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歯ブラシの回数は多ければ多いほどいいのでしょうか?

栃木県宇都宮市兵庫塚町の歯医者 やまのうち歯科医院の山之内です。
子供のころから、食べたら歯を磨きなさいといわれたと思います。
もちろん歯医者に行っても、同様なことを言われたと思います。
さて、今回の文献は毎食後磨かなくてもいいよという文献なのですが、これは歯周病についてのみなので虫歯については語っていません。
虫歯については、様々な意見がありフッ素信者やフッ素危険視するかた、歯ブラシは全く意味がないという方様々な方がいらっしゃいます。
今回は、歯ブラシの回数と歯周病についての関連した文献です。
歯周病予防には、1日何回磨くのが効果的かという内容です。

歯ブラシの回数と歯周病の関連について調査した文献がありましたのでお話しさせていただきます。

この研究は、成人以上が対象で、歯磨きの行動と歯周ポケットの深さ、歯周病の進行との関連を調査することが目的の研究です。
この研究を行われた場所は、フィンランドの国民調査の参加してもらい、ブラッシングの回数を報告した方、30歳から89歳の計1025人の成人の調査したデータから収集したものです。
特定地域限定にはなってしまいますが、大変有用な文献になっていると思います。
これは、歯周ポケットの深さとブラッシングについて書いたもので、虫歯や口臭というその他の予防策については別の文献を参考にしてください。
日常の歯ブラシの評価方法は、2回の調査で参加者が1日2回あるいはそれ以上ブラッシングした者、1日1回、1日1回未満の方で分けられています。
歯磨きの習慣と11年にわたる歯周病の歯周ポケット(4㎜以上)ある歯の数に対して線形回帰分析で評価しています。
歯磨きの回数の頻度と歯周病の歯周ポケット(4㎜以上)の歯の数の変化に明確な関係がありました。
規則正しいブラッシングが歯周病の歯周ポケット(4㎜以上)の歯の数の変化に及ぼす効果のエビデンスがありました。
両調査において、1日2回あるいはそれ以上ブラッシングすると報告する参加者は、いずれの調査でも1日2回未満のブラッシングの方よりも歯周ポケット(4㎜以上)の歯は、1.99本少ないことが島されています。
11年にわたる後ろ向き研究は、ブラッシング回数が歯周病の歯周ポケット(4㎜以上)の生じた歯の数が増加するのを防ぐことがあることを示したいます。
ブラッシングの習慣と歯周病の歯周ポケット(4㎜以上)の歯数の変化に明確な関連性がありました。
初回時、または再評価時に1日2回かそれ以上ブラッシング習慣がある方は、1日1回もしくはそれ以下のブラッシング習慣の方よりも、歯周病の歯周ポケット(4㎜以上)の増加が低く抑えられたということがわかりました。
1日1回のブラッシングでは、歯周病の状態を良好にするには十分でしたが、ブラッシング習慣の回数が増えることが歯周病の歯周ポケット(4㎜以上)の数を少なく抑制することがわかりました。
しかしながら、1日2回と2回以上を超える歯磨き習慣の方との有意差はありませんでした。
回数が多ければ多いほど歯周病を防ぐのではなく、2回のブラッシングを丁寧に行うことが重要なのでしょう。
そして、どちらかの調査で2回以上歯ブラシする方は、歯周病の歯周ポケット(4㎜以上)の増加はそれ以外の方より抑制されていたことがわかりました。
以上により、1日2回以上磨くことが歯周病予防に適しているということがわかり巻いたので、毎食後磨くというのは強ち間違っていないことがわかりました。

以下の文献は、歯周病治療終了後の歯周基本治療と歯周外科、サポーティブペリオドンタルセラピー(SPT)についての研究です。

調査内容は、歯周ポケット深さ(PPD)や検査時の出血(BOP)、歯の喪失(TL)と二つの患者因子の喫煙とジェンダーの影響が評価されています。
この文献は後ろ向き研究で、成人の歯周炎に対して歯周基本治療と歯周外科、サポーティブペリオドンタルセラピー(SPT)を受けた患者さんを調査しています。
解析する部位は、歯、患者さんの情報を用いて行われています。
平均値、パラメトリックとノンパラメトリックな解析が、歯周基本治療と歯周外科、サポーティブペリオドンタルセラピー(SPT)の結果を評価に適した方法で行われています。
「パラメトリック」は、数学や工学などの分野で使用される用語で、パラメータに関連する性質や変数を考慮に入れることを指します。
歯周基本治療と歯周外科治療後の歯周ポケットに有意な改善が認められました。
10年後、患者さんの9.3%がサポーティブペリオドンタルセラピー(SPT)を遵守していました。
歯周ポケット深さ(PPD)や検査時の出血(BOP)における改善は維持され、10年フォローで臨床的パラメーターの維持ができたことがわかりました。
皆さんご存じのように、非喫煙者と喫煙者間の差がみられました。
10年後の調査時に、喫煙者は歯周ポケット深さ4mmあるいはそれ以上の部位の割合が有意に高くなっていました。

タバコを吸われる方は、お口と体のトラブルは起きるものとして覚悟して吸いましょう。
検査時の出血(BOP)の部位の割合と歯周ポケット深さが6 mm以上の部位の割合に対して、SPT期間中に男性と女性間でも有意差が見られました。
奥歯は最も喪失しやすい歯であることがわかりました。
10年間の検診期間中失われた歯の平均数は2.6本でした。

歯周ポケット深さ(PPD)や検査時の出血(BOP)に関して、サポーティブペリオドンタルセラピー(SPT)を行っている患者さんは、歯周組織の状態を維持していることがこの研究からわかりました。
しかしながら、サポーティブペリオドンタルセラピー(SPT)遵守されている患者さんの群でも、歯の喪失は奥歯で最も多く認められました。

この研究では10年後9.3%しか、サポーティブペリオドンタルセラピー(SPT)は残っていませんでした。
他の文献で引き合いに出されている例では8年で16%というのがあります。
どの予防医療の中においても、歯科治療の予防効率が高いことは知られています。

10年間のサポーティブペリオドンタルセラピー(SPT)期間中に残念ながら平均2.3本失われました。
歯の喪失平均割合は年間0.2本でした。
過去の報告では年間0.03~0.4本となっています。
サポーティブペリオドンタルセラピー(SPT)に定期的に遵守した患者の歯の喪失は年0.12本であったのに対し、不定期にしか従わなかった患者は0.24本であった報告もあります。
これらは、対象とする年齢やサポーティブペリオドンタルセラピー(SPT)前の状態など様々な要因が絡んでいると考えられます。
歯周病、検査時の出血(BOP)、性差、長期メインテナンス、喫煙者の有無、歯周組織メインテナンス治療、歯周ポケット深さ(PPD)、リスク因子、サポーティブペリオドンタル治療、歯質、歯の維持の変化について調査してきました。

サポーティブペリオドンタル治療(SPT)が大事だとはいうものの、患者さんがすべてSPTについて来てくれるわけでありません。
以上によりサポーティブペリオドンタルセラピー(SPT)に患者さんが来てくれることはなか難しいけでど、歯の保存という観点からすればその価値は十二分にあることがわかりました。
歯周病予防には、歯ブラシ回数は、一日2回以上行うことが推奨されますね。
もちろん効果的に行うには、個々に合ったブラッシング方法や補助清掃器具を使用することが前提になります。
以上のことを行っていれば、歯がなくならないわけではないことも書いています。
しかし行わなければ、行っている方より歯の欠損数は多くなることもわかりますね。
あなたに合ったブラッシング方法で、一日2回から3回以上ブラッシングしましょう。

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