歯の数と健康寿命や病気のリスクについて

栃木県宇都宮市の歯医者 やまのうち歯科医院の山之内です。

歯の数と健康寿命や病気のリスクについて書いていきたいと思います。

一般的には下記のことが言われていますが、関係性や統計などの詳しい研究は多くありません。

歯の数や口腔健康は全身の健康に影響を与えることがあります。
以下に、歯の数と健康寿命や一般的な病気との関連についていくつかのポイントを挙げます。

  1. 栄養と消化への影響: 歯は食物を噛むために不可欠です。十分な歯がない場合、食物を効果的に噛むことが難しくなり、栄養の摂取が不足しやすくなります。良好な栄養は全身の健康に寄与します。
  2. 言語とコミュニケーション: 歯がない状態や歯の不具合は発音や言語の問題を引き起こす可能性があります。これは社会的な相互作用やコミュニケーションに影響を与えることがあります。
  3. 心血管疾患: 歯周病が進行すると、細菌が血流に入り込む可能性があり、これが心血管疾患と関連することが示唆されています。歯周病の予防と治療は、心血管健康の一環として考えられています。
  4. 糖尿病: 口腔の炎症や感染は、糖尿病のコントロールを難しくする可能性があります。逆に、糖尿病が進行すると、口腔健康が悪化しやすくなることがあります。
  5. 認知症: 一部の研究では、歯周病と認知症との関連が示唆されています。歯周病が進行すると、炎症反応が全身に広がり、認知機能に悪影響を及ぼす可能性があります。
  6. 免疫機能: 口腔は免疫機能の一環として機能し、歯周病などの炎症が免疫応答に影響を与えることがあります。免疫機能の低下は全身の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

定期的な歯科検診と適切な口腔ケアは、これらのリスクを軽減し、全身の健康をサポートするのに役立ちます。
歯の数や口腔健康が良好であることは、健康寿命を維持し、一般的な病気のリスクを低減するのに寄与します。
以上が一般的に言われている、歯の欠損と全身的な影響の考え方になりますが、統計や研究といった部分になると十分でないといわざる負えません。
今回は、東京医科歯科大学は9月20日に、口腔の健康状態と死亡がもっとも頑健な関連性を示すことを発表しています。
このことにより、残存歯数が死亡リスクと強く関連することなどが明らかになりました。
この研究は、東京医科歯科大学大学院健康推進歯学分野講師の木野志保氏と東北大学や千葉大学、米国のボストン大学、国立保健医療科学院との共同研究によるものです。
研究成果は、J Prosthodont Resに掲載されています。

口腔の健康と複数の健康との関連はこれまで明らかになっていない

口腔の健康とさまざまな全身の健康およびウェルビーイングとの関連は、これまでに数多く報告されていますが、過去の研究では口腔の健康状態と単一の健康状態との関連を検証したものでした。

ウェルビーイングは、一般的には個人やコミュニティが健康で幸福である状態を指します。
身体的、精神的に健康な状態であるだけでなく、社会的、経済的に良好で満たされている状態にあることを意味する概念のことになります。
ウェルビーイングは単に疾患や病気の不在だけでなく、身体的な健康だけでなく、精神的・社会的な側面も含まれます。以下に、ウェルビーイングの要素を挙げていきます。

  1. 身体的な健康: 健康な食事、適切な運動、十分な休息は身体的なウェルビーイングに重要です。これらの要素が身体の機能をサポートし、疾患の予防や治療に寄与します。
  2. 精神的な健康: ストレスの管理、感情の認識と調整、心理的な安定が精神的なウェルビーイングに関連します。心理的な健康は生活の質を向上させる役割を果たします。
  3. 社会的なつながり: 良好な人間関係や社会的なつながりは、ウェルビーイングに不可欠です。友情、家族との絆、社会的なサポートが心の健康を向上させます。
  4. 職業的な充実感: 仕事や学業の充実感、達成感はウェルビーイングに関与します。働くことが生活に目的感をもたらし、満足感を生み出すことがあります。
  5. 環境の健康: 健康な生活環境もウェルビーイングに影響を与えます。清潔な環境、安全な住環境、自然環境へのアクセスが含まれます。
  6. 経済的な健康: 経済的な安定もウェルビーイングに寄与します。十分な収入や経済的な安全性が、生活の安定感や幸福感を高めることがあります。

ウェルビーイングは個人差があり、個々の価値観や状況によって異なります。
そのため、一般的な健康だけでなく、個々の幸福や満足度も考慮する広い視野が重要です。
個人が自分の生活においてどのように幸福や満足感を感じるかは、多くの要因に影響される複雑な概念です。
アンチエイジングは、老化のプロセスを遅らせたり、健康や若々しさを維持するための取り組みやアプローチを指します。
人々は健康で元気な状態を維持し、外見や機能の若々しさを保つために様々な方法を試みています。
当院の考え方は、ウェルビーイングの考え方に近いところがあります。
また、これまでの研究では結論が一致しないことがあり、意見が分かれる傾向にありました。
研究グループらは、アウトカムワイド・アプローチを用いて、口腔の健康状態と複数の健康、ウェルビーイングの指標との関連を同時に網羅的に検証することを目的として研究を行いました。
残存歯が少ないと死亡リスクが高いことが明らかになりました。

研究の対象は、26市町村に在住する65歳以上の高齢者です。
2010年、2013年、2019年における日本老年学的評価研究の15,905名分の縦断データおよび、日本老年学的評価研究と紐づけた32,827名分の2019年の介護保険データを使用しました。

口腔の健康状態は、以下の5つに分類されています。

① 20歯以上
② 10~19歯で歯科補綴あり
③ 0~9歯で歯科補綴あり
④ 10~19 歯で歯科補綴なし
⑤ 0~9 歯で歯科補綴なし
2010年の人口統計学的情報等を考慮した上で、2013年の口腔の健康状態と、2019年の身体や認知・精神的健康、主観的ウェルビーイング、利他的行動、健康行動などを含む35の健康とウェルビーイングの指標との関連を検証しています。
その結果、歯が20本以上ある人に比べ、20本未満の人は6年後の死亡リスクが10~33%高く、身体的な機能障害のリスクが6~14%高いことが明らかになりました。
口腔の健康と死亡のリスク比との関連について。
さらに、歯が20本未満の人は、外出の頻度が少なく、野菜や果物を食べる量が少ない傾向にあります。

また、残存歯が0~9本で歯科補綴を使用していない人は、重度の身体的な機能障害を有する可能性が高いかつ知的活動が少なく、絶望感を感じる割合が高いことが明らかになりました。
このことから、65歳以上の高齢者において、残存歯が20本以下であることは死亡および身体機能障害リスクの上昇と関連していたことがわかってきました。
また、口腔の健康状態を良好に保ち歯科補綴治療により回復させることは、死亡や機能障害リスクの低減だけでなく、ウェルビーイングの増進に寄与することも示唆されました。
今回の研究で、口腔の健康は、死亡率や身体的機能障害リスクの低減、知的能力の維持、外出頻度、食生活の維持に寄与する可能性があることが明らかになりました。
歯科医療従事者として、より1本でも多くの歯を残すことや、歯科補綴の重要性を再認識されました。
この結果が、1人でも多くの患者さんに伝わり、口腔の健康状態を良好に保つきっかけに繋がることを願います。

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