宇都宮兵庫塚町の歯医者 やまのうち歯科医院の山之内です。
今回は、矯正の話をしたいと思います。
小さいうちから装置を入れて治療を行うことが出来る子なら問題ないのですが
大人でも面倒だといわれている矯正器具を長期間入れるとなると
大変だと思います。
子供の歯並びを考えると、年齢に合わせた治療器具を入れて
顎の成長と歯の成長を見ながら加療するのがいいのですが
本人が希望してないうまくいきません。
歯の成長を見ながら、歯の生えるスペースがなければやや早めに乳歯を抜歯し、
極端に歯並びのずれを内容にしていった後
部分的に矯正を行った症例です。
部分矯正をする前に、ただ乳歯を抜歯しても
意味がありません。
その間に舌やお口の周囲の運動、頬杖や舌癖などの癖やまくらの位置などであごやかみ合わせに弊害がないか確認をします。
悪習癖の改善と歯の成長の確認や虫歯などの予防を行いつつ、経過を見ていきます。
歯が完成し、その時にまだ歯並びが気になり、そのかみ合わせが健康を阻害する可能性がある場合に行います。
当院初診時
乳歯の交換終了時
部分矯正時
治療終了時
上記の症例は、10歳くらいまで定期健診にて虫歯と歯肉炎予防を行っていました。
その間は、MFT（口腔筋機能療法）といったお口のトレーニングや態癖と言ってほほ杖などの歯並びに悪い影響がある悪習癖を改善する訓練を行っていました。
MFTとは、正しい舌の動きや正しい口のまわりの筋肉の動きを覚えていき習慣化し、正しく機能させる訓練のことです。
矯正装置をつけなくとも筋機能療法のみで悪い歯並びがある程度改善することもありますし、
矯正治療を成功させるために筋機能療法の併用が必要な場合も多いです。
リラックスした状態では、舌は上あごのスポットについていて、口唇は閉じているのが理想的です。
その状態を維持し、正しい嚥下（飲み込み動作）、発音をできるようにするのが、この訓練の目的です。
矯正を行う時期は、その治療法と条件によっても変化します。
ただ、頬側につける装置のほとんどは、歯の根が完成してから行うことがほとんどです。
これは、成長途中で動かすと歯の根の成長を阻害することがあるからです。
先天的に根が短い方もいますし、舌癖によって短くなる方もいるそうです。
上記の例は、根の成長が終了後、上の前歯のみの治療となりました。
下の歯並びを変えてからでないと、これ以上の矯正はバランスが悪くなると考えここまでの治療となりました。
ここで歯並びなど気になる場合は、ここから全顎矯正に移行することになります。
上記の例は、上の前歯のみの治療で、
矯正期間は６か月程度です。
歯を動かすことによる痛みはありませんでしたが、途中頬側の唇に擦れて口内炎が一度できました。
価格は、部分矯正代１０万円（税込１１万円）リテーナー代５千円（税込5.5千円）
調整は月一回 税込5千円でトータル14万5千円かかっています。
この治療の利点は、
通常矯正より期間が少なくて済みます
当然ですが、通常矯正より安くなります
被せ物で治療すると歯を削るのですが、この治療ではほとんど削ることはありません
欠点としては、
今回は、正中と言って真ん中の位置に並びましたが、理想的なかみ合わせの位置関係になりにくいです
頬側の装置が当たって擦れて口内炎が出来てしまいました
通常矯正より痛みが少ないが全くないわけではありませんが痛み止めを服用することはありませんでした
後戻りや習癖による歯の移動を防ぐため、リテーナーを夜間つけるようにしていただきます
以上が今回の症例についてのお話ですが、
適応かどうかや細かいことは、担当医とよく相談の上決めましょう。
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