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歯肉炎が細菌が原因と考える証明とフロスを使う理由

栃木県宇都宮市兵庫塚町の歯医者 やまのうち歯科医院の山之内です。

歯肉炎がの原因とフロスについて

歯周病の原因やセルフケアの重要性を説明するにあたっては、この実験的歯肉炎と題されたLöeらの論文がが良く引用されています。
プラークが蓄積することにより歯肉に炎症が起き、プラークを除去することにより炎症がなくなったというシンプルな結果は、歯周病の原因が細菌であることや、ブラッシングにより炎症が改善することを理解してもらうのに有効であると考えます。
加えて、セルフケアを徹底することで、歯肉炎であれば健全な歯周組織の回復が得られることもわかりました。

周知の事実ではありますが、歯科衛生士や歯科医師もこれらの事実について今一度共通認識を持っておきましょう。
ブラッシング指導をおろそかにせず、患者さんのセルフケアのモチベーションを上げ、歯周治療をより予知性の高いものにしていきたいですね。

健康な学生・教員計12名を対象に、意図的に口腔清掃不良にすることで実験的に歯肉炎を引き起こし、細菌叢の変化を調査しています。
健康な歯肉において、ブラッシングを中止したところ、ブラッシング中止と共にグラム陽性菌が増加し始め、その後糸状菌が出現し、最終的にはビブリオやスピロヘータといった運動性の細菌叢が認められました。
さらに、細菌の出現・増加に伴い、gingival index(歯肉炎指数)が増加し、歯肉に炎症が起きました。
口腔清掃中止から10日目程度で一部の被験者に歯肉の炎症傾向が現れ、21日までに全員が歯肉炎を発症した。
ブラッシングを再開すると、これらの細菌はすぐに減少傾向を示し、細菌が減少したのち、歯肉の炎症状態の改善が認められました。

歯周病予防のためのセルフケアとして、補助的清掃用具の使用による歯間部清掃の重要性を説明するにあたっては、Cepedaらの論文が最適です。

ブラッシング方法の違いによるプラーク除去率を調べた論文はいくつかありますが、ブラッシング方法の違いによる歯周炎予防の効果は明確になっていません。

Bergenholtzらは、バス法やロール法、スクラビング法でのプラーク除去率は差がないと報告しています。
バス法とは、歯ブラシの毛先を歯と歯茎の境目に45度の角度で当てて、歯周ポケットの中に毛先を入れて細かく優しく磨く方法です。
ローリング法(ロール法)は歯ブラシのヘッド(ヘッドの側面)を歯肉に並行に当て、手首を返して歯肉から歯の先端に向かってヘッドを回転させて磨く方法。
スクラビング法とは、歯や歯肉に対して歯ブラシを直角に当てて、横に小刻みに動かす磨き方です。

一方で、Hansenらは、部位別での評価においては、各ブラッシング方法でのプラーク除去率に差が出ると報告しています。
こうなるとどれか正しいかわからなくなります。
しかしながらどの文献でも、
通常の歯ブラシによるブラッシングでは、プラーク除去率は6〜7割程度といわれているため、いかなるブラッシング方法を用いたとしても歯間部のプラークが残存してしまいます。
そのため、歯周炎予防に効果的なセルフケアとは、「歯ブラシによるブラッシングだけでなく、フロスや歯間ブラシなどの補助的清掃用具を使用し、歯間部のプラークを徹底的に除去すること」といえるでしょう。
Cepedaらの論文では、デンタルフロスを週に2回以上使用している人は、1回以下の人と比較し歯周炎有病率が有意に低かったと報告しました。
また、フロスを週に1回以上フロスを使用するグループは、フロスの使用が週1回未満のグループと比較して、17%ほど歯周炎に罹患する確率が低かったとも報告しています。
この論文は、フロスの使用頻度と歯周炎の関係に着目している点でとても有効です。しかし、フロスの使用方法が適正であったかは不明確であることに注意が必要です。
フロスの回数も重要ですが、それよりも重要なのは、適正にフロスが使用されているかどうかでしょう。
ブラッシング指導の際に、本論文におけるフロスの有効性を提示することで、患者の知識を深め、モチベーションの向上に繋げていきたいですね。

