歯周病って全身疾患と関係あるって聞いたのですが本当ですか?

栃木県宇都宮市兵庫塚町の歯医者 やまのうち歯科医院の山之内です。

全身疾患と歯周病について、現在わかっている範囲での考え方原因について書いていきます。

全身性疾患を有する、あるいは全身性疾患が疑われる歯周病患者さんには、歯周治療開始前に十分に医療面接を行うとともに、症状に応じたすみやかな医師への問い合わせが必要となることがあります。

全身性疾患を十分管理することで、歯科治療が可能になり、歯周治療の効果が高くなる場合があります。

しかし、全身性疾患の種類や全身状態や症状によっては、歯周治療のみならず歯科治療が困難となる症例もあるので、そのような場合は早期にその全身性疾患を専門とする高次医療機関と連携をとり、病状や治療上必要な情報提供や全身性疾患に対する管理を依頼しなければなりません。

また,全身状態が十分管理された状態でも細心の注意をはらう必要がある

しかしながら、歯科医が医科の専門について十分な理解をしていないし、医科の先生も歯科について十分な理解が得られることはほとんどないといわれています。

1)歯周病に影響を与える因子
(1)先天的因子
a.遺伝的リスクファクター
代謝遺伝子異常や炎症免疫関連遺伝子の多型性、遺伝子発現レベルなどの異常が関連すると考えられます。
Down 症候群やPapillon-Lefèvre 症候群、Chédiak-Higashi 症候群などが、歯周病の重篤度が高いことで知られています。
日本障害者歯科学会でも、上記の疾患は歯周病を早期に増悪させる疾患として挙げられています。

日本歯周病学会による歯周病分類システム(2006)に記載はありませんが、HIV 感染者には帯状歯肉紅斑および壊死性潰瘍性歯肉炎という歯肉炎がみられることがあります。
某学会の専門医試験には、重篤な歯周炎を伴うものはの問題で、後天性免疫不全症候群、Down 症候群、Papillon-Lefèvre 症候群が回答なものがありました。
正解は発表されませんでしたが、これしかありえないのであっていると思います。
多くは語れません。
b.年齢・性別
歯周組織の破壊が低年齢層から始まるものや、進行の速いものは予後が不良になりやすい(侵襲性歯周炎など)。
また、性ホルモンの増加では Prevotella intermedia の増加により妊娠性歯肉炎や思春期性歯肉炎が生じたり、閉経後の女性ではエストロゲンの分泌低下により炎症性サイトカインが増加することによって、歯槽骨吸収や歯周ポケットの深化に関連する可能性があります。
c.人種民族差
人種民族差の因子は日本ではさほど重要ではありませんが、米国の白人、メキシコ系米国人、アフリカ系米国人ではアタッチメントロス量、プロービング値、歯周炎罹患率を比べると、いずれも白人が最も低いことが示されています。
人種民族差は口腔細菌叢、宿主応答の差違、食習慣、社会経済的要因や歯科治療への理解などが影響していると考えられています。

以上により、年齢性別、生活習慣、人種、疾患、場合により職種、障害など問診表に書かれていてもこれは必要な内容なのです。
問診表書きたくないと思っていても、上記の理由などにより必要なためできるだけ記載してください。

歯周病が影響を与える疾患
(1)血管障害性疾患
動脈硬化症や虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)ではサイトカインが血栓の形成に関与する可能性が考えられています。
(2)誤嚥性肺炎
歯周病原細菌をはじめとする口腔細菌が唾液などを介して気管を通過し、肺に入ると誤嚥性肺炎を発症する場合があります。
(3)早産・低体重児出産
中等度以上に進行した歯周炎をもつ母親は、そうでない母親より早産・低体重児出産のリスクが高いことが報告されています。
(4)糖尿病
歯周炎により生じる炎症のケミカルメディエーターである TNF-αはインスリンの抵抗性を増大させ、糖尿病を悪化させる可能性が報告されています。
(5)関節リウマチ
関節リウマチを有する患者ではアタッチメントロスおよび歯の喪失が大きいことが知られている.

歯周病と関節リウマチの病因・病態には共通点が多く、炎症性サイトカインや PGE2(プロスタグランジン E2:prostaglandin E2)などの産生亢進が組織破壊に関与していると考えられています。
(6)その他の疾患
その他にも,日常的な菌血症,慢性腎臓病,非アルコール性脂肪性肝炎(non-alcoholic steatohepatitis:NASH)などの発症、進行に影響を与えるという報告があります。

全身的因子が歯周病の発症や進行に非常に重要な誘因であり、また歯周病が全身性疾患の誘因になることも明らかになりつつあります。

患者個々の歯周病への易感染性や進行速度が異なったとしても、歯周病の原因である細菌性プラークを十分に取り除くことにより歯周病は改善に向かいます。

歯周病の発症や進行と深く関係のある全身性疾患〔糖尿病や肥満(メタボリックシンドローム),血液疾患など〕を有する患者では,歯周病の局所因子の除去を徹底し,そのうえで主治医と連携して全身性疾患の改善をはかることが大切になります。
さらに喫煙、ストレスなどの環境因子も歯周病の進行を促すことが報告されており、これらの因子の改善も重要となります。

1)有病者への配慮
有病者は多種類の薬剤を服用しているケースが多く、歯周治療開始前に十分に医療面接を行うとともに、医師に病状を照会し、万全の医療連携体制を整えておくことが重要です。

高齢者や有病者では、治療が可能な状態でも術前の検査として最低限、安静時の血圧、心拍数、酸素飽和度を測定しておき、治療中もバイタルサインをモニタリングすることが合併症の予防のために必要になります。
歯医者なのに、全身の検査を何でするんだろうと思われますが、病院でコントロールされていればまだいいのですが、しばらく行ってない方は何かしらの疾患にかかっているかのスクリーニングもかねて行うこともあります。

しかし、全身性疾患の種類や症状によっては,歯科治療が困難となる症例もあるので、そのような場合は早期にその全身性疾患を専門とする高次医療機関と連携をとり、リスクファクターなどの情報提供や全身性疾患に対する管理を依頼することが推奨されています。
2)糖尿病患者への配慮
血糖コントロール不良の糖尿病により、宿主の生体防御能が低下している易感染性の歯周炎患者や動脈硬化性疾患により血管内皮機能障害を有する歯周炎患者に対しては、歯周治療の反応性を向上させるとともに、全身および臓器への悪影響を減少させる目的で、抗菌療法の併用が推奨されています。

3)高齢者への配慮
高齢者は加齢に伴う免疫機能の低下により歯周病に対する抵抗性が低下するとともに、口腔機能低下に伴い誤嚥性肺炎を引き起こすことが多くなります。

高齢者における歯周治療としては特別な方法はありませんが、身体的機能の低下や種々の全身性疾患を有することが多いことから患者の観察と既往歴、現病歴、服用薬剤について十分な情報を得ることが重要になります。
歯医者なのになぜこんなに問診書かなければならないのだといわれたことがありますが、治療を行う上で必要なためなのです。

必要に応じて主治医に問い合わせ、患者の全身状態を把握しなければなりません。
また、誤嚥性肺炎の予防には口腔バイオフォルム検査で口腔内の汚染状態を評価し、口腔バイオフィルム感染症を診断し、口腔内の清浄を保つことが必要になります。

 

 

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