれています。
また、喫煙者が吐き出すエアロゾルにも発がん性物質が含まれるとのことです。

2.紙巻きタバコと比較して加熱式タバコの健康影響が少ないかどうかは明らかではありません

加熱式タバコは、市場に登場してからの歴史が浅いことから、長期的な健康影響について明らかになっていません。
これはお口への影響についても同様です。
短期であれば、歯周病に関与は低いとされていますが、研究はまだまだ始まったばかりです。
加熱式タバコの使用は、紙巻きタバコと比較して、ニコチン以外の主要な有害化学物質の曝露量は少なくなるかもしれません。
これは、有害化学物質の曝露に安全域というものはなく、現時点ではタバコ関連疾患のリスクが減る、すなわちハームリダクションに有効であるという科学的根拠はないといわれています。
ハームリダクションとは、その使用を中止することが不可能/不本意である精神作用性のあるドラッグの使用に関連するダメージを減らすことを目的とした政策・プログラム・ その実践のことだそうです。
タバコの葉を使用せず、蒸気を愉しむ製品である電子タバコは、加熱式タバコに先行して流行し、口腔をはじめとする健康被害の情報が蓄積されてきています。

3.加熱式タバコの使用は禁煙を阻害する可能性があります

加熱式タバコには、紙巻きタバコとほぼ同量のニコチンが含まれています。
したがって、紙巻きタバコから加熱式タバコに完全に切り替えたとしても、タバコへの依存が持続するため、禁煙することは困難となります。
電子タバコ(タバコの葉を使用せず、蒸気を愉しむ製品)には「禁煙効果がある」という報告が一部にありますが、そもそも加熱式タバコはタバコの葉を使用した製品であるため、ニコチン依存の人の禁煙の意思を低下させて、喫煙の継続を長引かせることにつながります。

以上が歯科9学会の意見となります。
まとめとして
今のところ、加熱式たばこであれば問題ないというわけではないので、加熱式たばこだから問題ないというわけではありませんので、使用する際は気を付けてくださいということです。
たばこによる害について気になる方は、下記をクリックしてください。
たばこを吸っている人の歯周病の回復の違い

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