ブラッシング後にグルコン酸クロルヘキシジンによる洗口を行って、ロイテリ菌タブレットも摂取している。
なのにどうして、虫歯がいくつも発症して歯周病になっているのでしょうか。
なぜそれらのことを行ってきたのでしょうか?
患者さんの多くは、歯医者ですすめられたからというものかもしれません。

病気を予防(治療)する限り、手段と効果を切り離して考えることはできません。
情報が増えれば選択の幅が広がります。
しかし健康を望む患者さんに、効果がどれくらいあるのかわからないのに、専門家の指導とよぶにはいかがなものでしょうか。
ここでは、日常に身近なエビデンスを紹介します。
エビデンスの整理には、多大な時間と労力が必要です。
そこで、システマティックレビューやメタ解析など信頼性の高い論文を中心に、近年を代表する論文を紹介していきます。
歯科医療従事者と患者さんを相互に手助けするのがエビデンスです。

皆さんは、う蝕予防のためにしっかり歯磨きしましょうといわれたことがあっても、フロスをしましょうといわれたことはありますか?
では、それらの回数や精度で、う蝕予防効果はどの程度変化するでしょうか。

仮に予防効果がないとした場合は、どうしましょう。
手術しても、10年後の生存率はわかりません」と言われると、不安になりますよね。
患者さんからブラッシング回数について尋ねられたとき、皆さんならなんと答えますか?
漠然と、1日2回歯磨きをしましょうと聞いたことがあると思います。
フッ化物配合歯磨剤を使わない歯磨きでのむし歯予防効果は立証されていません。
1,450ppmF含有歯磨剤を使用すれば、1日2回以上の歯磨きで約30%を予防できることが期待されます。
さらに正しく使用すれば、より高い効果が得られるという報告があります。

患者さんがより安心感を持って理解し、信頼する可能性が高いのは後者の方でしょう。

このように私たちは、エビデンスの知識を得ることで、予防効果を見据えたアドバイスができるようになります。
これによって患者さんは歯科に対する理解が深まり、モチベーションも高まります。

歯科医療の発展は、科学の力がなければ考えられません。
すべてをエビデンスに委ねることには限界がありますが、エビデンスの欠落した臨床もまた、絵空事になります。
医療では、理論なき行動は暴力であり、行動なき理論は空虚であると考えています。

健康食品などでも「エビデンス」という言葉が多用されるようになりましたが、信頼性の低い研究に基づくものがほとんどです。
エビデンスの信頼性については、自身で推し量る必要があります
その一助となるのが「エビデンスピラミッド」です。
因果関係(例:予防手段と予防効果)を知る際に、研究デザインによって根拠の強さ(信頼度)が順位づけされます。


この図で分かる通り、専門家が言ったことより症例報告の方がエビデンスレベルが高いとなっています。
先生が言ったからというのは、人に対してのエビデンスレベルでは最も低いことがわかります。

一般的には、ガイドラインやメタ解析、システマティックレビューが最上位に位置します。
これらの研究は、二次研究に分類されます。一次研究の中から質の高い研究を系統的に同定し、評価することが「システマティックレビュー」、さらには複数の研究結果を統合し、統計解析したものが「メタ解析」です。

一方で、エビデンスピラミッドの中で順位が高い論文であっても「海外での成果だろう」「当院の患者さんと性質が違う」と敬遠されることがあります。
このような考えは「外的妥当性」と称され、時間やマンパワーなどの「自身の診療環境」や、患者の年齢層などといった「自院の通院患者」に適用可能であるかを判断(吟味)する必要があります。
しかしながら、実際調査すると同様な結果になることが多く存在します。
以外に思い込みがあることがありますね。
だからと言って、エビデンスを信用しないと頭ごなしに決めつけるのではなく、このように批判的に吟味していくことが重要です。
逆に、システマティックレビューを盲信しすぎて、すべて決めつけるものでもありません。

とはいっても実際の症例をみないとわからないと思います。気になる方は下記をクリックしてください。
歯周病治療の初期の行う治療

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